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2010年2月 7日 (日)

本112・・黒猫・黄金虫

黒猫・黄金虫・・エドガー・アラン・ポー著

30428158☆「黒猫」・・発作的に殺した黒猫の呪いを受けて、転落して行く自己破滅型の病的心理を持つ男の姿を、恐怖と戦慄の内に象徴化。溺愛していた黒猫を、天邪鬼という邪悪な衝動でその片目をペンナイフで抉り取り、やがて猫を庭の木に吊るす。その後不審火で家が焼け落ち、二匹目の黒猫にも嫌悪感を覚え殺そうとしたが、庇った妻の脳天に斧を打ち込んでしまう。妻と猫の死骸を壁に塗り込めるが、家宅捜索を上手く切り抜けたところで、再び天邪鬼により死体のありかを教えてしまう。

☆「黄金虫」・・隠された伝説の財宝を巡る怪奇的推理小説。サウスカロライナのサリヴァン島に住む男が、不思議な黄金虫を捕まえたところから、それを包んでいた羊皮紙にあった暗号を読み解き、その昔海賊が隠しておいたという財宝を手に入れる。

☆「アッシャー家の崩壊」・・暗鬱と荒涼と、心を凍らせるような幻想に満ちた散文詩風の短編。荒んだ屋敷に住む、神経をすり減らした病弱な双子の兄妹。乞われて友人が訪れるが、死んだはずの妹が現れ兄を圧死させ、家が崩れ落ち、陰鬱な沼が飲み込んで行く。

☆「ウィリアム・ウィルスン」・・ウィルスンは、イングランドのマナーハウス(寄宿学校)で、自分と同じ日に入学した同姓同名の双子のような少年と出会い、その後もずっと光と影のように付き纏われる。やがて、堪えきれなくなったウィルスンは、その男の胸に剣を刺すが、鏡に向かって行く自分が血塗れ。二重人格というだけでなく、良心と原罪との戦い。

・・近代の新しい美と戦慄を創造し、劇的で悲惨な短い生涯を送った著者は、母国アメリカよりもフランスで高く評価され、酒と麻薬の乱れた生活を送り、奇矯な振る舞いで有名でもある。

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