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2010年3月 4日 (木)

本124・・野性の証明

野性の証明・・森村誠一著

200404000174岩手県・柿の木村の「風道」という寒村の集落で、戦慄すべき大量虐殺事件が発生。辺地のため発見が遅れ、犯人は完全に姿を消していた。その3日後、近くの村で集落唯一の生存者の少女・長井頼子が発見されたが、両親を目前で虐殺されたショックで、「青い洋服を着た男の人」という以外の記憶を喪失。2年後、F県・羽代市に、何処から流れて来たのか、10才位の少女を連れた若い男が保険の外交員として住み着く。その謎の男・味沢岳史が、「風道」で殺された女性ハイカーの妹・越智朋子に接近して来た。彼女は羽代新報の記者。ここから、息も就かせぬ町の権力者や暴力団、警察の、癒着や陰謀・事件が起こり始める。不都合な事件をもみ消す後ろ暗い人間達と、それを追う味沢の戦いのうち、朋子も殺され自らも何度も危ない目に合う。やがて、ダム建設の不正や各殺人の証拠が明らかになりつつ、味沢は罠によって追い詰められる。大勢を向こうに素手で戦う味沢に、執念で岩手から味沢を追ってきた刑事・北野が、大量殺人の凶器の斧を渡す。味沢は、自衛隊の特殊部隊で極秘訓練を受けていた過去があり、斧を振り回して戦うその姿に、頼子が記憶を蘇えらせ、父親を殺したのは味沢だと叫ぶ・・味沢の脳裏に、訓練中の飢えと乾きで助けを求めた朋子の姉・美佐子が、始めは異様な風体の男に逃げ出すものの、食料を分けてくれたこと、美佐子の安否を思い戻った村で、既に事件が起きており美佐子も殺され、父親に殺されそうになっていた最後の生存者・頼子を助けるため、斧を奪って長井孫市を殺したこと、頼子が就き離れないので数日間山の中を彷徨い、ある村で置いて来たこと、上司に相談したが事件を秘匿され、隊を離れ、頼子を引き取ったこと・・などが蘇える。戦いの勢いを止めることが出来ず、あの、柿の木村の虐殺の狂気が自分に乗り移っていることを、味沢は悟っていた。記憶を回復した頼子が、既に味沢との生活史を忘れていることを見て取った味沢の視野は暗黒に・・

植物を腐らせる「軟腐病」の菌に毒された狂気の長井孫市に因る皆殺しに始まり、精神錯乱として精神科で脳腫瘍の中にその菌が発見された味沢と、言動異常で骨髄から同じ菌が見つかった北野。こうして、柿の木村の大量殺戮事件の真相は闇に封じ込められ、その後の頼子の行方を知る者はいない。

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