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2011年4月

2011年4月17日 (日)

絵画120・・エル・グレコ

エル・グレコ(1541~1905)

ギリシャ画家。マニエリスムの巨匠。後期ビザンティン美術の伝統を継ぎ、独学でイタリアルネサンスの手法を学ぶ。1567年ヴェネツィアでティツィアーノに師事。72年サン・ルーカ画家組合参加。77年スペインで、大聖堂の「聖衣剥奪」等の依頼。

Annunciation St_mary_magdalene The_virgin_and_child The_disrobing_of_christ

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2011年4月15日 (金)

本184・・墜落のある風景

墜落のある風景・・マイケル・フレイン著

5100e1b4x2l__sl500_aa300_フランドル画家ピーテル・ブリューゲルの未発見の真作を発見したのではないかと信ずる、主人公マーティン・クレイ。彼は大学で教鞭を執っている哲学者でもある図像解釈学の学者で、妻のケイトも美術史学を専攻する図像学の学者。マーティンは現在研究休暇を利用して本を書いており、それが進展しないためロンドンを離れ北の田舎村にある別荘にやって来た。地元に住むチャートの訪問を受け自宅に招待された時、眠っている美術品の鑑定を依頼されたことで、彼等の運命を一変するものに遭遇。運命の出会いとも言うべき、ブリューゲルの真作と思われる煤に塗れた板絵に取り憑かれたマーティンは、一種の詐欺を企む。その作品がブリューゲルの真作である証拠を見つけ出し、一時でも自分の絵として所蔵し、後に有るべき状況で公開すると言う大義名分(利己的な)のため、本人はいささかも良心の呵責を感じない。全編に渡って展開が激しく、愚かしく取り散らかったユーモアに覆われ、終局は、証拠の発見に至る間際にその板絵が燃えてしまい、真実は永遠の彼方に消える。

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2011年4月14日 (木)

本183・・八月の光

八月の光・・ウィリアム・フォークナー著

210201タイトルはキリスト教以前のギリシャ的・異教的な光を暗示し、物語は1930年頃の八月の11日間に起きたことを描く。

素朴で健康な田舎娘リーナは、臨月の身で兄の家に居辛くなり自分を置き去りにした(自身は捨てられたとは認めない)ルーカスを尋ねて旅に出る。ジェファスンの製材工場にルーカスがいると聞いて訪ねるが、そこにはバイロンという真面目な中年男がいて、彼はリーナに恋してしまう。ルーカスはブラウンと変名してこの町で密造酒を売り、クリスマスの殺人に関与しているにも拘らずクリスマスを当局に売り、その報奨金欲しさに町を離れられず、今は留置場に入っている。リーナは身辺一切をバイロンに助けられながら出産。バイロンは赤子の声を聞いて父親の存在を実感し、リーナに再会させるがルーカスは再び逃げる・・孤児院に育ったクリスマスは5才で養子に出る。自分が黒人の血を持つらしいという疑惑の中で成長し、18才の時厳格な養父を殴り倒して家出後、流浪して33才でジェファスンに流れ着く。黒人達の世話をする中年の独身女バーデンの敷地内に住み着き、やがて深い関係に。3年後、バーデンがクリスマスの魂をも縛ろうとしたため彼女を殺し、ブラウンが放火。クリスマスは逃亡するが一週間後に捕まる。現れた祖母の言葉で元牧師のハイタワーの家に逃げ込むが、州の自衛官に撃たれリンチの末殺される・・リーナは赤子を抱いて、バイロンに付き添われながら、再びルーカスを探す旅に出る。

リーナとクリスマスは出会うことはなく、クリスマスは南部の因習と偏見に反逆して自滅するが、リーナは、二通りの男であるルーカスとバイロン型の間で一切動じず与えられるものの中で悩みもせず、あるがままに流されて行く愚鈍な強かさを持つ。

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2011年4月12日 (火)

本182・・O・ヘンリ短編集(三)

O・ヘンリ短編集(三)・・オー・ヘンリ著

41o8jzwxfel__sl500_aa300_★「最後の一葉」・・グリニッチ・ヴィレッジの芸術村。スウとジョンジーのアトリエでの5月。肺炎が流行り、ジョンジーが罹る。季節が移り、スウはジョンジーの枕元で挿絵を描いていたが、ジョンジーは自分の病に悲観的で、窓から見える隣の壁の蔦の葉が全部落ちたら死ぬのだと言う。二人の下の階に住むベアマンは落伍者の絵描きだったが、ジョンジーの話を聞き・・最後の一葉は落ちず、ジョンジーが元気を取り戻すが、二人はベアマンの死の知らせを受ける。ベアマンは、雨の夜あの壁に蔦の葉を描き肺炎で死んだのだ。それは彼の最後の傑作であった。

★「天窓のある部屋」・・パーカー夫人のアパート。借り手に高い部屋から案内するのが常だが、貧しい職業婦人のミス・リーマンは天窓のある穴倉のような一番安い部屋を借りる。彼女が玄関の階段に座っていると周りに住人が集まって来、彼女は自分の部屋から見える、ビリー・ジャクスンと名付けた星の話をする。彼女は次第に持ち帰る仕事が減り、体が弱っていく。ある日ドアに鍵が掛かったままなのに女中が気付き、救急車が呼ばれる。救急車の医師は、心得ているように彼女の部屋へ行き救い出す。その医師の名はビリー・ジャクスンであった。

