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2011年8月14日 (日)

本200・・二人がここにいる不思議

二人がここにいる不思議・・レイ・ブラッドベリ著

30616347★「オリエント急行、北へ」・・北に向かうオリエント急行の中で、老看護婦のミネルバは不思議な男に遭遇。今にも死にそうに見えるその男の正体を一目で見抜く。男は死に絶えていく仲間の中の生き残りで、隠れ場所を探して旅を続ける幽霊。周りの幽霊を信じない人の傍では死に近づき、ミネルバの励ましで少し元気に。彼女は安全な所まで彼に付き添って行くことにするが、フェリーでイギリスに着くなりミネルバが心臓発作。かくして二人はロンドン行きの列車に乗る。

★「二人がここにいる不思議」・・がらんとしたレストランに着くと彼は考えた。頭の痛い問題が2つあって、1つは火星人のように解り得ない娘達と、死んで20年にもなる両親・・招待した両親がやって来た。早速ワインを飲み出すが、何故招んだのかと父親が訊ねる。死んだのが娘達で両親の方が生きている気がするからと答える。父親は言い難そうに言う、お前は面白くない男だったと。やがて両親は帰り、娘達との約束をキャンセル。ワインの味は満更でもなかった。

★「プロミセズ、プロミセズ」・・彼女の所に泣いて男が現れる。娘が事故で死にそうなため神に助けを求め、自分の一番大切なものを手放すと約束をしたと。それは、カトリックに改宗したばかりで約束を反故に出来ない彼女のことだ。不倫を清算するための手かと一瞬疑うが、彼女はいずれ許すしかないが二度と立ち寄るなと言う。彼女は帰る彼の背に、よくも私を差し置いて、と聞こえぬ声で呟く。叩き閉めたドアの音は、階段下の男にも聞こえ、それはまるで墓所の扉が閉じたようだった。

★「かすかな刺」・・五月の夕暮れ、新婚間もないジョナサンは通勤電車で初老の紳士と出会う。それは、別の時、別の人生から来た自分の未来・・その男は17年後の新聞を持ち、妻が殺され夫である自分が手配された記事が載っていた。信じないジョナサンに、男は泣きながら思い出を語り、変わってしまった妻を殺すしかなかったと告げる。そして、お互いの魂を救うチャンスが与えられたのだから何とか打開しようと。迎えに来た妻と三人で自宅へ。愛していると毎日妻に言うよう約束させ、小さな包みを預け男は帰って行く。包みは小さなリボルバー。玄関先に佇むジョナサンに、ドアを閉めるよう促す妻の声に微かながら刺を感じた。向きを変えた時バランスが崩れ、肩がドアを掠り、風に押されて激しく閉まった。バーン!

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