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2009年7月12日 (日)

本47・・アトランティスのこころ

アトランティスのこころ・・スティーヴン・キング著

309528901960年、11才のボビーが母のリズと住む小さなアパート。上の階に紙袋を提げて越して来たテッドという不思議な力を持つ老人と関わり、子供達に様々な事が起きる夏の日々を描く。

テッドは、自転車が欲しいボビーに新聞を読むバイトを持ち掛け、他所者を見掛けたら教えるように言う。父のいないボビーは、テッドを通し男親の頼もしさに包まれる幸せを知り、それが奪われる痛みに人生の儘ならなさを知る。テッドに出会ったことで読書の素晴らしさを教えられ、友情を信じ、母親が言うのとは違う愛する父親の本当の姿を心に刻む喜びも知る。テッドがいなくなることを恐れ、異変や尋ね人の張り紙などに気付いても言い出せない。幼馴染みのガールフレンドのキャロルが地元の高校生に襲われ、見つけたボビーは彼女を抱いて歩きテッドの下へ。介抱するテッドを、母親が誤解し謝礼金欲しさに通報したためテッドが連れ去られる。

ボビー達に少年時代の終りが訪れ、それぞれの道を歩み出す。数年後、キャロルを通して、テッドからバラの花びらが届き、テッドが再びどこかで自由になったことを知る。悪仲間の一人ウィリーが盗ったボビーのグローブが、遊び仲間だったサリーの所に現れ、サリーの死でボビーの下に返ってくる。数十年振りに訪れた故郷でサリーの葬儀に出、懐かしい場所へ。キャロルが現れ、グローブにあったテッドからの伝言を見せる・・過ぎ去った少年の日を想う気持ちが胸に沁み、暗い話の間を涼しい風が吹き抜けるような清々しさのある悲しみや遣る瀬ない淋しさ。人は多くのことを失いながら大人になる。アトランティスという幻の国のように。

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