« 2010年5月 | トップページ | 2010年7月 »

2010年6月

2010年6月30日 (水)

映画121・・アメリカン・ラプソディ

アメリカン・ラプソディ(2001・アメリカ)

51li1ag2il監督・エヴァ・ガルドス、出演・スカーレット・ヨハンソン、ナスターシャ・キンスキー、トニー・ゴールドウィン・・

監督の自伝的作品。旧ソ連の圧政に耐えかね、その逮捕を逃れハンガリーからアメリカに亡命した家族の軌跡を描く。

ジュジ(成長後はヨハンソン)は、父(ゴールドウィン)、母マルギット(キンスキー)と姉の4人家族だが、赤ん坊を連れ出せずジュジをマルギットの母ヘレンに託し、チェコ・スロバキアに身を潜める。ヘレンは後からジュジを両親に送る積りだったが、輸送法に疑問を抱き田舎へ里子に出す(農夫のテリ・ヤノ夫妻に)が、自身は娘達の行方を隠したため投獄。母の手紙で事情を知ったマルギットは、ジュジを連れに戻ろうとするが、いずれ4人で暮らすため後ろ髪を引かれアメリカに亡命。ジュジは育ての親と知らず、聡明で朗らかな女の子に成長し夫妻も彼女を可愛がる。5年後、夫婦はジュジを呼び寄せようと各所に嘆願し出国の手はずを。スターリン時代が終り出獄した祖母は、テリ・ヤノ夫妻に止むを得ず隠しアメリカの娘夫婦に孫を送る。ジュジは生みの親に空港で迎えられ家族と生活するも、祖国のテリ・ヤノ夫妻を忘れられず淋しく、父親と大人になったら自分で判断する約束を。15才になったジュジは、反抗期なためハンガリーに帰るのではと心配する母と次第に険悪に、父に約束を果たすよう頼み一人ハンガリーへ。ブタペストで育ての父に迎えられ、懐かしい両親は家を没収され街暮らし。ある日祖母ヘレンに会い、母がハンガリーを捨てた理由を知る。両親と食事をしていた時、酔ったロシア兵に絡まれた娘を庇った父親が目の前で射殺。母の「ハンガリーでは人が普通に殺されてしまう」という言葉が蘇える。育ての親のもとが居場所だと帰ったが、今はアメリカの両親のもとにあると理解、育ての親に話しハンガリーを後に。母と再会したジュジは、互いに離れていたため理解し合えたと知る。


| | コメント (0)

2010年6月28日 (月)

映画120・・欲望という名の電車

欲望という名の電車(1951・アメリカ)

0c08a30f57監督・エリア・カザン、出演・ヴィヴィアン・リー、マーロン・ブランド・・

南部の名門に生まれ女教師をしていたブランシュ(リー)は、教養と知性をひけらかす誇り高い女だったが、教師を辞め、妹のステラが結婚しているニューオリンズの家にやって来た。ブランシュは、妹の夫スタンリー(ブランド)があまりに無教養で野卑な労働者だったため軽蔑する。ブランシュの上品な振る舞いにスタンリーの友人ミッチは心を奪われて求婚。二人はデートを重ねるが、いつしか彼女の厚化粧の下に隠された真実がスタンリーの知るところとなる。彼女は故郷で何人もの男と関係を持ち、未成年の教え子を誘惑したかどで非難され学校を辞めさせられたのだ。スタンリーはこのことをミッチに告げる。妊娠中だったステラが産気付いて入院した後、ブランシュはスタンリーに犯され精神に異常を来たし病院に送られる・・精神を病むことによって初めて安住の地を得るブランシュ。

| | コメント (0)

2010年6月27日 (日)

映画119・・天井桟敷の人々

天井桟敷の人々(1944・フランス)

