2008年5月15日 (木)

今夜は本の話 その21

殺人者の烙印(パトリシア・ハイスミス)

00415912 原題・慈悲の猶予

売れない作家シドニー。時折諍いをする妻アリシアが再び家を出た。その翌朝早く、シドニーはかねてからの空想(妻を殺して・・)をシュミレーションすべく、古い絨毯を丸めて担ぎ出し森に埋めに行く。妻の死体を包んだ積りで重そうに運び、隣家のリリバンクス夫人が見ているかもしれないのも承知であった。普段からの妻への鬱屈した感情のはけ口と、作家としての好奇心を押さえられずで、ちょっとした悪戯の積りである。執筆する作品が悉く鳴かず飛ばずであり、作品にリアリティを出す為の言動が次第に不審を買い、警察に目をつけられ、妻の両親や友人たち、理解ある隣人にも疑われだす。新聞にも掲載され、まるで殺人者扱いであった。その頃妻は、一人でのんびりしていたのだが、その内以前知り合った男とロンドンの郊外で半同棲を始めていた。アイディアが溢れ出すようになり仕事も順調になるシドニー。妻の不在が長くなるにつれ、やっと周りの目も気になりだしたシドニーは妻の行方を捜さざるを得なくなり・・妻を見つけ出すのだが、友人や警察にも知らせない。事の成り行きを見てみたい、本に生かしたい、妻が自分で名乗り出るべきでは・・などの思いで。共作の友人は利益を独り占めにしようとし、隣人も警察へ・・妻とその愛人も次第に追い詰められていき・・ここへきて、やっとシドニーは妻に手紙や電報を出す。浮気をしても自分に有利に離婚したいやら、両親に気兼ねして連絡もしない妻・・妻の死によってシドニーの疑いは晴れるが、それを知らない隣人が死亡・・男のところへ乗り込み無理やり睡眠薬を飲ませるシドニー・・

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2008年5月12日 (月)

今日は映画の話 その28

隣のヒットマン(2000・アメリカ)

Photo_2 監督・ジョナサン・リン、出演・ブルース・ウィリス、マシュー・ペリー、ナターシャ・ヘンストリッジ・・

カナダのモントリオール、閑静な住宅街に一人の殺し屋がやってきた。歯科医のオズ(ペリー)は隣に越してきたジミー(ウィリス)と知り合い・・ジミーは、シカゴを牛耳るマフィアのボスを裏切り死刑に追いやって、刑を済ませて出所してきたばかり・・オズとジミーは何故か通じるものを感じ始めるが、オズは悪妻に唆されて騒動に巻き込まれてゆく・・ジミーの妻シンシア(ヘンストリッジ)に出会ったオズは一目ぼれ・・悪妻が自分を殺そうと殺し屋に頼んでいる事を知り・・1000万ドルの金を巡って二転三転の殺人ゲームが・・

人のいいオズとただの殺し屋ではないジミー、ストーリー展開は殺し合いなのに実に軽妙でからりとした辛口コメディになっている。マフィアの連中の裏を掻き・・ジミーも殺された事にし・・ラストは粋なハッピー・エンド!

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2008年5月 9日 (金)

今日は映画の話 その27

プライベート・ライアン(1998・アメリカ)

Photo_3監督・スティーヴン・スピルバーグ、出演・トム・ハンクス、マット・ディモン、バリー・ペッパー・

ノルマンディ上陸作戦の中、たった一人の兵士を救うために展開された作戦があった。実話にインスパイア(霊感を与える)された秘話で、圧倒的な戦闘描写である。

1944年、上陸作戦がほぼ成功後、ミラー大尉(ハンクス)に命令が下された。ライアン二等兵には3人の兄がいるがこの一週間で3人とも戦死している・・兄弟全部を戦死させるわけには行かないので、4人目のライアンを是が非でも故国へ、と。ミラーは中隊から7人を選び出し再び戦場へと・・たった1人の兵士を救うため多くの人命が危険に晒される事は無視される軍部の矛盾と皮肉。神を信じる敏腕スナイパーのバリー・ペッパーがいい。

