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2010年10月

2010年10月31日 (日)

映画133・・あの日の指輪を待つきみへ

あの日の指輪を待つきみへ(1991・伊・加・米)

20080827235735監督・リチャード・アッテンボロー、出演・シャーリー・マクレーン、クリストファー・プラマー、ミーシャ・バートン、スティーヴン・アメル・・

脚本家が偶然耳にした実話。第二次大戦前夜の1941年と50年後の1991年を舞台に、1つの指輪に秘められた運命を描く。

1991年、ミシガン州ブラナガン。長年連れ添った夫を亡くしたエセル(マクレーン)に、アイルランドの青年ジミーから突然の電話。エセルとテディの名が刻まれた指輪をベルファストの丘で発見したと。50年前、永遠を誓った愛を戦争で失い、以来心を閉ざして来たエセル。男3人の約束を知らないエセルはチャックを10年間拒み、その5年後にマリーが誕生。夫の死に涙ひとつ見せず、マリーに冷たいと非難されても心の内を語らない彼女に、封印した過去と向き合う時が来る。マリーは、両親の長年の親友ジャック(プラマー)に真相を尋ねるが、ジャックもまた語らず・・50年前、若きエセル(バートン)は3人の青年、チャック、ジャック、テディ(アメル)と青春を謳歌。彼女とテディは愛を誓うが、直後に彼が出征。その際、親友の2人とある約束を交わし戦地に旅立ったテディ。自分にもしもの事があった時は、チャックが彼女と暮らしジャックは助けるというもの。テディの遺体は発見されなかった・・指輪を届けに訪れたジミーと共に、エセルはベルファストに向かう。当時墜落現場にいたクィンランは、テディの死に立会い「自由に生きろ」との伝言を頼まれたが、指輪を受け取れず機が爆破しずっと指輪を探していたと。

IRAのテロにより爆死した兵士に寄り添うエセル。連れ戻しに来たジャックと共に丘に登り、吹っ切れたように涙を流す。

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2010年10月30日 (土)

本165・・告白

告白・・湊かなえ著

M0395454401我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるHRでの告白に始まり、語り手が級友や犯人、犯人の家族などと変わりながら、次第に事件の真相が浮き彫りになる。

第一章「聖職者」・・ある中学校の1年B組。3学期の終業式の日、担任・森口悠子は生徒達に、自分が教師を辞めることを告げる。数カ月前、学校のプールで彼女の一人娘(愛美)が死んだのだ。森口は、娘は事故死と判断されたが本当はこのクラスの生徒2人に殺されたと、犯人である少年「A」と「B」を告発し、警察に言うつもりはないが、彼らには既に復讐を仕掛けた(牛乳に子供の父親のエイズの血を入れた)と宣告して去って行く。

第二章「殉教者」・・終業式直後、クラス全員に「B組内での告白を外に漏らしたヤツは少年Cと見做す」という謎のメールが送られる。2年生に進級したB組、「少年A」こと渡辺修哉は学校へ来ていたが、「少年B」こと下村直樹は姿を見せていない。その後のクラスの様子と、1年B組に何が起きたか一切知らない新任教師の「ウェルテル」こと寺田良輝の愚かな行い、そして「修哉に天罰を! 制裁ポイントを集めろ!」という第二のメールを皮切りに行われたクラスによる修哉への制裁の模様を、クラス委員長の美月が悠子へ綴った手紙の形で語る。 修哉は検査でエイズ陰性と知る。

第三章「慈愛者」・・母親を殺した下村の姉・聖美が、弟が起こした事件の背景を知ろうと、母親の日記を読み始める。そこには、弟が母親を刺殺するまでの出来事が、息子を溺愛する一方的な母の思いと共に綴られていた。

第四章「求道者」・・母を刺殺した下村は、施設の中で壁に映る幻覚を見ていた。彼が共犯者である渡辺と出会い、愛美を殺し、さらに母親を殺害するまでの苦痛の生活を記憶のフラッシュバックという形で追うが、記憶障害になった彼は、そのフラッシュバックを他人事のように見ている。

