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2011年7月 4日 (月)

本196・・心の砕ける音

心の砕ける音・・トマス・H・クック著

51cr36hne3l__sx230_新聞社を経営する理性的な父と、詩を愛し自らを信じ情熱に従う母。父に似た兄キャルは検察官に、母似のビリーは父の新聞社を継ぐ。兄弟二人が独立すると、母は父の下を去り独居し自由を謳歌するが、その後発作で半身不随に。そんなある日、小さな町のバス停に一人の若い女性ドーラが降り立つ。彼女は美しいが寡黙で、どこか不安な影を引きずる。暫らくしてドーラがビリーの新聞社に勤め始め、ロマンチストでいつか運命の女と出会うと信じてきたビリーは彼女の虜に。幼い頃から無鉄砲なビリーをずっと守ってきた5才上のキャルは、心配してドーラの周囲をさり気なく探り始めるが、ある時彼女の家の前で窓ガラス越しに映る彼女の背中の無数の傷跡を目にする。その後ビリーがドーラの家でナイフの刺し傷で血塗れになって死に、同時にドーラが行方知れずになった事で、仕事を辞めビリーの死の原因究明とドーラの封印された過去探しの旅に出るキャル。ドーラは幼い頃殺人事件に巻き込まれ、背中に酷い傷を負った事がトラウマになり、名前を変えて逃げ続けた女なのか。いつしかドーラを愛していることに気付き、事故で猜疑心の強くなったビリーとの狭間で揺れ動くキャル。ドーラは誰も愛さないのか・・物語は、ドーラが現れて以来の約半年間の出来事と、ドーラを追うキャルの現在とが交差しながら進行。殺人事件の加害者2人組みの内の男は獄中で長く過ごし最近死んでいたが、もう1人の未成年だった女を辿るうち、彼女の背中にも酷い傷があったことを知るキャル。とうとう探し出したキャルに、キャルを愛したドーラは姿を消すしかなかったと告げる。ドーラも知らない事情で、新聞社の金を使い込んだ社員を追い、足の不自由だったビリーは弾みでナイフが刺さり死んだのだった。被害者だと思っていたドーラは、捨て子された過去を持つ加害者の未成年の女だった。ドーラと別れ去るキャルは、自分の心の砕ける音が聞こえるようだった・・それから間もなく相次いで父と母が亡くなり、ある日の墓参りの時、以前紹介されたことのある平凡だが苦労を知っている女性と再会。

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