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2009年7月 5日 (日)

本46・・生きるヒント2

生きるヒント2・・五木寛之著

19558586∇励ます・・モノが豊かなら文化国家と言えるかというのと同じで、健康と幸福は必ずしも同じではない。医は否定から始まり、健康を強要し、健康が善で病気は悪=対冶。老いを否定できるか、病気も同じ、テロなどの社会問題も然り。静かに側に寄り添い一緒に涙することによって、その人の心の重荷を少しでも自分の方に引き受ける=同治。

∇感じる・・身体が変調のシグナルを発する時は、素直にその言葉を聴く耳を持ち、束の間の休息を。

∇忘れる・・大きな希望を抱く心の深部には、重く暗い絶望の闇がある。笑うことが好きな人は人に見せない涙を隠しているかも知れず、美しい物語を求める人は恐ろしく醜い生の赤裸々な姿を見た者かも知れない。忘れない筈のことを思い出せないのは、忘れたくて忘れているのではないか。

∇教える・・メーテルリンクの「青い鳥」。通説では、探しても見つからず戻るとすぐ側にとなっているが、実際は、青い鳥は飛び立ってしまい、様々な放浪の苦労の末に挫折して、やっと真実はここにあると気付く。人生に青い鳥などいない・・しかし人にはそれが必要だ(希望)。希望も夢も幸福も予め準備されていず、自分の手で作って行くしかない。

∇認める・・咲き誇る桜を見て憂うのは、散る事が前提で人の世も同じかとの諦念が無意識にあるから。自由になる事とならない事があり、強い意志さえあれば問題を克服出来るとは限らない。そもそも生まれて来る時から死を宿す存在で、若さの真っ只中に老いを抱えて生きて行くのであるから、不自由である不条理を認めるしかない、かなりの勇気を要するが。

∇属する・・落葉帰根(何処にいようと元に戻って土に還る)。落葉帰土(その時いた場所で土に還る)。デラシネ(根無し草)は、属すべき祖国や強い民族感情を持たない。古来より、文化は異邦人の手で作られ、彼等は帰るべき根を強く求めない。風のように見えない故郷を持ち、今生きている所を母国と感じられたら。

∇愛する・・宗教や科学も、元々は雑然として怪しげなもの。洗練され、形成され、削ぎ落とされ、貧しくなる。全ての文化の行き着くところである。修行して悟ったら籠るのではなく、俗世間に塗れて生きるのが究極の悟り。愛するのはこちらの勝手であり、報われることを求めない。人は変わるのだから愛も変わる、親子もまた同じ。

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