死ぬ事と死なない事の重みがプロローグとエピローグに凝縮されている。

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2008年5月 5日 (月)

今日は映画の話 その26

ジョー・ブラックをよろしく(1998・アメリカ)

84617view014 監督・マーティン・ブレスト、出演・ブラッド・ピット、アンソニー・ホプキンス、クレア・フォラーニ・・

ある日、胸の痛みを覚えた大富豪パリッシュ(ホプキンス)のもとに突如見知らぬ客(ピット)が・・

彼はパリッシュを迎えに来た死神で・・ついでにパリッシュを案内人として人間世界を見ようとしに来たのである・・

夕食の席で娘のスーザンは驚いた。その朝、コーヒーショップで一84617view003_2 人の魅力ある男と知り合うも、二人とも心を残したまま別れたのだが・・(その直後男は交通事故に遭い・・)

父に「稲妻に打たれる様な恋を・・」と言われ、その男にも同じ事を言われたのだった。

パリッシュの心配を他所に、人間の恋愛を知ったジョーは彼女をあの世に連れて行きたいと葛藤する・・パリッシュの人となりに打たれていたジョーは、スーザンを諦め、体を借りていた男を彼女の元に返し・・パリッシュと二人で旅立っていく・・

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2008年5月 2日 (金)

機織りをやっていて その15

81 更紗柄風、再注文の品。

色糸は明るめの物を使用。地糸は生成りの白。

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2008年5月 1日 (木)

今日は映画の話 その25

愛と哀しみのボレロ(1981・フランス)

51va9vhe8hl__ss500__2  監督・クロード・ルルーシュ、出演・ジョルジュ・ドン、ダニエル・オルブリフスキ、ジェラルディン・チャップリン・・

1981年、パリ。トロカデロ広場でのユニセフ・チャリティ・コンサートには多くの観客が詰めかけ・・TVの進行役にはエディット、踊り手はセルゲイ、歌い手がサラとダヴィッドの息子のパトリック・・運命の糸に操られる芸術家たちが今一堂に会して、一つの曲モーリス・ラヴェルの「ボレロ」の元に結集された・・

1930年代からの戦争を潜り抜けてきた、モスクワ・パリ・ベルリン・ニューヨークの4都市・4家族の戦中戦後史を音楽とバレエで描く、ルルーシュの大作ドラマである。ヌレエフ、ピアフ、カラヤン、グレン・ミラーらをモデルにしている。振り付けはモーリス・ベジャールである。ラスト17分のジョルジュ・ドンのボレロは圧巻である。

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2008年4月28日 (月)

今日は映画の話 その24

愛と喝采の日々(1977・アメリカ)

514jy9hk9jl__sl160_ 監督・ハーバート・ロス、出演・シャーリー・マクレーン、アン・バンクロフト、ミハイル・バリシニコフ・・

オクラホマ・シティ・・バレーダンサーのディーディー(マクレーン)は同ダンサーとの恋愛中に妊娠、そして結婚し二人の子の母となった。バレー団の一人エマ(バンクロフト)はディーディーの親友であった。そのバレー団が公演でシティにやってくる・・その昔、ディーディーがバレー団を辞めたのは、エマに勧められて娘(エミリア)を産んだ為である。エマはディーディーの代わりに「アンナ・カレーニナ」を演じ、プリマとなった。

Barishi_2 一家はこの公演を見に行くのだが、ディーディーはエマの舞台姿に感銘を受けつつも複雑な心境であった。その後エミリアがエマに勧められてそのバレー団に入る。エミリアの恋愛相談を受けているうちにエマがエミリアとの絆を深めていき・・それにつれてディーディーとエマの仲が微妙になっていく。その後の公演でエマもエミリアもそれぞれが喝采を浴び・・公演の後、ディーディーとエマのライバル意識が爆発する。20年前からのわだかまりが一気に・・やがて、お互いに笑いへと変わり、それぞれが自分自身を大切に生きてきた事を認め合う。

