本95・・サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇
サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇・・オスカー・ワイルド著
☆「サロメ」・・月の妖しく美しい夜、ユダヤ王ヘロデの王宮に死を賭したサロメの乱舞。知の滴る生首の唇に女の淫蕩の血が滾る、怪奇と幻想と恐怖の世紀末を描く・・ヘロデは、自分の兄の前王を殺し妃を奪い今の座に就いたが、妃の娘である王女サロメに魅せられて、淫らな目を彼女に向ける。その視線から逃れるように、サロメは宴の席を外れ、預言者ヨカナーン(洗礼者ヨハネ)が閉じ込められている井戸に向かう。預言者は不吉な言葉を喚き散らすため、妃から嫌がられている。預言者との接触は王により禁じられているのだが、サロメは色仕掛けで見張り番であるシリアの青年(後に自害)に禁を破らせて、預言者を見てしまう。そして彼に一目で恋をするのだが、預言者は彼女の忌まわしい生い立ちを詰るばかりである。ヨナカーンの首と引き換えに、王の頼みで踊るサロメ。王は、生首を我が物にしたサロメを殺せと命ずる。
☆「ウィンダミア卿夫人の扇」・・夫の情婦といわれる女(アーリン夫人)が臆面も無く夫人の催す舞踏会に姿を現すが・・ダーリントン卿に仄めかされ、ベリック公爵夫人から夫ウィンダミア卿の情婦について聞かされ、不信感を持つようになる卿夫人(マーガレット)。夫は、真実を妻に告げられぬまま釈明するが聞き入れられない。そこへ、ダーリントンから告白を受けたマーガレットは、迷いながらも彼のもとへ。自分の二の舞をさすまいと、マーガレットを追うアーリン。アーリンは、ダーリントンの所に扇を置き忘れた事で、疑われるマーガレットを庇う。夫婦の危機が過ぎたところで、自分が母親であることは最後まで隠し、娘の扇と写真を胸に立ち去る。
☆「まじめが肝心」・・ワイルド劇の頂点といわれ、無垢の・無害の完全無欠な表現で、傷つけたり傷つけられたりすることの不可能な世界、ナンセンス(やり取りが如何にもな喜劇風)な世界を描く・・アルジャノンとジャックは友人で、お互いに秘密の(嘘の)弟を設定し、都合により街と田舎を行き来したり気ままに暮らしている。ジャックはアルジャノンの従妹のグウェンドレンに恋している。グウェンドレンとセシリー(ジャックが後見人)は、共にアーネスト(真面目な)という名前の男に恋している。アルジャノンはジャックを出し抜き、彼の領地を訪れセシリーに恋する。ジャックの出生は謎だったのだが、グウェンドレンを追ってきた母親のブラックネル卿夫人とセシリーの家庭教師が顔を合わせたことにより、その昔、家庭教師の手違いで捨て子のようになり、実は卿夫人の妹の息子(アルジャノンの兄)だと判明し、大団円へ。
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