今夜は本の話 その11
緋文字(スカーレット・レター)ナサニエル・ホーソーン著
ヘスタは地味な粗衣をまとい、人の群れを離れ海辺の茅屋に住み、苦行七年の贖罪の日々を送る。「暗い色の紋地に赤い文字A」・・ラストの言葉であるが、解釈はさまざまの様。17世紀新天地を求めアメリカ大陸に渡った人々。その初期ニューイングランド、戒律の厳しいピューリタニズム。暗い真紅の文字は罪の色、地獄の火の色、娘パールはその化身。緋色A・・adultery。
原作は、ヘスタが胸にその文字を記して曝し台に立つところから始まる。七年後、牧師は罪の告白にふさわしいところで懺悔したと信じ死に、元夫は懺悔も告白も無く救いの無い地獄へ。牧師と元夫の死後、ヘスタは娘とその地を離れるが、娘の自立とともに再び彼の地へ戻り懺悔の日々を送りながら少しずつ人格を磨いていく。報われなかった想い、時が過ぎ、死後も遺骨を交えることなく・・原作のホーソーンは、判事だった祖父が魔女裁判のように巫女の血を流した・・という罪意識が元となり、一度犯した罪は魂の穢れとして永久に消えない、と信じていたそうだ。
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