Sjff_01_img0161_2監督・マルセル・カルネ、出演・アルレッティ、J=L・バロー・・

1840年代、パリの劇場街を舞台に展開する壮大な人間ドラマ。第一部「犯罪大通り」、第二部「白い男」から成る。

身体は売っても心は売らないという美貌の女芸人ガランス(アルレッティ)を巡って、パントマイム役者バティスト(バロー)、野心家の役者ルメートル、作家志望の無頼漢ラスネール、富と権力で彼女を囲うモントレー伯爵、そしてバティストの妻になる座長の娘ナタリーといった多彩な人物が複雑に絡み合う。中心となるのはバティストとガランスの恋であり、互いに惹かれ合いながら五年後にやっと結ばれる。だが、子供を連れたナタリーの訴えにガランスは恋を諦め、バティストを振り切って、カーニバルの雑踏の中に馬車を走らせる・・芝居のような人生、人生のような芝居。

| | コメント (0)

2010年6月26日 (土)

映画118・・嵐が丘

嵐が丘(1939・アメリカ)

008101206監督・ウィリアム・ワイラー、出演・ローレンス・オリヴィエ、マール・オベロン・・

荒涼たるイングランド南部、ヨークシャーの荒地にある邸宅「嵐ヶ丘」。息子ヒンドリーと娘キャシー(オベロン)がおり、当主は町で拾ったジプシーの子にヒースクリフ(オリヴィエ)と名付けて養子にしていた。男優りのキャシーはヒースクリフとよく遊び、ヒースクリフにはキャシーの存在が心の支えだった。ヒンドリーはヒースクリフを酷く憎悪し、父の死後は厩番にして虐待した。キャシーはリントン家の嗣子エドガーはに求婚されるが、彼女はヒースクリフと一身同体であり、彼と別れられないことを悟る。しかし、ヒースクリフは誤解し絶望して、嵐ケ丘から姿を消してしまう。

キャシーはエドガーと結婚。二年後、南米での事業に成功して戻ったヒースクリフは、酒で財産を蕩尽したヒンドリーから嵐ケ丘を買いとり、リントン一家への復讐の機会を待ち、エドガーの妹イザベルに言い寄り求婚。キャシーにはヒースクリフの企てが判っていた。彼はキャシーが死の床にあると聞いて駆け付け、実は彼女がこの世で愛したのは彼だけだったと知り、その遺骸を抱きしめ、亡霊となって夜毎に訪れてくれと絶叫する。そして吹雪の夜、彼はキャシーの亡霊の呼び声に憑かれた者のようにペニストーンの岩の下へ・・

| | コメント (0)

2010年6月25日 (金)

絵画18・・牧野義雄

牧野義雄(1869~1956)

挙母藩士(愛知)の次男として出生。詩人の野口米次郎と渡英後、貧乏生活をしながら描き、美術雑誌編集長のスピールマンに見い出される。イギリスでは「霧のマキノ」として知られる。

River_thames_2 Sloane_square Piccadilly_circus 

| | コメント (0)

2010年6月24日 (木)

映画117・・自転車泥棒

自転車泥棒(1949・イタリア)

Biciclette監督・ヴィットリオ・デ・シーカ、出演・ランベルト・マジョラーニ、エンツォ・スタヨーラ・・

アントニオ(マジョラーニ)は長い失業生活の後、やっとポスター貼りの職にありつく。だが、自転車が無くては仕事にならない。そこでシーツと交換に質屋から自転車を請け出して仕事に出掛けるが、ポスターを貼っている間に自転車を盗まれてしまう。彼は息子のブルーノ(スタヨーラ)を連れてローマの街中を捜し回る。捜しているうちにちょっとしたことで息子を叱り飛ばすが、人違いであったものの子供が川に落ちたと聞いてうろたえ息子を捜す父。ようやく娼家にいる犯人を見付け出したものの、証拠が無いため追い返される。絶望したアントニオは思い余って他人の自転車に手を出し、たちまち見つかり群衆に小突き回される。ブルーノは父親の足元にしがみついて泣くばかり。人々はそんな姿に打たれアントニオを許してくれる。深く傷付いた父子は、あてもなく夕暮れの街に消えて行く。屈辱と後悔に涙を流しながら息子の手を握ると、息子が可愛らしい手で握り返してきた。

| | コメント (0)

