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2009年7月 3日 (金)

本62・・カリギュラ・誤解

カリギュラ・誤解・・アルベール・カミュ著

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☆カリギュラ・・その暴虐によって、ネロと並び称されるカイウス・カリグラ。幸福だった皇帝は、妹であり情婦でもあったドリジュラの突然の死によって、この世を「耐え難い」不条理なものと知り、是が非でも「月」を「不死」を「この世ならざるもの」を、つまり「不可能なもの」を手に入れようと決心する。「運命が不可解なものである以上、自身が運命になってやる」または、「神々に比肩する方法は、神々と同じく残酷になることだ」と。カリギュラは際限のない彼の求める自由を、自らがペストとなるため徹底的な破壊行為に向かう。悲劇の衝撃に近い何物かを与えうるのはカリギュラの悲劇的意識だけでなく、不可能なものを目指す情念の劇を、愚かしく不可能な道化芝居を、それと知りながら最後まで論理的に演じとおした意志があるからで、古代ローマの皇帝の狂気とは異なる、極めて現代的な怪物性がある。不条理の哲学の根底にある問いと闘い、そこに生まれる内面的な悲劇性が描かれる。

☆誤解・・暗い故郷の風土を嫌い南の国に憧れる娘マルタ。夫を亡くし息子に去られ、娘と小さな宿を営む母親。ある日、母と妹を助けるため息子ジャンが帰郷するが、すぐには身分を明かさない。生活もままならず、母娘は泊り客の金を目当てに客を殺し川に捨てていたが・・気付いた時遅く、母親は息子の後を追い、マルタとジャンの妻マリヤの二人が対峙するが、解りあえない。成功した息子の帰郷と、それと気付かぬ肉親による彼の殺害がテーマである。その情念の荒れ狂う様を示し、その荒廃を現し、その挫折を描いている。

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