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2011年6月 3日 (金)

本189・・風車小屋だより

風車小屋だより・・アルフォンス・ドーデー著

51rgoyqz79l__sl500_aa300_輝く太陽と豊かな自然を求めて、故郷プロヴァンスの片田舎の打ち捨てられた風車小屋に居を構えたドーデーが、日々の印象をパリの友人に宛てて書き綴る、南フランスの美しい自然と純朴な人々の生活を時に悲しく時にユーモラスに描く。

★「星」・・ある羊飼いの若者が山上で一人羊番をしていた頃、下の村や町からの話を心待ちにするが、中でも主家の美しいお嬢さんの事に関してだった。ある日曜日の嵐の夕、配達人が都合が悪く2週間分の食料を持って来たのはそのお嬢さんだった。物寂しい環境に同情したお嬢さんは、帰ろうとしたが風雨と暗さで迷い、一晩番小屋で過ごす事に。眠れない二人は雨の止んだ戸口に座り、流れ星を見ながら羊飼いが星について説明するうち、お嬢さんは彼の肩にもたれて眠ってしまう。羊飼いは胸に描く・・この星々の中で一番輝いた星が道に迷って、私の肩に止まりに来て眠っているのだと。

★「老人」・・パリの友人モーリスから便りが来、3~4里離れた田舎町の自分の祖父母を訪ねて欲しいと頼まれる。自分は忙しくこの10年来帰られず、孫息子を非常に愛する彼等は高齢でパリに出向いて来られぬので、孫息子の友人として自分の代わりに彼等を抱いてやって欲しいと。あまり気乗りのしないままやむを得ずモーリスの祖父母宅を訪ねると、隣の孤児院からの2人の少女達と暮らす老夫婦が、小さいが静かで温かい家に居た。孫息子の友人が訪ねて来たと知った彼等は、気も狂わんばかりに喜び、抱きしめ、孫の話を訊き、出来得る限りの歓待をする。その余りにも嬉しそうな、頷き微笑む愛すべき様子に友の面影を見、心から感動してしまう。

※「アルルの女」は前出(本147)

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