2010年6月23日 (水)

映画116・・哀愁

哀愁(1949・アメリカ)

Img0246250原作・ロバート・E・シャーウッド、監督・マーヴィン・ルロイ、出演・ヴィヴィアン・リー、ロバート・テイラー・・

イギリスが対独宣戦を布告した1939年9月、霧に濡れた燈火等制下のロンドン。ウォータールー橋で車を降りたクローニン大佐(テイラー)は、霧に霞む欄干に凭れ想い出に耽る。

第一次大戦下の1914年、若い大尉だったクローニンは、フランス戦線に赴く前日、バレリーナのマイラ(リー)と出逢う。二人に愛が芽生え、彼はマイラに結婚を申し込むが、出撃命令が下り前線に向かう。健気にロイの帰還を待つマイラだったが、間も無くマイラはクローニン戦死の報を知る。クローニンの見送りで遅刻し、バレエ団を解雇されたマイラと友人のキティ。クローニンを失った深い絶望でマイラは2ヶ月病床に就き、看護と貧窮でキティは身を売る。回復しそれを知ったマイラは、キティの友情に泣かされ自らも夜の街角に立つように・・

一年後、思い掛けずクローニンと再会。戦死は誤報だったのだ。偶然の再会を喜ぶクローニンだが、戸惑いと葛藤を隠せないマイラ。しかし彼の強い説得で、彼女はクローニンと結婚することを決意し彼の故郷スコットランドへ。クローニンに告白出来ないマイラは、彼の母親に彼とは結婚出来ないと全てを打ち明け、翌朝クローニンの屋敷を発ちロンドンへ帰る。そして思い詰めたマイラは、霧深いウォータールー橋で走り来る軍用トラックに身を投げる。マイラが去ったことを知ったクローニンは、ロンドンへ戻りマイラを探すが、見付け出すことは出来なかった。

| | コメント (0)

2010年6月22日 (火)

映画115・・逢びき

逢びき(1948・イギリス)

132835832911913129755_41n4czdbul監督・デヴィッド・リーン、出演・シリア・ジョンソン、トレヴァー・ハワード・・

平凡な主婦ローラ(ジョンソン)は、毎週木曜日に、朝から汽車で近くの町ミルフォードへ出掛け、一週間分の買物をし、本屋に寄って昼食を取り、映画を観て夕方の汽車で帰宅する習慣。

ある夕、駅で目を傷め診てもらったことがきっかけで、医師アレック(ハワード)と知り合う。彼もまた木曜日が町の病院勤務の日であった。ささやかなレストランで昼食を共にする二人。いつしか心をときめかせて木曜日を待つようになるローラ。互いに家庭を持つ身で自責の念に耐えないが、二度と恋をすることは無いだろうとする想いが二人をを燃え立たせるが、所詮結ばれないのだという自覚もあった。アフリカの病院への勤務が決まったアレックを、駅頭で見送るローラ。再び逢えないという、別れの喫茶店での二人の心の葛藤。心だけを通わせる悲しい恋の締め括りに、そっと触れる肩先・・

急行列車に投身したい衝動に駆られるのを思い止まったローラは、哀しみを堪えて夫と子供が待つ我が家への道を辿る。夫の言葉「帰って来てくれてありがとう」。バックに流れるラフマニノフのピアノコンチェルト・・

| | コメント (0)

2010年6月21日 (月)

映画114・・心の旅路

心の旅路(1947・アメリカ)

