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2011年6月10日 (金)

本190・・悪を呼ぶ少年

悪を呼ぶ少年・・トマス・トライオン著

30442045ニューイングランドの田舎町でりんご農園を営む旧家。そのペリー家で、去年の秋主人ヴァイニングが不慮の死。納屋の地下室にリンゴを貯蔵しに行き、重いトラップ・ドアが彼の頭に落ちたのだ。以来妻のアレクサンドラは心を閉ざし自室に引き籠もる。アレクサンドラの母アダは優しく双生児のホランドとナイルズ見守り、昔彼女が祖母から教えられた遊びを伝えた。それは、1つの対象をじっと見つめ精神統一すると一時的な現象だがその対象物になれるという、1種のテレバシー風の遊び。10才になる双生児は、10分先に生まれたホランドが冷酷で謎めくのに対し、弟のナイルズは明るく素直。ある日ナイルズは納屋の地下リンゴ貯蔵庫の中にいるホランドを発見。ナイルズがポケットの空き缶から鷹の彫りものをした黄金の指輪(ペリーのペリグリン)を出した時、従兄ラッセルが現われ、指輪を見てジョージ伯父に言いつけると脅す。数日後、納屋で遊んでいたラッセルが、積んである干し草に2階から飛び降り、干し草の中に隠してあった鍬に胸を貫かれ死ぬ。ペリー家の隣に住むロウ夫人が、ホランドが取り出したネズミを見てショック死。そして指輪の入っていた空きカンには切断した人間の薬指。ある日アダは、ホランドがロウ夫人の家に置き忘れたハーモニカを発見し、この恐るべき事実に最早眼を逸らせない。この春アダの猫が縊り殺された謎、ナイルズが切断された指を持っている謎、アレクサンドラが庭の古井戸を見て怯えた謎、彼女が階段から墜落し不自由な身になる謎、父親とラッセル、ロウ夫人が不慮の死を遂げた謎、更に双生児の姉の赤ん坊が行方不明となり、酒樽の中で遺体となって発見された謎、ここに至ってアダは、遂に呪われたペリー家の恐ろしい悲劇の謎を解くきっかけが自らにあったのではと認め、全ての事件の犯人はナイルズだった事、そして兄のホランドの死(井戸で猫の首括りをした時、自らも落ちて死ぬ)は、アダに教えられたテレパシーでナイルズの心にだけ実在するに過ぎなかった事、鷹の彫り物がある指輪は死んだホランドの指もろとも切断したものだった事に気付く。絶望したアダは、ナイルズを共に納屋に引き込み、火をつけて自殺を計るが、抜け道を知っていたナイルズは、火が廻ると素早く納屋から脱出し、全焼した現場からはアダの焼死体のみ発見。

語り部が現況の一部を語るのが導入部で、最後に総括としてその全てが明かされる。アダの死後真実が解明され、ナイルズはその方面の療養所へ。既に長い時が流れ、語り部は言う、死んだのはナイルズで、生きてナイルズを演じていたのは実はホランドであったと・・


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