監督のロスは振付師出身である。世界最高のクラシック・ダンサーと謳われた、ミハイル・バリシニコフが出ている。

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2008年4月26日 (土)

煙草の起源・・

煙草に含まれるニコチンは薬理作用があり、植物アルカロイドの一種である。

その発祥は中南米で、BS1000年頃のマヤ文明当時、ボリビアとアルゼンチンの一部でインディオが使用し始めたとされる。喫煙によって神聖な火が体内に宿り、治療としても悪霊の呪縛から逃れられるとされ、煙草は人と精霊との呪術的な媒介物であった。儀式にも使われ、紫煙が神々への供物でありそれが神託をもたらし、煙の行方で未来を占いもした。

その後嗜好品となり、1942年コロンブス(アメリカ大陸発見後)によってヨーロッパへ運ばれ、やがて世界に広まった。

ヨーロッパでは鎮静剤として処方し、ペスト知らずといわれ小学校でも喫煙時間が有り、万病に効くとされ医薬品として認知されていた。ヨーロッパから日本へ広まったのは100年足らずの内であった。

時が移れば、変わりに変わるものだ・・

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2008年4月24日 (木)

今日は映画の話 その23

愛の嵐(1973・イタリア)

F_ainoarashi200 監督・リリアーナ・カヴァーニ、出演・ダーク・ボガード、シャーロット・ランプリング、フィリップ・ルロワ・・

1957年冬のウィーン、マックス(ボガード)は二流ホテルのフロントとして目立たぬように暮らしていた。彼は20年前ゲットーの責任者として権力を振るう衛隊員だった。ある日、若手指揮者夫人のルチア(ランプリング)が現れる。ユダヤ人の美少女だった彼女はゲットーで彼に目をつけられ、彼の倒錯した性の愛玩物であった。ルチアは夫と共にウィーンを去ろうとするが夫は一人フランクフルトへ。何故ここへきたのかと詰め寄るマックスはルチアを殴り、悲鳴を上げて逃げ回る彼女・・ いつしか20年前の快楽の淵で・・元ナチス隊員たちは自分たちを守る為その悪行を知る人間を消し去り生き延びてきたのだが、今回はルチアを消す為の会議を・・マックスは彼女をアパートに匿い仕事も辞め・・そこは出口の無い牢獄と同じだった。追い詰められた二人は歪んだ愛と憎悪・哀れみをぶつけ合い、やがて当時の服装に身を包み車で逃げ出す・・尾行車が・・ドナウの橋で車を捨て歩き出す二人・・銃声が二発・・崩れるように倒れる二人・・

この映画はバチカンを激怒させ、ルキノ・ヴィスコンティに「悲痛で残酷で、恐ろしいほどの傑作だ」と言わしめた。

・・デカダンスとマゾヒズム、エロスとタナトスの物語。

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2008年4月21日 (月)

今日は映画の話 その22

愛人関係(1973・フランス)

Mafrvxhxs_2 原作・リチャード・マシスン、監督・ジョルジュ・ロートネル、出演・アラン・ドロン、ミレーユ・ダルク・・

ペギー(ダルク)は、夫殺しの弁護で彼女を救ったマルク(ドロン)に保護され、南仏ニースに一緒に住んでいた。そんな時、脚本家フランソワが現れ・・彼女の周辺で連続殺人が起き・・フランソワも負傷する。警察からペギーの逮捕を告げられるマルク・・ペギーとフランソワは二人で暮らそうと新しい生活を始める。ある日、カミソリを手にフランソワに襲い掛かるペギー・・駆けつけたマルクは・・病んでいる彼女を・・殺し・・

サイコスリラー的なロマンス映画。ドロンとダルクは当時愛人関係で・・ダルクの売り出しに一役買った作品(監督がかつての愛人)。原作者のリチャード・マシスンは「トワイライトゾーン」のライター出身で、「激突」の作者でもある。

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