Harvest原作・ジェームズ・ヒルトン、監督・マーヴィン・ルロイ、出演・ロナルド・コールマン、グリア・ガースン・・

第一次大戦末期、英国陸軍大尉がメルベリー市の陸軍精神病院に入院。フランス戦線で砲撃のショックで記憶喪失となり帰国した彼は、ある日散歩に出掛け、休戦で賑わう町を彷徨っていると、ショーガールのポーラ(ガースン)に助けられる。

やがて二人は結婚、リバプール郊外の木や花々に囲まれた小さな家で、スミス(コールマン)として届け睦まじく暮らすが、ある時街路で車に撥ねられ頭を強く打った彼は、そのショックで昔の記憶を取り戻し、ポーラとの現在の生活を忘れてしまう。スミスの行方不明で病気になり大切な息子も失ったポーラは、ウェイトレスをしながら生活費を稼ぎ夜間学校で速記を。ある会社の秘書をしている時、新聞に実業家レイナー氏の写真が・・

レイナーに戻り父の後を継いだ彼のもとに、マーガレットと名乗る女性が秘書として就職、夫を捜し求めていたポーラだった。かつての愛の日々の記憶の無いレイナーに打ちひしがれながらも、献身的に尽くし求められて結婚するが、あの頃の幸福感は無く懐かしい田舎の家での想い出に浸る日々。彼女は孤独に耐え切れずレイナーに旅行にと頼み、彼女を見送った彼は仕事で出掛けたリバプールで記憶が蘇り始める。その頃、リバプール港で乗船しようとしていたポーラは過去を問い合わせた男について耳にする・・

レイナーは訝りながらもある一軒家の前に立ち、肌身離さず持っていた鍵を取り出しドアに差し込む。ドアが開き佇む彼を、後ろから呼ぶ彼女の声。全ての記憶が蘇えり、かつての呼び名でお互いを呼ぶ二人。

| | コメント (0)

2010年6月20日 (日)

映画113・・ガス燈

ガス燈(1947・アメリカ)

Gas_a監督・ジョージ・キューカー、出演・イングリッド・バーグマン、シャルル・ボワイエ、ジョセフ・コットン・・

ロンドンの街頭にガス燈が灯っていた頃、高名な女性歌手アリスが殺される。犯人が逮捕されぬまま、歌手の姪ポーラ(バーグマン)はその莫大な資産を継ぎ、作曲家グレゴリー(ボワイエ)と結婚。優しい夫との幸せな日々を送るが、やがて不審な出来事が相次いで起こる。高価なネックレスの紛失、不意に暗くなる邸内のガス燈、天井裏から聞こえる異常な物音。慄くポーラに、グレゴリーは彼女の錯覚だと。ポーラは徐々に精神的に追い詰められ、強迫観念に苛まれ窶れていく・・

彼女も精神病で死んだ母親と同じく、精神を病んで死ぬだろうという夫の言葉。久し振りにグレゴリーと出掛けた知人宅で、ポーラを注視していた探偵カメロン(コットン)は、少年時代に憧れていたアリスの殺人事件に関心を持ち、ある夜グレゴリーの外出中ポーラに会い、彼女の叔母の事件について語り、彼女が精神に異常を来しているのではなく、夫の策略だと説明。カメロンがグレゴリーの机から証拠の品を探し出し、20年前のこの家の殺人事件にもグレゴリーが重大な関係を持った事実を説明する手紙も発見、探していたダイアモンドを手にし現われたグレゴリーはカメロンに曳かれて行く。

| | コメント (0)

2010年6月19日 (土)

映画112・・カサブランカ

カサブランカ(1946・アメリカ)

