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2010年7月25日 (日)

本160・・夜の果てへの旅

夜の果てへの旅・・ルイ=フェルディナン・セリーヌ著

01817669著者の自伝的作品。

アナーキスト的放浪者フェルディナン・バルダミュの独白を中心に展開する叙事詩的遍歴譚の一種で、従来のフランス文学に見られなかった俗語的な破格の文体で一貫され、露骨で大胆な表現と、反社会的思想で充満した、激烈な八方破れの作品。主人公の体験を通じて戦争のおぞましさと愚劣さ、植民地に蔓延する恥知らずな卑劣な搾取、フォード自動車工場の内部を借りて暴き出される資本主義の非人間性、最後はパリの場末町に舞台を移し、そこに虫けらのように蠢く民衆の救い難い無気力さに対し、自らをも含め仮借ない批判の毒舌を浴びせる。現代社会の病根を完膚無きまでに摘出し明るみに曝け出す。

・・セーヌ県で生まれ、パリの場末で貧しい少年時代を過ごし、苦学して勉強を続け医師免状を手に入れる。第一次大戦勃発と同時に志願入隊、騎兵隊下士官に昇進し武勲を立てるが、重症を負い強い反戦思想を植え付けられる。復員後は国連事務局に就職し、衛生事情視察の目的でイギリスやアメリカ、キューバなどを遍歴。その後パリの場末町クリシーに住み着き、貧民救済のために医者を開業、作家生活と平行して終生医業を続けた。作風は文壇に大反響を巻き起こすが、晩年も故意に黙殺され、不遇と貧困の内に逝去。墓石には「ノン(否)」の一語のみ。

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