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2012年3月

2012年3月26日 (月)

本223・・ポー名作集

ポー名作集・・エドガー・アラン・ポー著

413xlhix3vl__sl500_aa300_★「黄金虫」・・サリバン島で黒人召使と住む友人ルグランの下を久しぶりに訪れると、新種の黄金虫を発見したという。絵を描いて見せるが髑髏の絵で・・一ヵ月後、召使の迎えで再び訪ねると、錯乱した風なルグランに頼まれ、召使と三人で本土に渡り、ある樹木の高みにあった髑髏の目から黄金虫を垂らすと、その地底に財宝が・・ルグランが描いた羊皮紙は黄金虫を発見した場所で拾ったもので、あぶり出すと宝の有り場所の暗号。

★「黒猫」・・幼い時から動物好きで、結婚してから黒猫を飼って可愛がっていたが、酒乱により次第に虐待し始め、ある日とうとう片目をくり抜き吊るし殺すが、その夜屋敷が火事で焼け落ち、残った壁に吊るした猫の姿が・・呵責で似た猫を貰って来ると、片目であったため嫌悪し出し、殺そうとして間に入った妻を殺してしまう。妻を地下室の壁に塗りこむが、警察を騙せた勝利感で壁を叩いたため崩れてしまう・・妻の屍骸と共に、生きた猫も塗り込めていた。

★「アッシャー家の崩壊」・・幼馴染みだったアッシャーからの、たっての招待で訪れたアッシャー家の佇まいは陰鬱で荒涼としていた。アッシャーは神経を病み、感覚だけが研ぎ澄まされていた。地所と屋敷が、代々のアッシャーの血を廃れさせ今も影響を及ぼしているかのよう・・双子の妹が同様の病で亡くなり、二人で地下室に埋葬。アッシャーの錯乱は悪化し、語り手にも恐怖が乗り移り、不気味な物音が聞こえ出す。アッシャーは妹を生きながら埋めてしまったことに気付くが、とうとう死装束の妹が扉を開け現れ、兄に圧し掛かりもろ共死ぬ。屋敷を飛び出して逃げると、後ろにアッシャー館が崩れ落ち沼に飲み込まれていく。

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2012年3月21日 (水)

本222・・スペードの女王・ベールキン物語

スペードの女王・ベールキン物語・・アレクサンドル・プーシキン著

51tpbbrjg2l__sx230_★「スペードの女王」・・士官ゲルマンは、カルタに勝つ秘密を握る老伯爵夫人に近付くため、その養女を利用し、ある晩老婆に詰め寄り死なせてしまう。その夜老婆が現れ三つの数字を教えるが、三枚目のカードのスペードの女王が薄笑いしたと幻覚し発狂。真っ直ぐだが、平民なため野心に囚われる利己的な青年の末路。

★「ベールキン物語」の「吹雪」・・身分違いの恋人同士が駆け落ちするが、吹雪に翻弄され出会えない。女は家に帰り、男は待ち合わせ場所に辿り着けず死ぬ。後日女の前に新しい男が現れるが、彼はあの吹雪の日に、恋人と間違えて結婚の誓いをした男・・

★「ベールキン物語」の「駅長」・・しがない駅馬車舎の駅長が、娘と切り盛りし暮らしている。ある日一人の士官が現れ、病気のフリをして滞在し娘をかどわかすように連れ去る。老駅長は娘を返してくれるよう頼むが叶わず、数年後、哀しみを拭えぬまま自滅し死ぬ。それなりに幸せに暮らしていた娘は、父の墓を訪れ号泣。

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2012年3月18日 (日)

本221・・とどめの一撃

とどめの一撃・・マルグリット・ユルスナール著

51orvm2wml__sl500_aa300_ロシア革命と第一次大戦によって孤立した、バルト海沿岸の片田舎を舞台に、混乱を背景にそれぞれの愛と死のドラマが描かれる。実際に起こった事件をモチーフに、主な登場人物は語り部であるエリック、ソフィーとその弟コンラート(繊細でこの世離れしている)の三人で、その関係は著者の実生活にあった関係とされる・・負傷後、共に少年期を過ごした館に帰り着いたエリックと、それを迎える姉弟。動乱の環境に翻弄される戦火の時代。ポルシェヴィキの占領や脱走兵等との雑居、兵隊に陵辱されたソフィー、エリックに恋を打ち明けるソフィーの苦悩、とうとう受け入れようとしないエリック、赤軍に寝返るソフィー、戦死するコンラート、ソフィーを銃殺するエリック・・死者はたちまち遠ざかる、しかし生者もまた・・

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2012年3月12日 (月)

絵画204・・ヘンリー・N・オニール

ヘンリー・N・オニール(18171880)

ロシア画家。6才でイングランドに移り、1836年からRアカデミーに学び、38年から多数出展、60年助教授。若手アーティストGクリークの創立メンバー。

Eastward_ho Mother_depositing_her_child_foundli Painting_his_dead_daughter The_last_moments_of_raphael

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2012年3月11日 (日)

本220・・クリスマス・カロル

クリスマス・カロル・・チャールズ・ディケンズ著

51azeph2mql__sl500_aa300_吝嗇で冷酷な人間嫌いの商人スクルージ老人が、クリスマス・イヴの夜、共同経営していたマーレイ(7年前に死亡)の亡霊と対面し諭される。マーレイの予言通り、その夜から第一(過去)、第二(現在)、第三(未来)のクリスマスの精霊に追き従い知人達のもとを訪れる・・幼かった頃の淋しかった自分の姿、愛より金銭を優先し恋人に振られる自分。貧しいけれど心温かい市井の人々、雇い人の家族や甥の家族の姿。自分の死んだ姿や周りの評判・・少しずつ、物は無くても人は幸せになれ、労わり合い喜び合うクリスマスの有りように気付き、スクルージは精霊に感謝と改心を誓う。イヴの夜、七面鳥を買って甥の家族のもとに食事に行き、心温まる時間を過ごす。クリスマスの朝、雇い人より早く出勤し、その肩を叩き昇給を告げる。それ以来、始めの内は周囲に揶揄されながらも、心晴れやかな善人として暮らして行く。