第五章「信奉者」・・主犯である渡辺が、母親が再婚して妊娠中であることに傷つき、自身のサイトに「母親への遺書」として愛美を殺すに至った過去の経緯や、マザコンと言われ美月を絞め殺したこと、次なる犯行予告(母を追い詰めるために体育館の壇上で自ら周りを巻き込み爆死する)をアップロードした。

第六章「伝道者」・・子供の父親が、エイズの血の混入は事前に阻止したと死ぬ前に悠子に告げる。森口悠子から壇上の渡辺へ携帯電話を通し最後の宣告が。爆弾は森口によって外され渡辺の母親の研究室に仕掛けたと。既に爆弾のスイッチを押していた渡辺に、これが本当の復讐だ、と告げる。

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2010年10月29日 (金)

絵画60・・ホアキン・ソロー

ホアキン・ソロー(1863~1923)

スペイン画家。14才から学び、イタリアでB・ルパージュ等の影響。エミリオ・サラに師事。1880年パリ万博グランプリ、92年マドリッド国立展示会で金賞等。故郷バレンシア地方の明るい海辺風景等。

Cafe_in_paris Trafficking_in_human_beings Italian_girl_with_flowers

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2010年10月26日 (火)

絵画59・・吉岡浩太郎

吉岡浩太郎(1928~)

山口出身。香月泰男に師事。1967年スクリ-ン版画研究を始め、1973、89年に研修で渡米しその後個展。97年以降ピクチャーショーで新作発表。2004年東京絵画フェスティバル出品。

Hotaru_2 Shiosai_no_uta_3 Christmas Sanpomicti Tuki_no_melody  

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2010年10月23日 (土)

本164・・法王庁の抜け穴

法王庁の抜け穴・・アンドレ・ジイド著

C25f65cd51f3fbe42c3fe12d32a71b86たまたま遭遇した火事で子供を救うという無償の行為を実践しておきながら、ホンの気分で意味無き殺人を犯すラフカディオ。彼はある伯爵の私生児で、無償の行為で知り合った娘は父親の同じ兄の娘であり、殺した相手は兄嫁の妹の夫であった。殺人現場を昔馴染みのプロトスに見られ脅迫される。

坐骨神経痛で足が不自由なため杖に縋っていたアンティムが、夢現に現れた聖母の奇跡により足が治り、秘密結社員から改宗する。多大な財産を法王庁に任せていたが法王が偽者と知らされ破綻した彼は、再び足が不自由に。

地下室に幽閉されているとして、その法王を救い出すためと称し、信者から詐欺を働くプロトス。ラフカディオが去った後再びプロトスの女になっていたカロラが、プロトスの悪巧みを知り、訴えたことで彼は逮捕されラフカディオの犯した殺しの容疑者ともされる。

・・複雑多岐な事件の発展の中に、人間の行為の底に潜む、偶然と必然の関わりが描き出される風刺の効いた作品。

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2010年10月22日 (金)

絵画58・・B・E・ムリーリョ

B・E・ムリーリョ(1617~1682)

バロック期・スペイン画家。スルバランの影響。薄靄に覆われたような夢幻的な作風は1670年頃から顕著。聖母マリアの純潔性を現した一連の「無原罪の御宿り」は、次世紀のロココ美術を先取り。疫病で亡くした我が子を愛しむ様な子供の絵も多く、ぼろを纏った少年達の風俗画にも傑作。

St_john_the_baptist_as_a_child Mary_magdalene The_annunciation Beggar_children Mater_painful_2  

 

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2010年10月20日 (水)

絵画57・・カール・ラーション

カール・ラーション(1853~1919)

スウェーデン画家。生まれは貧しく、小学教師推薦で王立美術校予備課程に入学し表彰。1871年から風刺雑誌の挿絵後、国立美術館フレスコ画。77年パリで転機。中流階級の日常風景や、外光主義レアリスムの再現を評価され、パリサロンで2点入選。作風はアールヌーヴォーの台頭に先立ち、フランス印象派に影響。

Breakfast_under_the_big_birch Flowers_on_the_windowsill Playing_scales Little_red_riding_hood

 