★「都会の敗北」・・ロバートは地方から出、都会で背伸びをしたり悪戦苦闘しながらも弁護士として成功、上流社会のアリシアと結婚し頂点を極めた。ある日、ロバートの母親からの息子を心配する手紙を見つけたアリシアは、二人でロバートの田舎を訪れる。その景色や息吹き、人々に触れたロバートにとって、都会は彼方に飛び退り、田園への狂熱が魂を揺さぶる。すっかり田舎紳士に戻ったロバートが、アリシアを落胆させこれまでかと思ったが、アリシアは、洗練された紳士と結婚したと思っていたが、もっと素晴らしい一人の男性と結婚したことが解ったと告げる。

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2011年4月11日 (月)

本181・・O・ヘンリ短編集(二)

O・ヘンリ短編集(二)・・オー・ヘンリ著

41rkzblqxql__sl500_aa300_★「賢者の贈りもの」・・若く貧しい夫婦、クリスマスに互いにプレゼントしようとする。デラは美しい髪を売って、ジムの大切な形見の時計の金鎖を買う。帰宅したジムは、デラの髪を見てショックを受ける。自分の金時計を売って、デラの望んでいた一揃いの髪飾り買って来たのだ・・クリスマスを考え出した賢人達と、互いの宝物を犠牲にした愚かな二人。しかし、二人の心こそが最も賢者の証し。

★「人生は芝居だ」・・小さな町の雑貨店の娘ヘレンがフランクと結婚。付添い人はフランクの親友ジョン。式後、ジョンはヘレンに恋情を訴え、ヘレンは拒絶するが、そこに現れたフランクはヘレンを罵り出て行く。20年後、店を細々と営むヘレンは二人の間借り人を置く。一人の男ラモンティはバイオリン弾きで過去の記憶を失っていた。もう一人の男の目には愛情と悲嘆。ラモンティに求婚されたヘレンは、心を動かされるも結婚していると告げる。目に悲嘆の籠った男が許しを請い、自分はジョンで、あの日フランクを追い嫉妬から彼を殴り倒しフランクが石に頭を打ち付けたと告げる。ラモンティが奏でていたバイオリンに導かれたヘレンは、彼がフランクであると気付き彼のもとへ。

★「千ドル」・・青年ジリアンは叔父の遺言で千ドルを受け取るが、その使い道を報告する義務があった。叔父には他に相続者が居らず、後見していたミス・ヘイドンがいるだけ。ジリアンは遊び仲間に使い道を訊いたりするが、ある倹しい盲人の預金額を聞いたことで弁護士のもとへ。ミス・ヘイドンへの少ない寄贈を聞くと、彼女を訪ね遺言状の訂正で千ドルは彼女のものだと渡す。弁護士の所に戻り報告書を渡すと、別の書類があり千ドルの使い道が慎重・賢明・非利己的な場合五万ドルの報奨金が与えられ、そうでない時はミス・ヘイドンに与えられると告げられる。ジリアンは報告書を取り上げ引き裂き、千ドルは競馬で摩ったと言って去る。弁護士等は顔を見合わせ頭を振るが、ジリアンは陽気に口笛を吹いていた。

★「二十年後」・・ある町での夜10時。薄暗がりの下、一人の男がパトロール警官と言葉を交わす。男は20年前の約束で幼馴染みのジミーを待っていると言う。警官が去ってから別の男が現れジミーだと名乗るが、男(ボッブ)はそうでないことを見破る。彼は刑事で、ジミーからの紙切れをボッブに渡す。さっきの警官がジミーであり、ボッブがお尋ね者の男であることに気付き、自分で逮捕するには忍びなく私服刑事を寄越したのだった。

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2011年4月10日 (日)

絵画119・・I・ディアス・オラーノ

I・ディアス・オラー(1860~1937)

スペイン画家。地元の美術学校に学び、1880年からバルセロナのアートスクールでA・カバレロに師事。パリやローマにも学び、アーツアンドクラフツビトリアで教鞭。

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2011年4月 1日 (金)

映画136・・どん底

どん底(1936・フランス)

D0037980原作・マクシム・ゴーリキー、監督・ジャン・ルノワール、出演・ジャン・ギャバン、ルイ・ジューヴェ・・

原作の帝政ロシアから30年代のパリに舞台を移し、富める者と持たざる者の絶望と希望の交錯を描く。

パリの裏町にある木賃宿。夢も希望も失い、人生に疲れた人々が暮らす。男爵(ジューヴェ)は博打で財産を使い尽くし、運命を賭けた勝負にも負け邸を明け渡すことになり淡々と死を覚悟。木賃宿に住む親譲りの盗っ人ペペル(ギャバン)は足を洗いたいと。ある夜忍び込んだ邸が男爵の家。自殺を図ろうとする男爵を止めたことから、一晩を二人で語り明かす。男爵から贈られたトロフィーと煙草入れが元でペペルは逮捕、男爵が現れ無事解放され、数日後男爵はペペル達の木賃宿の仲間に。宿の主人コスツィリョフの女房ワシリーサはペペルに浮気心を疼かせるが、彼が好きなのはその妹のナターシャ。彼女の愛情により今の稼業を辞める決意をしたペペルだが、姉は妹に嫉妬し夫婦で妹を虐待。叫ぶナターシャにペペルは彼等の部屋に飛び込みコスツィリョフを殴る。彼は中庭に逃れるが下宿人達に嬲り殺しに。ワシリーサは嫉妬に狂い犯人はペペルだと訴える。ナターシャはペペルの帰りを待ち、出所したペペルは門の前に彼女を見付ける。二人は貧しくも新生活へと旅立つが、見送る男爵はすっかり宿に根を生やす。

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