今夜は本の話 その21
殺人者の烙印(パトリシア・ハイスミス)
原題・慈悲の猶予
売れない作家シドニー。時折諍いをする妻アリシアが再び家を出た。その翌朝早く、シドニーはかねてからの空想(妻を殺して・・)をシュミレーションすべく、古い絨毯を丸めて担ぎ出し森に埋めに行く。妻の死体を包んだ積りで重そうに運び、隣家のリリバンクス夫人が見ているかもしれないのも承知であった。普段からの妻への鬱屈した感情のはけ口と、作家としての好奇心を押さえられずで、ちょっとした悪戯の積りである。執筆する作品が悉く鳴かず飛ばずであり、作品にリアリティを出す為の言動が次第に不審を買い、警察に目をつけられ、妻の両親や友人たち、理解ある隣人にも疑われだす。新聞にも掲載され、まるで殺人者扱いであった。その頃妻は、一人でのんびりしていたのだが、その内以前知り合った男とロンドンの郊外で半同棲を始めていた。アイディアが溢れ出すようになり仕事も順調になるシドニー。妻の不在が長くなるにつれ、やっと周りの目も気になりだしたシドニーは妻の行方を捜さざるを得なくなり・・妻を見つけ出すのだが、友人や警察にも知らせない。事の成り行きを見てみたい、本に生かしたい、妻が自分で名乗り出るべきでは・・などの思いで。共作の友人は利益を独り占めにしようとし、隣人も警察へ・・妻とその愛人も次第に追い詰められていき・・ここへきて、やっとシドニーは妻に手紙や電報を出す。浮気をしても自分に有利に離婚したいやら、両親に気兼ねして連絡もしない妻・・妻の死によってシドニーの疑いは晴れるが、それを知らない隣人が死亡・・男のところへ乗り込み無理やり睡眠薬を飲ませるシドニー・・
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