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2011年4月14日 (木)

本183・・八月の光

八月の光・・ウィリアム・フォークナー著

210201タイトルはキリスト教以前のギリシャ的・異教的な光を暗示し、物語は1930年頃の八月の11日間に起きたことを描く。

素朴で健康な田舎娘リーナは、臨月の身で兄の家に居辛くなり自分を置き去りにした(自身は捨てられたとは認めない)ルーカスを尋ねて旅に出る。ジェファスンの製材工場にルーカスがいると聞いて訪ねるが、そこにはバイロンという真面目な中年男がいて、彼はリーナに恋してしまう。ルーカスはブラウンと変名してこの町で密造酒を売り、クリスマスの殺人に関与しているにも拘らずクリスマスを当局に売り、その報奨金欲しさに町を離れられず、今は留置場に入っている。リーナは身辺一切をバイロンに助けられながら出産。バイロンは赤子の声を聞いて父親の存在を実感し、リーナに再会させるがルーカスは再び逃げる・・孤児院に育ったクリスマスは5才で養子に出る。自分が黒人の血を持つらしいという疑惑の中で成長し、18才の時厳格な養父を殴り倒して家出後、流浪して33才でジェファスンに流れ着く。黒人達の世話をする中年の独身女バーデンの敷地内に住み着き、やがて深い関係に。3年後、バーデンがクリスマスの魂をも縛ろうとしたため彼女を殺し、ブラウンが放火。クリスマスは逃亡するが一週間後に捕まる。現れた祖母の言葉で元牧師のハイタワーの家に逃げ込むが、州の自衛官に撃たれリンチの末殺される・・リーナは赤子を抱いて、バイロンに付き添われながら、再びルーカスを探す旅に出る。

リーナとクリスマスは出会うことはなく、クリスマスは南部の因習と偏見に反逆して自滅するが、リーナは、二通りの男であるルーカスとバイロン型の間で一切動じず与えられるものの中で悩みもせず、あるがままに流されて行く愚鈍な強かさを持つ。

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