1監督・マイケル・カーティス、出演・ハンフリー・ボガート、イングリッド・バーグマン・・

第二次大戦下。まだ独軍に占領されていない仏領モロッコのカサブランカ。この街は戦火を避けてアメリカに渡ろうとする亡命者等でごった返していた。アメリカ人リック(ボガート)の経営する酒場にも様々な人間が出入りする。ある夜、反ナチ運動の首領ラズロと妻イルザ(バーグマン)が現れる。彼女はかつてリックがパリで愛を語り合った女性。ある事情(パリで一緒に逃げる約束をしたが、彼女は現れず消息を絶つ。実は、夫が殺されたと信じたところ、無事だと判るが看護が必要だった)から、心ならずもリックを裏切ったイルザの胸に想い出が蘇える。ラズロにはイルザが必要なことを知るリックは、隠し持っていたパスポートを夫妻に渡し、官憲の目を欺きアメリカへ亡命させる。

飛行場での別離のシーン、黒人ピアニストのサムが歌う「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」、ニックの言う「昨日? そんな昔のことは忘れてしまった。明日? そんな先の事はわからない」。

| | コメント (0)

2010年6月18日 (金)

映画111・・望郷

望郷(1937・フランス)

Pepe監督・ジュリアン・デュヴィヴィエ、出演・ジャン・ギャバン、ミレーユ・バラン、リーヌ・ノロ・・

強盗の常習犯ペペ(ギャバン)は、パリからアルジェのカスバへ逃げ込み、暗黒街の顔役として君臨。情婦イネス(ノロ)や忠実な子分カルロス等に囲まれながらも、カスパから一歩も出ることが出来ず退屈な日々を送る。刑事達も、迷路のようなスラム街でペペを守る者の多いカスバには手が出せない。ある日、計らずも故国パリからやって来たギャビー(バラン)に、ペペは「パリのメトロを思い出す」と望郷の念に駆られ、彼女の虜になる。ペペの心変わりはイネスの嫉妬心を煽り、これを知った刑事はイネスに接近しペペに罠を仕掛ける。

ペペが射殺されたと聞いたギャビーは、傷心のままパリへ帰ることに。それを知ったペペは、総てを振り切りギャビーを追う。パリ恋しさに罠と知りつつアルジェの石段を港に向かって降りて行くペペ。ギャビーの名を声を限りに叫ぶペペの声を、船の汽笛が掻き消す。イネスの密告で波止場で追い詰められ、逃れられぬ運命と自らナイフで脇腹を刺しその場に崩れ伏す・・遠ざかる船の甲板に立つギャビーはとうとうぺぺに気付かない。

| | コメント (0)

2010年6月17日 (木)

映画110・・舞踏会の手帖

舞踏会の手帖(1937・フランス)

513bcb7d0sl監督・ジュリアン・デュヴィヴィエ、出演・マリー・ベル・・

アンニュイなBGMと、ロマンティックでペシミスティックな人生観が印象的に描かれるオムニバス。

秋も終わろうとする11月のイタリア、コモ湖畔のシャトーに住むクリスティーヌ(ベル)は、夫の野辺の送りを済ませたばかり。年の離れた夫は他の交際を許さず、青春の悦びを味わう事のなかった淋しさを今更の様に感じる。身寄りもなく、訪ねるべき友もない。もう一度人生を出直そうと、夫の形見を召使等に与え思い出の品は炉に。その中からふと見付けた小さな手帖。それは20年前、初めて舞踏会に出た折のダンス相手の男の名を書き記したもの。彼女は彼等の名を辿り訪ねる旅に出る・・

ジョルジュはクリスティーヌの婚約を知り自殺、そのショックで狂気となった母に追い出される。ヴェルレーヌの詩を誦したピエールは、今や夜盗団の采配を揮う前科者で彼女の前で官警に曳かれて行く。ピアニストのアランは神父で、彼女を想い死のうとしたこともあると。医師チェリーはマルセイユで既に狂乱の廃疾者・・行く先々で見い出したのは、青春の面影の欠片さえ留めない現実の厳しさ。幻滅と共に帰った彼女は、昔密かに恋したジェラールが、湖の対岸に住むと初めて知り訪れると彼は一週間前に亡き人に。彼女はその忘れ形見を、何か母性愛に似た愛情を抱き養子に迎える。

| | コメント (0)

