« 本66・・マルテの手記 | トップページ | 本68・・トニオ・クレーゲル、ヴェニスに死す »

2009年10月 6日 (火)

本67・・星の王子さま

星の王子さま・・アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ著

212204「大切なものは、目に見えない」として、生命とは、愛とはといった人生の重要な問題に答える指針。

操縦士の「ぼく」は、サハラ砂漠に不時着。1週間分の水しかなく、周囲1000マイル以内に誰もいないであろう孤独で不安な夜を過ごした「ぼく」は、翌日、1人の少年と出会う。話すうちに、「ぼく」は少年がある小惑星からやって来た王子であることを知る。

子供の心を忘れた大人への示唆。王子が訪れた小惑星で出会うのは、いずれも愚かさを風刺化された大人達で、子供の心を持ち続けようとする「ぼく」も、飛行機修理に夢中になり、王子の話をぞんざいに聞いてしまう。別の場面に登場する、何をするにも急ぎ、何処に行くかも理解しないまま特急列車であちこち移動したり、時間節約にアクセクし、節約した時間で何をするか考えていない大人達の姿は痛烈な批判である。

キツネとの対話は、作品の重要場面。 あるものを他と違って愛しく思うのは何故か。自分の愛情の対象であった小惑星やバラへの自信を失い悩む王子に対し、キツネは「仲良くなる」とはどういうことかを通じ、友情や愛情(人間愛ではなく恋愛的な意味での愛情)について語る。「大切なものは、目に見えない」という重要な台詞が登場する場面。この台詞に基づく考えは後にも登場し、「砂漠が美しく見えるのは、そのどこかに井戸を隠しているから」、更には「夜空が美しく見えるのは、そのどこかに王子が今もバラと暮らしているから」という考え方に繋がる。

最後のシーンで、「ぼく」の最後ははっきりとは描かれていない。著者自身は、敵軍の偵察に向かうため飛行機で基地を飛び立ったまま消息を絶ち、二度と戻って来なかった(享年44才)。

|

« 本66・・マルテの手記 | トップページ | 本68・・トニオ・クレーゲル、ヴェニスに死す »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 本66・・マルテの手記 | トップページ | 本68・・トニオ・クレーゲル、ヴェニスに死す »