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2007年10月

2007年10月24日 (水)

本5・・モンテ・クリスト伯

モンテ・クリスト伯・・アレクサンドル・デュマ

51x8q2pj45l商船の若き一等航海士エドモン・ダンテスは人望も厚く親思いの青年で、船長の亡きあと後任を託され美しいメルセデスと婚約。しかし、それを恨み貶めようとする会計係や横恋慕する仲間、奸計を弄する検事補等により政治犯として無実の罪(偶然流れ着いたエルバ島で、ナポレオンから「帰還」に関する手紙を託され・・手紙の内容は知らず、宛先は検事補の父親)で逮捕され、マルセイユ港外の石の牢獄へ。

石壁に「神は私に正義を与えて下さる」などと彫りながらも、絶望の中9年が過ぎる頃、同牢のある司祭によって自分の事件の真相を知る。司祭からあらゆる知識や剣術などの教えを受け、諭され、信頼関係を築いていく。司祭亡き後授かった地図により入獄から14年後脱獄(司祭の死体に成り代わり)し、一人の仲間を得て財宝を手に入れる。入獄中に父親が、息子の無実を信じ続け餓死していた事も知る。財宝を手に入れてから時満ちた10年後、復讐を実行し始める。イギリス商人やイタリア神父などを経、モンテ・クリスト伯としてヨーロッパ社交界へ。メルセデスは裏切りの友の妻に。ダンテスが死刑になったと聞かされていたとはいえ、メルセデスは自分の罪は背負うが息子だけは助けてくれと。その息子は・・我が子であった。

ダンテスは過去に決着をつけ、凍った心を溶かし、再び人として生きて行こうと決心する。「人生は果てしない自分探しの航海だ」とし、娘のように思う不幸な女性と再び旅立って行く。終わりの一節・・「待て、而して希望せよ」。

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2007年10月13日 (土)

映画6・・ブラック・ダリア

ブラック・ダリア(2006・アメリカ)

Img295455b8zik9zj_2原作・ジェームズ・エルロイ、監督・ブライアン・デ・パルマ、出演・ジョシュ・ハートネット、アーロン・エッカート、スカーレット・ヨハンソン、ミア・カーシュナー・・ 

1947年、L・Aでの実話。ヴェロニカ・レイクのブルーダリアをもじって、ブラック・ダリア事件と呼ばれる。

22歳の女優志願だったエリザベス・ショート。生前、黒髪と黒衣で軍人専用のクラブホステスをしていた彼女は、生きたまま半分に切断され、血を抜かれ、顔はジョーカーのようなおぞましい笑顔に切り裂かれていた。そして彼女は発育不全だった。犯人は捕まらず迷宮入り。

事件を二人の刑事、バッキー(ハートネット)とリー(エッカート)が追い、事件の背後にある妖しく深い闇に飲み込まれて行く。映画では、結末(犯人と犯意)が明かされるが闇に葬る。リーとバッキー、ケイの人間模様や、リーの異常な執着心などが描かれるが、事件との直接的な繋がりや捜査は曖昧なまま。ポルノフィルムの存在、大富豪一族の黒い秘密、その娘はショートと瓜二つ、道化師の肖像・・40年代の街並みや車、ファッション、ノワールを彩るトランペットなど映像は美しい。

・・父親がLA市警の警官だったというジョン・ギルモアの「切断」では、犯人らしき男は寝タバコで焼死。娘や息子が、父親を犯人として告発する、というノンフィクションも出ている。

   

   

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2007年10月10日 (水)

機織り・・その7

078gatu図柄としては、下の方にあるのがクリーム地に松葉、左端が銀地に散り箔、それから沙綾などの地模様、クリーム地の横段、銀の一越し、上の方に太陽松を幾つか。

個人的には結構好きな柄行きですが、どちらにしてもかなり渋めなのは変わりありません。綾織りも良いのですが、こういった平織りも廃れない。ただし平織りの場合、箔や糸が悪いとカバーしきれず、もうホントお手上げ。

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2007年10月 2日 (火)

本4・・緋文字

緋文字(スカーレット・レター)ナサニエル・ホーソーン著

03227150_1ヘスタは地味な粗衣を纏い、人の群れを離れ海辺の茅屋に住み、苦行七年の贖罪の日々を送る。「暗い色の紋地に赤い文字A」・・ラストの言葉であるが、解釈はさまざまの様。17世紀、新天地を求めアメリカ大陸に渡った人々。その初期のニューイングランド、戒律の厳しいピューリタニズム。暗い真紅の文字は罪の色、地獄の火の色、娘パールはその化身。緋色A・・adultery。

物語は、ヘスタが胸にその文字を記して曝し台に立つところから始まる。7年後、不倫相手の牧師は罪の告白に相応しい所で懺悔したと信じ死に、元夫は懺悔も告白も無く救いの無い地獄へ。牧師と元夫の死後、ヘスタは娘とその地を離れるが、娘の自立と共に再び彼の地へ戻り、懺悔の日々を送りながら少しずつ人格を磨いていく。報われなかった想い、時が過ぎ、死後も遺骨を交えることなく・・

・・原作のホーソーンは、判事だった祖父が魔女裁判のように巫女の血を流した・・という罪意識が基となり、一度犯した罪は魂の穢れとして永久に消えない、と信じていたそう。

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