« 2009年4月 | トップページ | 2009年6月 »

2009年5月

2009年5月30日 (土)

映画63・・溝の中の月

溝の中の月(1982・フランス)

52597e1bc3原作・デイヴィッド・グーディス、監督・ジャン・ジャック・ベネックス、出演・ナスターシャ・キンスキー、ジェラール・ドパルデュー・・

港のドッグが立ち並ぶ一角、路地の奥で、ある日若い娘がカミソリで喉を掻き切った。男に強姦されてのショックで取った行動。彼女の血が、月の光が輝く溝の中に滴る。その溝に写る月の美しさ。その娘カトリーヌ(キンスキー)の兄ジェラール(ドパルデュー)は、妹の仇を取ろうと犯人を追い、夜の港をさ迷い歩く。ミカド・バーで、山の手の金持ちチャニングに会うが、彼の正体は謎。夜の町には労働者と売春婦が屯している。チャニングの妹ロレッタ(キンスキー2役)が現れ、ジェラールは妹と瓜二つなのに驚く。ジェラールの情婦ベラは、ロレッタに嫉妬。ジェラールはこの掃き溜めのような町から出たいと、月の光の輝く中で手を差し伸べる美しいロレッタと深夜に結婚するが、目が覚めるといつもの暗い部屋・・砂に埋まったボトル「別の世界へ出よ」と。ジェラールは、山の手の暮らしが恐ろしく、ベラの元に戻る。さて、妹の事件の犯人探しは・・

| | コメント (0)

2009年5月28日 (木)

絵画12・・ロブ・ゴンザルベス

ロブ・ゴンザルベス(1959~)

カナダ画家。建築家として働き、だまし絵壁画や劇場セット、1990年トロント屋外美術展後画家に専念。

White_blanket Nocturnal_skating Towards_the_horizon Tributaries

| | コメント (0)

2009年5月24日 (日)

映画62・・死刑台のエレベーター

死刑台のエレベーター(1957・フランス)

4a9f48c6cf96c49b6b194bdc172c274c原作・ノエル・カレフ、監督・ルイ・マル、出演・モーリス・ロネ、ジャンヌ・モロー、リノ・ヴァンチュラ・・

25才のルイ・マル監督の初作品。音楽はマイルス・ディヴィス。

技師ジュリアン(ロネ)と、その社長夫人フロランス(モロー)は愛人関係に。自由を求め、社長を亡き者にしようと二人は完全犯罪を目論む。実行日、ジュリアンは拳銃をポケットに、バルコニーから社長室へ。社長を射殺し、その手に拳銃を握らせる。再び一階下の自分の部屋に下り、何食わぬ顔でスタッフとエレベーターで降り外へ。手摺りにロープを忘れた事に気付き、エレベーターで取りに行くが、途中でエレベーターが止まる。管理人が電源を切り帰ったのだ。脱出を試みるが出来ず、彼を待つ不安なフロランスは、ジュリアンを探し夜のパリを彷徨う。チンピラのカップルがジュリアンの車を盗み郊外へ。車内には、レインコートとカメラ、拳銃が。カップルは、モーテルで知り合ったドイツ人夫婦のパーティで写真を撮り現像に。フロランスは、夜の女達と一緒に警察に連行される。朝、カップルは、ドイツ人の車を盗もうとし夫婦を射殺、恐ろしくなり薬を飲み心中を図る。ドイツ人殺しは、宿帳のジュリアンとされる。フロランスは身分を明かし釈放され、警部(バンチュラ)から、ドイツ人殺しでジュリアンが逃亡したと。万策尽きて朝を待ったジュリアンは、身に憶えのない事件の犯人扱いで、無実の証明をしたくも、社長殺しが危ういと立証出来ず。警察は社長を自殺として取り合わず、ドイツ人殺しを糾明。フロランスはカップルに辿り着き、二人は生きていて、ジュリアンの嫌疑を晴らすため通報。その隙に男がフィルムを取りにモーテルへ戻り、ドイツ人との写真が元で逮捕。彼を追って来たフロランスも、社長殺しの共犯で逮捕され・・同じフィルムに写っていた、ジュリアンとの親しげな姿が、彼等の関係を物語る。

| | コメント (0)

2009年5月21日 (木)

映画61・・ダーク・ウォーター

ダーク・ウォーター(2005・アメリカ)