2010年6月16日 (水)

映画109・・ある夜の出来事

ある夜の出来事(1934・アメリカ)

51rb5df1hsl監督・フランク・キャプラ、出演・クラーク・ゲーブル、クローデット・コルベール・・

娘のエリー(コルベール)が虫の好かないパイロットと婚約し、銀行家の父はマイアミ港外のヨットに監禁。逃げ出したエリーがニューヨーク行きのバスで知り合ったのは、失業した新聞記者ピーター(ゲーブル)。父は賞金を掛け娘の行方を捜す。ピーターは新聞でエリーの正体を知り特ダネにしようと考えたが、お嬢さん育ちで世間知らずの彼女に手を焼く。バスを降りた二人は、乏しい持ち金を遣り繰りし安宿の一室に泊まるが、エリーは部屋の真ん中にロープを張り毛布を掛け「ジェリコの壁」と呼ぶ。父親の追っ手から逃れヒッチハイクで旅を続ける2人は心が通い始める。父はパイロットとの結婚を許すことにし、ピーターとの行き違い(エリーに恋心を打ち明けられるが無一文では結婚出来ないと、2人の旅行記を売り急ぎ戻るが、エリーは置き去りにされたと思う)でエリーは帰宅。盛大な結婚式。父は娘が他の男を愛していることを見抜き、その粋な計らいでエリーは式場から花嫁衣裳のまま飛び出し、ピーターのもとへ。

| | コメント (0)

2010年6月15日 (火)

映画108・・嘆きの天使

嘆きの天使(1930・ドイツ)

Fna0077s_l監督・ジョゼフ・フォン・スタンバーグ、出演・マレーネ・ディートリッヒ、エミール・ヤニングス・・

世間知らずで生真面目な、風采の上がらぬ中年独身の高校教師ラート( ヤニングス)は、生徒からヌード写真を取り上げ、彼等の出入りを取り締まるためキャバレーに行き、退廃的で妖艶な写真のダンサー、ローラ(ディートリッヒ)の色香の虜になってしまう。学校も辞め、彼女と結婚し一座と共に旅興行を続け、座長の目論見でやがて間抜けた道化師に成り下がる。数年が経ち、彼の過去を知る町で興行が行われ人々の嘲笑を浴びる・・ローラは新しい愛人を見付け、捨てられたラートは野垂れ死にするしかなかった。

| | コメント (0)

2010年6月14日 (月)

映画107・・モロッコ

モロッコ(1930・アメリカ)

514k6deefrl監督・ジョセフ・フォン・スタンバーグ、出演・マレーネ・ディートリッヒ、ゲイリー・クーパー・・

モロッコ駐在外人部隊の兵士トム(クーパー)は、名うてのプレイボーイ。キャバレーの歌姫エミー(ディートリッヒ)には心を寄せてくれる紳士ラ・ベシエールがいたが、彼女はトムに惹かれる。トムは殺傷事件を起こしサハラの戦線へ送られ、絶望したエミーはラ・ベシエールの情に絆され婚約。披露パーティーの日、トムが重傷を負ったと聞き彼女は婚約者と現場に駆け付けるが、トムは町の酒場で飲んでいる。彼女はトムの冷淡な態度に呆然とするが、テーブルに刻まれた自分の名前を見て彼の本心を知る。しかし楽屋の鏡には、彼女のルージュで書かれた別れの言葉・・婚約を解消したエミーは、真実の愛に生きるべく何も無い灼熱の砂漠に彼の部隊を追う。

物憂い退廃の中に流れる歌声、ハイヒールを脱ぎ捨てながら砂漠を踏みしめ何処までも追いて行く。

| | コメント (0)

2010年6月13日 (日)