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2012年3月 8日 (木)

本219・・時の娘

時の娘・・ジョセフィン・テイ著

51k9issn1vl__sl500_aa300_怪我で入院中のヤードの警部が、ふと手にしたリチャード三世の肖像写真を見、安楽椅子ならぬベッド探偵として博物館で働く青年の助けを借り、その風貌(聖者のように苦しみに満ちた)のミステリーを追う。

リチャード三世・・兄王エドワード四世亡き後、その二人の王子を、自らが無理に王位を継ぐため殺させた悪王とされる。

ヘンリー七世の下で存外に出世したモートン(カンタベリー大僧正)に、ボズワースの戦いで裏切られ惨殺されたリチャード。リチャードは兄王指定で二人の王子の摂政をするはずが、王子達が庶子である事の暴露により継承権が無くなり、リチャードが殺させる必要も無かった。むしろ同様に庶子であったヘンリーにも継承権は無く、ロンドン塔に幽閉されていた二人の行方を隠す必要があった。本来リチャード亡き後の継承者は、兄ジョージの息子であるウォーリック伯。二人の王子が殺されたことが当時何らの問題提起も記述もなされず、後年になってリチャードを敵とするヘンリー配下のモートンが記したのであって、それをトーマス・モアが写したものが現在まで教科書等に載る記述の元に。リチャード・・保釈の権利承認と脅迫防止を成す。ヘンリー・・薔薇戦争の一方であるヨークの家系を根こそぎ殺し、陪審を置かない不公正な高等裁判所を設けた。ヨークの町民がボズワースの戦いを記録している。「この日、我等の良きリチャード王は、無残にも惨殺されたもう。我等が町の大いなる悲しみなり」と。

チュードル朝後の17世紀スチュワート時代にリチャード擁護論が著わされ、18と19世紀にもされるが、未だ勝者の歪んだ論を歴史学者達は採る。歴史とは、著わす者によって如何様にも継がれるもの。

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2012年3月 6日 (火)

本218・・幽霊物語

幽霊物語・・ロアルド・ダール編

51pca16gzel__sx230_★「ハリー」ローズマリー・ティンパリー著・・5才の養女クリスチーヌが最近「ハリー」なる友人の話をする。庭の白バラの茂みにいると。養母は心配するが周りは取り合ってくれない。養子縁組協会で無理に問い質すと、不幸な家庭で父親が一家心中を計り、兄のハリーがクリスチーヌを救うため妹を抱いて窓から飛び降り、自身は死んだと。その地を訪ねると、落ちた場所に白バラの茂み。急ぎクリスチーヌを学校に迎えに行くと、兄が迎えに来て帰ったと・・

★「街角の店」シンシア・アスキス著・・貧しい弁護士の青年がふと立ち寄った骨董店。雰囲気と感じがよい姉妹が切り盛り。ある日再び訪ねると陰気な店内に老人がいて、小さなカエルの置物を只同然で買うことに。友人に高価な物だと聞かされ相当の分を返しに行くと、姉妹がいて姉から店を起こした父親の話を聞く。不当に儲け後悔しながら死んだと。罪の償いに高価な物を安く売るため、あの日青年が訪れるのを待って・・

★「落ち葉を掃く人」プライベートX著・・田舎の古い邸宅に住む偏屈な老婦人。若いテッサが話し相手として働くことに。老婦人は慈善団体などには寄付しないが、いつからか渡り歩く乞食に親切を尽くすのが不思議だった。ある晩、庭から落ち葉を掃くような音が聞こえ老婦人が怯える。庭に出て確かめると、小道の暗い影に乞食のような男が落ち葉を掃いていたが、落ち葉はピクとも動かない・・恐怖し女中頭に訊すと、以前老婦人がある乞食に働けと迫り、小道の向こうからここまで掃いたら施すと告げたところ、乞食は小道の向こうで横死するが、最後の言葉として小道のこちらまで掃いたら迎えに来ると・・2~3日後、掃く音が近くに迫り、老婦人が死ぬ。

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2012年3月 5日 (月)

絵画203・・フィリップ・R・モリス

フィリップ・R・モリス(1833~1902)

イギリス画家。ホルマン・ハントの影響。大英博物館の後、1855年からRアカデミーに学び、77年準メンバー。

Home_sweet_home The_first_communion The_end_of_the_journey A_flaw_in_the_will

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2012年3月 3日 (土)

絵画202・・ウィリアム・エッティ

ウィリアム・エッティ(1787~1849)

イギリス画家。1807年からRアカデミーでヘンリー・フュースリに、別にトーマス・ローレンスに学ぶ。28年アカデミーメンバー。

Britomart_redeems_fair_amoret_2 Woman_resting_against_rock Sleeping_nymphs_and_satyrs_2 The_storm_3 Hero_and_leander_3

                                       

 

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2012年3月 1日 (木)

絵画201・・アレクサンドル・アンチグナ

アレクサンドル・アンチグナ(1817~1878)

フランス画家。1837年からボザールでドラローシュに学ぶ。写実主義で宗教的なシーンや貧しい人々を描く。

The_lightning Gather_firewoods The_fire The_death_of_the_pauper_2

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