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2009年8月28日 (金)

本54・・一粒の麦もし死なずば

一粒の麦もし死なずば・・アンドレ・ジッド著

01996854表題は「ヨハネ伝」の第12章24節のキリストの言葉「一粒の麦もし地に落ちて死なずば、ただ一つにてあらん、死なば多くの実を結ぶべし」に由来。

体質虚弱、神経過敏だった少年時代の悪夢のような日々、南の国アルジェリアで初めて知った背徳の快楽など、己の秘密を余さず暴いた大胆な告白の書。

幼年期から26歳で婚約するまでの回想で、彼の自己愛や同性愛の趣味がいささかの躊躇いもなく語られると同時に、彼の一生を通じて変わることのなかった美しいものや弱い者に対する共感や憐憫などが、その萌芽の状態に於いて語られる。その点で、彼の複雑極まりない精神や作品を研究する上に欠くことのできない作品である。ジッドはこの作品を、云わば贖罪のために書いたようなものだ、と。

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