本152・・わたしが死んだ夜

わたしが死んだ夜・・ウィリアム・アイリッシュ著

12007☆「夜があばく」・・ハリーは良妻のマリーと息子との3人で暮らしているが、ある夜目覚めると隣にマリーがいない。探しているうちにマリーは戻るが、その夜も町で火災が発生。保険調査員のハリーが現場に出向くと、そこにマリーのロケットが落ちていた。不審に思い次の夜マリーの後を追けると、彼女は案の定放火をし、ハリーが問い詰めてもまるで呵責を感じない。平然と嘘をつき、ハリーに睡眠薬まで飲ませての犯行。以前の事故の影響があるのではとマリーを病院に連れて行くが、医者まで騙し退院し再び放火に走る。ハリーは自分も発狂しそうになりながら、家に帰っていたマリーを撃つ。

☆「死ぬには惜しい日」・・大都会の中の孤独から逃れようと、自殺をまさにしようとしていたローレルは、間違い電話で気勢を削がれ街に出掛ける。ロックフェラーセンターの公園で休んでいると置き引きに合い、助けてくれたドゥエインと散歩をするうち、お互いに相性が良いことに気付き、ローレルは死ぬには惜しい日だと考え直し、彼を自宅での夕飯に誘う。自殺の痕跡を消すべく自分は一足先に家に帰るため、彼にデリカへの使いを頼み道路を渡り出すが、部屋番号を告げようと振り返った時、車に撥ねられ即死。死ぬには素晴らし過ぎる日だった。

| | コメント (0)

2010年6月12日 (土)

映画106・・ゆれる

ゆれる(2006・日本)

C24034afb76fd8d997338ea60ad45aa5監督・西川美和、出演・オダギリジョー 、香川照之 、真木よう子、蟹江敬三・・ 

東京で写真家として成功し奔放に生きる弟の猛(オダギリ)。母の葬式にも顔を出さなかった彼は、その一周忌に久々に帰郷し、父とガソリンスタンドを営む兄の稔(香川)と再会。猛は頑固な父と折り合いが悪く、温厚な稔がいつも2人の間を取り成した。ガソリンスタンドに寄った猛は、幼馴染みで今は兄のガソリンスタンドで働く、上京前に付き合っていた千恵子(真木)を家に送り関係を持つ。翌日、兄弟は智恵子と3人で近くの想い出の渓谷へ。智恵子の一緒に東京へという態度をはぐらかし、猛はその場を離れるため吊り橋を渡り写真を撮りに。ふと猛が見上げると、川に架かる細い吊り橋で、智恵子が眼下の渓流へ落下、橋の上には呆然とへたり込む稔。猛は、動揺する稔のもとに駆け寄り落ち着かせる。兄弟の証言から不幸な転落事故と思われたが、数日後、稔が「自分が突き落とした」と自供、事件の真相を巡り裁判へ。猛は弁護士の伯父(蟹江)を立て稔の無実を晴らそうとするが、何度か面会するうち兄弟の心理的葛藤が増す。兄は自分が思いを寄せていた千恵子を落下させた原因が自分にあると思い、弟は自分が見た状況を別の観点から考え出し兄の言動を疑い始める。猛の証言で稔は実刑になり7年が過ぎる。兄弟の絆は切れたかにみえたが、幼い頃の8ミリを観た猛は、映し出された兄弟で吊り橋を渡る映像に胸を突かれる。高所恐怖症の兄が、弟の手を引きながら吊り橋に掴まって渡る様子・・事件の実際の状況は、最初に猛が見た通りと気付き、猛は兄の出所を出迎えに。騒がしい通りを隔てて兄を呼ぶ弟の声、振り向く兄の顔に理解の表情が。

ゆれる・・吊り橋と、兄弟の心理。

| | コメント (0)

2010年6月10日 (木)

