« 映画148・・ノエル | トップページ | 本211・・トリスタン・イズー物語 »

2012年1月 5日 (木)

本210・・モーパッサン短編集Ⅱ

モーパッサン短編集Ⅱ・・ギ・ド・モーパッサン著

51fso0h18kl__sl500_aa300_★「墓場の女」・・モンマルトルの墓地を散歩していると、ある墓の前で黒衣の女が跪き忍び泣き。意識を失った女を介抱するうち身の上話を聞かされ、連れ立って墓場を出て頼る彼女を家まで送る。そのまま関係を持つが、三週間もすると飽きが来て別れる。暫く後、再び墓場を訪れた時見たものは、別の男に支えられ出て行こうとしているあの黒衣の女・・

★「メヌエット」・・ある日、リュクサンブール公園の苗圃を散歩していると、前世紀の忘れられた苑のような場所で幾度か見掛けた風変わりな老人が、誰もいないと思ってか踊り出す。話し掛け訊いてみるとオペラ座のダンス教師だったと言い、後から来た彼の妻である女性は名舞踏家ラ・カストリだった。願って二人に「メヌエット」を踊ってもらい、感動し哀愁に打たれる。その後パリを離れ二年後に戻ってみると、あの苗圃は跡形も無くなっていた。あの二人は希望を失った亡命者のように、踊りながら近代的な街を彷徨っているのだろうか・・

★「マドモアゼル・ペルル」・・古くからの知り合いであるシャンタル家へ王様まつりの夕べを過ごしに行くと、自分が王様に選ばれたため、女王に台所を取り仕切るマドモアゼル・ペルルを指名。晩餐の後、シャンタル氏と煙草の時間を過ごすうち、マドモアゼル・ペルルの過去(その昔シャンタル家の前に捨て子され、養育されそのまま今に至る)を聞き、シャンタル氏自身も気付かず彼女を想っていながら従妹と結婚した事、多分控えめで聡明な彼女もそうであっただろう事を知る。それを聞かされたマドモアゼル・ペルルは失神・・今更二人が苦しみ悶えるには遅過ぎ、しみじみと昔を思い出すにはちょうど良い早さではないか。他の人間が一生掛かって摘み取る以上の幸福を、これらの恋人同士にはたった一度の身震いによって与えられる感覚なのでは・・

|

« 映画148・・ノエル | トップページ | 本211・・トリスタン・イズー物語 »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 映画148・・ノエル | トップページ | 本211・・トリスタン・イズー物語 »