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2010年4月 1日 (木)

本133・・かもめ・ワーニャ伯父さん

かもめ・ワーニャ伯父さん・・アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ著

419t62nyeml__sl500_aa300__2☆「かもめ」・・名声に憧れ家を出て劇団に加わり、流行作家の男に身を任せて子供を産み、後に男にも捨てられ、子供にも死なれて絶望に陥るニーナだが、やがて自分の仕事にとって大切なものが、かつて夢見た晴れがましい名声や栄光ではなく、忍耐力であることを知る。ニーナに去られた、芸術の革新を夢見る若手劇作家トレープレフは、現在の生の儚さやうつし世の無常を思い、それは同時に思索の停止に繋がり、長い人生が無意味なものに見え、ニーナとは違って、人生の過程を耐え忍んで行くことを信じ切れずに自殺。

☆「ワーニャ伯父さん」・・人間の労働という社会的な問題を踏まえて、対照的な人物配置の上に静劇の世界が築かれる。引退した通風病みで気難しい老教授と、若く優美だが何も果たさない生活をするその後妻。一生を領地の経営に捧げたワーニャ伯父さんと、その姪ソーニャ。ロシアの森の将来を気遣う医師アーストロフ。何故か亡き娘の婿を信頼し、周りの動静に無頓着なワーニャの母親。怠惰な老教授とその妻が移り住んでのこの一夏、田舎屋敷の生活の秩序は乱れ、誰もが振り回され、仕事のペースを乱されて行く・・アーストロフへの失恋の痛手を押し殺しながら、それでも生きねばと、ソーニャはワーニャ伯父さんに訴える。一生汗水流して領地の経営に従事した努力が老教授によって無視され、領地の売却を言い出されたワーニャ伯父さんは、動転して老教授を撃つに至るが果たされず、何とか和解し夫婦が発って後、自殺もならず、残された人生をじっと耐え忍んで生きて行かねばならぬとソーニャに諭される。

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