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2010年10月19日 (火)

絵画56・・エドワード・ポインター

エドワード・ポインター(1836~1919)

パリ出身のイギリス画家。イプスウィッチ・スクール、ロンドンやローマ(ミケランジェロの影響)、パリでC・グレイルに学ぶ。複数の公職に就き、ロンドン大学初代美術教授、アート・トレーニング校長、Nギャラリーディレクター。1876年アカデミーメンバー、96年総裁。

Mrs_archibald_milman Faithful_unto_death The_catapult Venice_moonlight The_wooded_landscape

 

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2010年10月17日 (日)

本163・・南仏プロヴァンスの12か月

南仏プロヴァンスの12か月・・ピーター・メイル著

19728118折に触れプロヴァンスを訪れていたイギリス人が、彼の地に魅せられ移り住み、プロヴァンスの自然や文化とそこに繰り広げられる人々との交流を綴ったエッセー。

オリーブが繁り、ラヴェンダーが薫る豊かで実り多い自然。多彩な料理とワインに恵まれた食文化。素朴で個性的な人々。人としての本当の生活、生きる歓びを求めてロンドンを引き払い、プロヴァンスに移り住んだ元広告マンが、一年を通して日々起きて過ぎる様を活き活きとユーモアを込めて描き、戸惑いながらも前向きに馴染んで行く姿が絵が浮かぶ様に温かい。

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2010年10月16日 (土)

機織り・・その42

100414_33_23枚3セットその1の①

エ霞にブルー地で辻が花風唐草柄。

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2010年10月15日 (金)

絵画55・・クイント・ブッフホルツ

クイント・ブッフホルツ(1957~)

ドイツ画家。シュール・レアリスム。ミュンヘンアカデミーで学ぶ。 幻想的でリアルな画風。1979年以来、様々な出版社の仕事をし絵本でも多数受賞。

Snow_elephants On_the_way_bicycle_and_book Stichwort_liebe Untitled Woman_reading Lighthouse_of_book

 

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2010年10月12日 (火)

絵画54・・シスター・アグネス・バーチマンズ

シスター・アグネス・バーチマンズ(1879~1973)

カナダ生まれの画家。10代でハリファックス姉妹の慈善団体で才能を認められ、イタリア留学しフィラデルフス・シミに師事。1928年、マザーヴィンセントセントヘレンズの修道院に一連の絵を描く。視力が弱かったが、修道女として宗教的テーマに芸術性を捧げる。

St_cecilia The_wise_and_foolish_virgins Philomena

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2010年10月11日 (月)

絵画53・・アーサー・ハッカー

アーサー・ハッカー(1858~1919)

イギリス画家。1876年Rアカデミーに入学し2年後初展示。80年からフランスでL・ボナに学ぶ。アカデミズム様式で神話や聖書を主題にし、都市の眺望描写へ。最後の10年は前派のE・ミレイの影響で田園風の主題。1910年アカデミーメンバー。

Syrinx_2 Imprisoned_spring Piccadilly_circus_at_night Cat_and_mouse Pelagia_and_philammon            
   

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2010年10月 9日 (土)

本162・・失われた時を求めて

失われた時を求め・・マルセル・プルースト著

41iq7zbraul__sl500_aa300_全10巻。1913年~27年まで掛かって刊行。

物語は、ふと口にした紅茶に浸したマドレーヌの味から、幼少期に家族揃って夏の休暇を過ごしたコンブレーの町全体が蘇ってくる、という記憶を契機に展開して行き、その当時暮らした家が面していたY字路のスワン家の方とゲルマントの方という、二つの道の辿り着く所に住んでいる二つの家族達との関わりの思い出から始まり、自らの生きて来た歴史を記憶の中で織り上げて行く。第一次世界大戦前後の都市が繁栄した時期、ベル・エポックの世相風俗を描くと共に、社交界の人々のスノビズム(俗物根性)を徹底的に描いた作品でもある。記憶と時間の問題を廻り、単に過去から未来への直線的な時間や計測できる物理的時間に対して、円環的時間、それがまた現在に戻ってきて今の時を見出し、円熟する時間という独自の時間解釈「現実は記憶の中に作られる」という見解を提起。