本151・・ザ・ロンリー

ザ・ロンリー・・ポール・ギャリコ著

28371924第二次世界大戦の最中。学業半ばにして実戦に駆り出され、軍隊という「チーム」の一員として、命懸けの「ゲーム」を否応なしに繰り返す、ロンリー(孤独)な若者達。彼等は、年端も行かぬうちから生死の間を往き来し、この世の地獄を見せ付けられる。言葉の真の意味でのロンリネスをかくも象徴的な形で味わわされた以上、彼らは最早、再び故郷の安逸に溶け込むことも許されない・・そんな彼等の一員であるジェリーは23才。アメリカ生まれで育ちが良く、故郷に婚約者キャサリンのいる彼は、ロンドンの空軍に所属して2年になるが、今や戦争の凄まじい恐怖と不安に心が酷く傷つき、医官から飛行任務を外され2週間の静養を命じられる。酒で不安を誤魔化していたジェリーだったが、英国空軍婦人部隊の女友達パッヂスを誘い一緒に休暇を取る。様々な経験をしながら二人でスコットランドを旅するうちに、ジェリーはパッヂスがありのままの自分を受け入れてくれる存在であることに気付くが、もうすぐアメリカに帰還しそこでの生活が待っているため、彼女の休暇の終りと共に別れ、独りホテルに戻るが、パッヂスの不在に改めて自分の彼女への思いを知る。その夜たまたま航空輸送部の友人に出会い、ジェリーはとんぼ返りで故郷に帰ることになり、それを機会にキャサリンに打ち明けて婚約を解消しようとするが、彼女を見かけても声を掛けられず両親には嘆かれる始末。誰も傷付けられず、任務に戻ろうと傷心の思いでロンドンに戻るが、暗い雨の夜中、心と身体の調和が失われ現実と幻想の区別が付かず、暗い深淵に取り込まれ彷徨い歩く。そんな時、灯火管制で暗い町のバス停の淡い灯りの中にパッヂスの姿を見出し、ジュリーに現実感が蘇えり、彼女の名を叫びながら駆け寄って行く・・ありのままの自分を見詰め、怯むことも打ち消すこともせず、真実に直面出来るようになってこそ人は大人になる。唯一彼の孤独な魂を癒してくれるパッヂスを得たことで、ジュリーは自分が背負うべき重荷や、苦痛を与える相手への罪の意識からの解放は無いこと、人生は無慈悲で、許される過ちはあっても弱さは決して許されないことなどを自覚する。

著者は「ポセイドン・アドベンチャアー」の作者でもある。

| | コメント (0)

2010年6月 6日 (日)

絵画17・・ジョン・W・ウォーターハウス

ジョン・W・ウォーターハウス(1849~1917)

イギリス画家。題材は神話や文学。初期にアルマ=タデマやF・レイトンの影響。英国芸術家協会等に展示。95年、最高芸術院会員に選ばれ、セントジョーンズウッド美術学校で教鞭、王立美術院評議会議員。

Lady_without_pity Circe_offering_the_cup_to_ulysses Finding_the_head_of_orpheus Lady_of_shalott Miranda Saint_eulalia

| | コメント (0)

2010年6月 4日 (金)

本150・・孤独の発明

孤独の発明・・ポール・オースター著

19705609☆「見えない人間の肖像」・・主人公の父親が52才で離婚した後、かつての家で孤独に死ぬ。15年振りに帰郷し父の遺品と対峙する主人公は、一冊のアルバムの写真から曖昧な記憶を辿り始める。父親の自ら選んだ孤独な精神の闇、そのまた父親を巡る妻に因る不幸な殺人事件。見えない父の実像を求めて苦闘する、父と息子のあり方を描く。

☆「記憶の書」・・孤独を抱える主人公は「記憶の書」という本を書いている。「何も無い部屋に、一人でいる人間」という原型的イメージの中、自分の頭に浮かぶ様々な思いを描写。

| | コメント (0)

2010年6月 3日 (木)

機織り・・その39

100130_37_0015枚で3セット(+無地1本) その7の①

藤色地に花柄、流水など。

| | コメント (2)

« 2010年5月 | トップページ | 2010年7月 »