Img_1408351_26029457_2原作・鈴木光司「仄暗い水の底から 」、監督・ウォルター・サレス、出演・ジェニファー・コネリー、アリエル・ゲイド・・

1974年、雨のシアトル。放課後、雨の中母の迎えを待つ5才のダリア。2005年、雨のニューヨーク。迎えに来た母のダリア(コネリー)と、ルーズベルト島のアパートを見に行くセシリア(ゲイド)。古ぼけたアパート、セシリアは異変を感じ嫌がるが住むことに。ダリアは離婚調停中で、娘の親権獲得に懸命だが、幼い頃のトラウマ(母に愛されなかった)から今も逃れられない。娘を愛するが、不足かと罪悪感と焦燥感が。移り住んだ夜、不安な二人の前に、次々と恐怖が襲う。寝室の天井のシミから水が滴り落ち、誰も居ない筈の上の部屋から音が、コインランドリーで噴出す黒い水、学校やアパートで見えぬ友達と話すセシリア・・異変は、娘と二人の新生活に押し潰れそうなプレッシャーを感じるダリアの夢にまで侵食。ダリアは、トラウマに足を掬われそうで現実と悪夢の境目に翻弄され、恐怖や自らの心の闇と戦い懸命に娘を守ろうと。母親の混乱に胸を痛めながら、目に見えぬ力の存在を敏感に察知するセシリア。セシリアに取り憑いていたのは、上の部屋の両親に見捨てられた少女ナターシャ。ある晩、ダリアは屋上の給水塔で少女を発見するに及び、このアパートを出ようと決意。それを知ったナターシャは、セシリアを風呂で溺れさせようと。セシリアを救うため、ナターシャの母となり一緒に行くと約束するダリア。父カイルとアパートを出る際、ダリアに抱かれ「いつも見守っている」との言葉を胸に立ち去るセシリア。

終始降りしきる雨と陰鬱な湿気、滴る黒い水・・

| | コメント (0)

2009年5月18日 (月)

本39・・老人と海

老人と海・・アーネスト・ヘミングウェイ著

51eoptz3zil_2キューバの孤独な老漁師サンチャゴ。少年は、自分を海の世界へと導いてくれたサンチャゴが好きだった。不漁が続いたため、父親の言いつけで少年は別の船に乗ることに。ある日サンチャゴは一人で、いつものようにメキシコ湾流に出漁。諦めかけた頃、巨大なカジキマグロが掛かり、4日間にも及ぶ駆け引きで睡眠不足と怪我でボロボロになりながら、カジキマグロに打ち勝ち仕留める。小舟のため船に引き上げられず、マグロを小舟の脇に括りつけ曳航するが、次々と、血の匂いに引き寄せられたサメに襲撃される。マグロが喰い千切られていくのが忍びなく、遠出したのを悔いながら必死に撃退するものの、殆ど喰い尽くされてしまう。怪我と疲労で昏睡したように眠る老人を、泣きながら見守る少年。老人はライオンの夢を見ていた。アフリカの砂浜で、薄暮の中、子猫のように戯れるその姿を・・

この作品で、ピューリッツア賞とノーベル賞。

| | コメント (0)

2009年5月13日 (水)

本38・・武器よさらば

武器よさらば・・アーネスト・ヘミングウェイ著

Photo_2_3第一次大戦のイタリア戦線を背景に、戦場に芽生えた恋愛を描く。

絶望的で過酷な戦争、情熱的で生命力に満ちた恋、そしてキャサリンの妊娠。戦況の悪化、カポレットの退却に続く ヘンリーの脱走と生還。ヘンリーは戦争一般に纏わる大儀を捨て単独講和する。戦争が別世界のものとなり、二人はスイスへ逃れる。幸福は続かず、キャサリンの死産で唐突に物語りは終りを告げる。ヘンリーは自己の重荷を背負い、素手のまま世界の無意味さと愚劣さに耐える姿に存在理由があるかのよう。冒頭の戦場の情景とカポレットの退却の描写はいかにも戦争小説のようだが、外部世界と孤立した人間との対立が軸になる。ヘンリーと牧師、そして戦友のリナルディ。彼等は混乱に満ちた外部世界に対し、彼等なりの規律と節度を持って共感し身を処す。戦争という暴力が、三人のささやかな結びつきさえ断つ。キャサリンとの仲も儚く打ち砕かれ、人間としての運命に次々と敗北するが、弱音を吐かず黙って耐えるヘンリー。

雨の中で自分が死ぬところが見えると恐れるキャサリン、カポレットの退却、ヘンリーが脱走の貨車の中でキャサリンを想う時、二人で湖水を渡りスイス領へ脱出する時、キャサリンを喪って立ち去って行く時、運命的な象徴として雨が絡む。

| | コメント (0)

2009年5月12日 (火)

本37・・日はまた昇る

日はまたアーネスト・ヘミングウェイ著

Photoロスト・ジェネレーションの代表的作家とされる。失われた世代を指し、第一次世界大戦の体験で宗教も道徳も人間的な精神も押しつぶされ、希望を失い絶望と虚無に落ち込んだ戦後派作家に与えられた呼称。

表面的喪失と内心の肯定との二つの相の交錯が、語り手で作家志望の新聞記者ジェイク・バーンズによって表現される。彼は戦傷のため性的不能に陥る。一見奔放で美貌な、元イギリス貴族の女性ブレット(婚約者がありながら、ロメロとも恋愛)。感覚世界の単なる道楽者で、ブレットを追い掛け回す若手作家のロバート・コーン。放蕩が哲学的意味を持つと考えるジェイクやブレット。ブレットと婚約しているマイク・キャンベル。ジェイクの親友で同じ作家志望のビル・ゴードン。スペインの若手闘牛士ペドロ・ロメロ。ジェイクの、芸術家としての人間性の嘘と誠を嗅ぎ分け、女性に対しても単に我が物としようとするのではなく、女性の真実の姿に対する認識として見(ブレットに対しても同じ)、内面の掟に従って自己の行動を律することを尊ぶ有り方。後半になるに従い、人物間の葛藤が劇的に高められ、個人の情熱の高まりとフィエスタ(祝蔡)の集団的な情熱である興奮とが歩調を合わせる。

