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2009年2月14日 (土)

本27・・カラマーゾフの兄弟

カラマーゾフの兄弟・・フョードル・M・ドストエフスキー著

4102010106主な登場人物・・フョードル・カラマーゾフ(55歳、好色で老獪な道化・冒瀆の田舎紳士)、ドミトリー(長男28歳、豪放磊落だが激情的で哀しいほどに傷つき易さと高潔さを持つ)、イワン(次男24歳、無神論で知性派)、アレクセイ(三男20歳アリョーシャ、 敬虔な修道僧)、スメルジャコフ(下男でシニカルな人嫌い、フョードルの私生児か?)、グリゴーリー(真面目な従僕 、妻はマルファ)、カテリーナ(モスクワ出身の知性派、ドミトリーと婚約中)、グルーシェニカ(奔放な?女、フョードルとドミトリーの争いの種にも)。

イワンがアリョーシャに、自分の世界観について語る。ヨーロッパやロシアの幼児虐待に触れ、「神が創ったこの世界は認められない」と。物語詩「大審問官」を引用・・大審問官に捕縛されたキリストに、審問官が問う。キリストの言う自由「人はパンのみにて生くるに非ず」と現実の歴史との間にある矛盾を突き、地上のパンを与える自分達は悪魔の側に付いているのだと・・イワンは、ゾシマ=アリョーシャの永久調和に対し、神の世界の不合理により調和はないと告げる。

臨終のゾシマ長老が弟子達に説く。幼い頃、17歳で死んだ兄から教えられた「人間は全ての人に対して罪がある」を受け、改心し全ての傲慢を捨てよと。ゾシマ長老の死と、それに纏わる腐臭や周りの動揺に衝撃を受けるアリョーシャの内面の変化。

グルーシェニカがアリョーシャに話す「一本の葱」。小話「カルマ」の挿話・・意地の悪い女が死に、悪魔達が女を火の海に投げ込む。彼女の守護天使が、その女が一本の葱を乞食女に与えたと訴える。神が、一本の葱で女を引き上げたら天国へと。引き上げ始めると他の罪人達が女にしがみつき、女が蹴り落としたところで葱が切れる。

アリョーシャは、長老の棺の前で祈るうちに福音書に書かれた夢を見、心に再び豊かな蘇りが起き大地に口付ける。

ドミトリーには己の恥辱と、グルーシェニカには過去の恋との葛藤が。彼はグルーシェニカとの生活を夢見、金策に奔走し彼女の下へ走るが、その間にフョードルが殺され父殺しで逮捕される。父親の3000ルーブルの行方など、状況証拠は圧倒的に不利。イワンとスメルジャコフ・・スメルジャコフが、仮病を使いフョードルを殺し金を奪ったと告白。イワンの暗黙の了解(神がなければ全てが許される)の下での事だと。優秀な弁護と父殺しを否定するドミトリー。イワンがスメルジャコフの犯行だと証言するも幻覚症状と片付けられ、陪審は有罪の評決。

エピローグ・・アリョーシャが気に掛けていたイリューシャ少年の死。社会主義だと憚らないコーチャ少年。ドミトリーの脱獄計画を立てるイワン・・

ドストエフスキーは第二の本編(主人公達の13年後)を目指していたが、死亡により最後の未完作と云われている。

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