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2008年12月 1日 (月)

本18・・Blues(ブルース)

Blues(ブルース)・・リシャール・ボーランジェ著

Bohringer_blues_s略歴・・1942年フランスのムラン生まれ。俳優・脚本家・映画監督・歌手。「ディーバ」「フランスの思い出」「コックと泥棒、その妻と愛人」・・「野生の夜に」のロマーヌは娘。その幼少時代、アルコールとヘロイン、フランスの国民的人気俳優のエッセイ。自伝でも小説でもない一つの軌跡。

バーの奥で飲んでいた時、思い出が暗がりから出てきて短刀のように突く。希望もなく心は引き裂かれ、バーにしがみつく。誰もいない朝、冬は朝でもまだ夜だった。

ある種の人間には決して解からない事・・心の傷や、クレッソンが生える流水溝、空が暗くなる時の青い影。太陽が沈む時、線路の土手に座り列車を待つ。ズタズタにされて頭から死の花が咲き出し・・

雨が降っているとあまり不幸ではない。過去の匂い、全てが無駄に終わる孤独な日。また人生に立ち戻れるのか。脱色されたような生活、黄金の日々を思い出す、震える影。

血の色をした鳥、憎しみの影が背中に喰らいつき、脳が血しぶきを上げ、サタンをも震えさせる笑い声を上げて。妄想と恐怖、精神を貪り食って。

同じブルースを分かち合った仲間達、絶望が今は失望だったことを知った。失望は生活をブルーに。

退屈しのぎでなく、いつも情熱に駆られ飲んだ。寝るとき目覚める時、お前の一撃を喰らうと頭のゼンマイが辺りに散る。本能とその合図・法則・多様性に取り組み、皮肉が齎される。

人生とは海辺の淫売屋。記憶と、もがきながら復活する夜。ネオン煌く青い花の夜、砕け散る夜。人生は粘土、未完成の彫刻。

詩人達が何故不幸なのか。彼等は見えないものを文にするのが仕事だから。彼等の恋愛の仕方は神秘的で、上手くいかないことが多いから。彼等は、その運命の痕跡から人類の敗北のサインを嗅ぎ取る。その動きを加速し、自ら破滅の道を辿る。悲しみの速度より速く生きようと。

苦しみは、神経の流れに沿って走るカヌーのようなもの・・

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