良かれ悪しかれ個人主義で、芸術至上主義であり、終生変わらぬヘミングウェイの姿勢が見える。

| | コメント (0)

2009年5月10日 (日)

映画60・・ハンニバル・ライジング

ハンニバル・ライジング(2007・米、英、仏)

20091031_901794原作・トマス・ハリス、監督・ピーター・ウェーバー、出演・ギャスパー・ウリエル、ドミニク・ウェスト・・

ハンニバル・レクターが、人喰いハンニバルになるまでの幼少期から青年期までを描く。

1944年、リトアニア。名門貴族の家系に生まれたレクター(ウリエル)は、ドイツとソ連の戦闘に巻き込まれ両親を喪う。妹ミーシャと取り残され暮らすうち、ドイツの協力者だった逃亡兵達が乗り込み二人を監禁。ミーシャは、飢え出した彼等に殺され喰われる(ハンニバルも知らずにスープを飲み、この衝撃で記憶を喪う)。雪の中を彷徨ったハンニバルは、保護され孤児院に送られるが心を閉ざしたまま成長。孤児院を逃亡し、唯一の親類であるパリの叔父の下へ。叔父は既に亡く、未亡人のレディ紫から作法や武道を教わり、高度な教育を受けるが、封印された情念を目覚めさせ(彼等の名前も思い出せず、自ら自白剤で記憶を呼び戻す)、逃亡兵等への復讐を誓う。妹と暮らした小屋を訪れたハンニバルは、喰われたまま放置された妹を弔う。彼等の認識票を手に入れ、足跡を追い次々と惨殺したのち火をつけ、自らの死を演出・・数ヵ月後、カナダの山小屋を訪れ、最後の一人への復讐を遂げる。

両親と妹を喪ったハンニバル、原爆で家族を喪ったレディ紫、戦争で家族を喪い戦争犯罪人を今も追うポピール警視(ウェスト)・・笑うと片頬に抉れが出るウリエルの表情は、不気味さと高貴さと悲しみが滲む。

| | コメント (0)

2009年5月 8日 (金)

映画59・・ベティ・ブルー

ベティ・ブルー(1986・フランス)

Photo原作・フィリップ・ジアン、監督・ジャン・ジャック・ベネックス、出演・ベアトリス・ダル、ジャン・ユーグ・アングラード・・

激情的な20歳のベティ・ブルー(ダル)と、作家を目指す35歳のゾーグ(アングラード)の経緯を描く。

ゾーグは、海辺の小さな村でバンガローのペンキ塗りをして生計を。ある日、彼の前にキュートなベティが現れ恋に。彼女が同居し一緒にペンキ塗り、単調な仕事にうんざりしたベティは、ヒステリーで家具や食器を外に投げ出す。ゾーグの日記風小説を徹夜で読み、作家にと薦める。雇い主と喧嘩し家に火をつけ、二人はベティの友人であるパリのリサを訪ねる。ベティはゾーグの小説をタイプし、端から出版社に送りつける。リサの恋人エディと親しくなったゾーグは、二人でエディの店で働くが、女性客の態度に腹を立てたベティが客の腕にフォークを刺す。出版社からの返事が冷たいと、編集者の顔を傷つける。エディの母親が亡くなり、皆でエディの故郷へ。ピアノ店で働き、ゾーグも新しい小説を書き始めるが、ベティの神経が病み出し、二人の生活が崩れていく。妊娠したと楽しみにし、結果が陰性で子供は出来ないとの医師のカルテを見たゾーグがベティを探すと、流産しピエロのような化粧で虚ろな目を。症状は進行、ベティは右目を抉る。パリの出版社からの連絡で、ゾーグの小説が出版される事に。ベティに報告するも反応は無く、廃人同様でベッドに縛り付けられた彼女に耐え切れず、女装して病院に行き、枕を顔に押し付け窒息死させる。ゾーグはペンキを塗っていた頃の二人の写真を見、再び書き始めた傍らで見守る二人の猫。「書いてるの?」ベティの声が。「草稿中なんだ」ゾーグは猫に答える。

原題の「朝、摂氏37度」とは、女性が妊娠しやすい体温。

| | コメント (0)

2009年5月 6日 (水)

機織り・・その27

090412_00109(21)年度、特選その1

更紗風柄、再々注文。久し振りの黒地。漆箔ではなく、金箔で。

| | コメント (0)

2009年5月 5日 (火)

絵画11・・ジョン・S・サージェント

ジョン・S・サージェント(1856~1925)

アメリカ画家。1870年デッレベッレアルティ校に、74年パリでデュランに師事、官立美術学校に学ぶ。77年からサロン出品。84年「マダムX」が官能的過ぎると非難。97年Rアカデミーメンバー。

Madamex Carnation Spanish_dancer

| | コメント (0)

« 2009年4月 | トップページ | 2009年6月 »