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2009年7月 3日 (金)

本44・・カリギュラ・誤解

カリギュラ・誤解・・アルベール・カミュ著

01796579∇「カリギュラ」・・その暴虐によって、ネロと並び称されるカイウス・カリグラ。幸福だった皇帝は、妹で情婦でもあったドリジュラの突然の死に因り、この世を耐え難い不条理なものと知り、是が非でも月や不死、この世ならざるものを、つまり不可能なものを手に入れようと決心。「運命が不可解なものである以上、自身が運命になる」、または「神々に比肩する方法は、神々と同じく残酷になることだ」と。カリギュラは既成価値から自由になり、徹底的な破壊行為に向かい自らがペストとなり不条理となる。悲劇の衝撃に近い何かを与えうるのは、カリギュラの悲劇的意識だけでなく、不可能なものを目指す情念の劇を、愚かしく不可能な道化芝居を、それと知りながら最後まで論理的に演じ通した意志があるからで、古代ローマの皇帝の狂気とは異なる、極めて現代的な怪物性がある。不条理の哲学の根底にある問いと闘い、そこに生まれる内面的な悲劇性が描かれる。

∇「誤解」・・暗い故郷の風土を嫌い南の国に憧れる娘マルタ。夫を亡くし息子に去られ、娘と小さな宿を営む母親。ある日、母と妹を助けるため息子ジャンが帰郷するが、すぐには身分を明かさない。生活もままならず、母娘は泊り客の金を目当てに客を殺し川に捨てていたが・・気付いた時既に遅く、母親は息子の後を追い、マルタとジャンの妻マリヤの二人が対峙するが解り合えない。成功した息子の帰郷と、それと気付かぬ肉親による彼の殺害がテーマ。その情念の荒れ狂う様を示し、その荒廃を現し、その挫折を描く。

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