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2009年8月 2日 (日)

本50・・転落・追放と王国

転落・追放と王国・・アルベール・カミュ著

Photo1∇「転落」・・パリで有能な弁護士だったクラマンスが、アムステルダムの酒場で出会った見知らぬ男に、5日間に渡り自分の過去を語る。ふとした動機で世を拗ね、オランダの港町に身を潜めて暮らすクラマンス。過去という楽園から現在の地獄(悪夢に満ちたブルジョアの地獄)へと転落して来た「改悛した判事」(自分の悪徳に気付いた時から転落が始まる)で、「悪徳の総合」(虚栄・偽善・放蕩・快楽であり、罪の意識無く自分を潔白と信じ平然と他人を裁く)の一員だと。

∇「追放と王国」・・①不貞(夫の商用でアルジェリアに同行した妻。自分の中の欠落を自覚する妻は、砂漠の広がりや闇に響く犬の咆え声、頑なに沈黙を守るアラビア人、じっと見詰める痩せた駐屯兵の眼差しに心打たれ、それが彼女を駆り立て逃亡へと誘い、耐え難い優しさで夜の流れが浸し始めた時に空と星に向かって己を解放するが、夫のベッドに戻って涙が止まらない)。

・・②背教者(若い僧がアフリカに布教に赴くが、乾きと塩と恐怖の邦に捕らえられ、恐るべき試練を受ける。舌を切られ、物神に仕えさせられ、終には悪意の神をこの世の救い主と信じ悪の支配への協力を誓い、新来の宣教師を自ら進んで撃ち殺そうとする)。

  

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