第1篇「スワン家のほうへ」・・三部から成る。夏の休暇を郊外のコンブレーで過ごした少年期の回想が描かれる。隣人スワンの娘ジルベルトに恋をする。 スワンが結婚するまでの物語を描いた「スワンの恋」の章は独立した小説としても読める。「私」が生まれる前の時期のヴェルデュラン邸のサロンが主な舞台。

第2篇「花咲く乙女たちのかげに」・・二部から成る。主人公が、スワン家に出入りでき有頂天になるが、ジルベルトとは次第に気持ちが擦れ違う。夏の避暑地バルベックでシャルリュス男爵と知り合い、同地で出会った少女達の内、孤児ではあるが後ろ盾のあるアルベルチーヌに恋する。

第3篇「ゲルマントの方」・・一家がゲルマント家のアパルトマンに引っ越す。サロンの社交界に出入りするようになり、シャルリュス男爵とも度々顔を合わせる。初めてアルベルチーヌにキスする。

第4篇「ソドムとゴモラ」・・主人公は偶然、シャルリュス男爵が同性愛に耽っているのを目撃しショックを受ける。ゲルマント公爵邸の夜会に出席。恋人アルベルチーヌの行動に次第に疑惑を持ち、別れを考えるが結局結婚を決意。

第5篇「囚われの女」・・パリの自宅でアルベルチーヌと暮らす。ヴェルデュラン邸のサロンで行われた演奏会に出席。

第6篇「逃げさる女」・・アルベルチーヌが突然いなくなる。その後、彼女は落馬し命を落とす。主人公はアルベルチーヌの過去を調べ、同性愛者であったことを知る。彼女を失ったことで後悔と苦悩の日々を送るが、ある日その悲しみが薄れているのを自覚。

第7篇「見出された時」・・第一次世界大戦の前後、パリの社交界も様変わりして行く。療養生活を送る主人公は芸術について思考を重ねる。ある日出席したサロンで、旧知の人々がすっかり年老いた姿を見て「時」について考える。主人公は自分の経験を書物に著すことを決意。

☆プルースト・・フランスの知識人で、作家でエッセイスト、批評家で美食家としても有名。パリ郊外のオートゥィユにある母方の伯父の家で、ブルジョワの高名な医師の息子として生まれる。喘息の持病を持ち就職せず、後に審美家として名声を成す。この作品は自伝的要素が色濃く、プルースト自身も含む同性愛が重要なテーマの一つで、秘書を務めた「恋人」が飛行機事故死したことが、主人公の恋人アルベルチーヌの死に置き換えられていると云われる。

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2010年10月 8日 (金)

絵画52・・スティーヴ・ハンクス

スティーヴ・ハンクス(1949~)

アメリカ画家。サンフランシスコの美術アカデミーで学ぶ。南カリフォルニアの海と太陽光を取り入れ、感情的リアリズムを描く。国立水彩画協会優秀賞と西洋美術館金メダル。

Santa_fe_sun_3 To_search_within_3 Candle_in_the_wind  

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2010年10月 3日 (日)

絵画51・・ルネ・マグリット

ルネ・マグリット(1898~1967)

ベルギー画家。20世紀S・レアリスムの代表。1912年、母の入水自殺で多大な衝撃。16年からブリュッセル美術学校、その後商業デザイン。23年キリコ「愛の歌」の影響でS・レアリスムへ。事物の形象を明確に表現、筆触を殆ど残さない古典的描法。

The_empire_of_lights A_friend_of_order The_infinite_recognition The_fair_captive The_voice_of_blood The_heartstrings

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2010年10月 2日 (土)

絵画50・・エドモンド・レイトン

エドモンド・レイトン(1853~1922)

ラファエル前派・イギリス画家。中世の伝説や文学を描く。父は肖像画家のチャールズ・レイトン。Rアカデミーに学び、1878年から40年に渡り毎年出展。高度に完成した装飾的な画像を生成する気難しさもあった。

The_accolade Lady_godiva In_time_of_peril To_the_unknown_land

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