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2012年5月

2012年5月28日 (月)

本230・・悪魔の選択

悪魔の選択・・フレデリック・フォーサイス著

413quqofol__sl500_aa300__2選択肢が限られ、どれを選んでも痛みが伴うものを諜報機関では「悪魔の選択」と。

1982年6月。クレムリンの政治局会議で、農薬製法ミスに因る穀物収穫激減の報告。議事録の写しはSIS(イギリス情報部)のモスクワ駐在員マンローの(諜報者はかつてマンローの恋人で、今は政治局内部に)手で西側に。ワシントンは食料輸出の見返りに大規模な軍縮交渉。ソ連は一枚岩のようで、実は2億5千万人民の食糧問題と、全人民の半数以上を占めるウクライナ等の非ロシア人の民族問題を抱える。

ソ連に憎悪を抱くウクライナ人ドレーク等は、ソ連体制への反撃にKGB議長を暗殺するが、実行犯のミーシキン等は逃亡に失敗し西ベルリンの収容所に。彼等を自由にしKGB議長暗殺を公開しようとするドレークは、オランダ沖で石油タンカー「フレイア号」をハイジャックし、西ベルリンに仲間の解放を迫る。

ルージン書記長は、議長暗殺が公になれば失脚確実と、アメリカにミーシキン等解放なら軍縮交渉を打ち切ると通告。アメリカ大統領は、ルージン失脚で強硬派がヨーロッパに侵攻するとし、西ベルリンに彼等の解放をしないよう通達。北海沿岸諸国は、ハイジャック犯がタンカーを爆発すれば、30人の人質と原油汚染が深刻なため解放要求・・

ミーシキン等はイスラエルに移された後毒殺され、タンカーの2万トン流出油で身動き出来なくなったドレーク等と追っ手は炎上・・マンローの恋人である諜報者は、愛国者としてルージンの意向で動いていた。

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2012年5月24日 (木)

本229・・エマ

・・ジェーン・オースティン著

51s7p8ysd4l__sl500_aa300_南イングランドのハイベリー村の裕福な家の娘、エマ・ウッドハウスは美しく機知に富む女性。母が亡くなり姉が結婚(ナイトリーの弟)し家を出た後、父(隙間風と消化不良を恐れる気鬱症の老人)と2人で暮らす。

ウッドハウス家の家庭教師を16年務めたテーラーは、ウェストンに嫁ぐ。ウェストン氏にテーラーを紹介したのはエマで、自らが恋の仲介役と自覚。ある日、年下の友人ハリエット・スミスに、求婚して来た男性(ロバート・マーティン)を上流ではないと断らせ、牧師のエルトンと結び付けようとするが、エルトンが結婚を望むのが自分だと解り、自らの見込み違いに落ち込む。エマに断られたエルトンは、すぐさま虚栄心の強い俗物女性と結婚。

ウェストンの前妻の息子フランク・チャーチル、ベイツの姪であるジェーン・フェアファクスが登場。明るいフランクには好感を持つエマだが、自分を出さないジェーンとは馬が合わない。今度はハリエットとフランクを取り持とうとするが、フランクはジェーンと秘密婚約していた。エマがミス・ベイツを侮辱してナイトリー(ドンウェルの僧院に住み、エマに意見できる唯一の人物)に嗜められ、自らの浅はかさと判断力の無さを反省。その上、ハリエットがナイトリーに恋していると知り、自らのナイトリーへの恋心に気付く。気まずいエマは、ハリエットを遠ざける・・

ハリエットは当初エマによって拒絶したマーティンと結ばれ、慎重さを心したエマはナイトリーと結婚。

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2012年5月19日 (土)

機織り・・その43

100414_3333枚3セット、その1の②

変わり半月の茶系の暈し。ちょっと面白くなったかも。

・・というか、写真を撮って修正して、という作業が面倒になって、これは以前のもの。

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2012年5月 4日 (金)

本228・・ヘンリ・ライクロフトの私記

ヘンリ・ライクロフトの私記・・ジョージ・ギッシング著

18815547南イングランドの片田舎に隠栖して、独り古典と田園の世界に心豊かに生きるライクロフトの一年を綴る。主人公に仮託して描く、ギッシング(1857~1903)最晩年の作。

大抵の人に備わっているある平衡感覚が、初めから明らかに欠けていた。知的な頭脳はあったが、それは人生の日常の問題の処理には何の役にも立たなかった・・貧しくロンドンの屋根裏で記していた生活から一変、50歳を過ぎた頃、遠い親戚からの遺産でデヴォン州の外れに始めて自分の住処を見つけ、生活のために働くことなく暮らせる境遇になり、今、四季の移り変わりを楽しみながら、静かな余生を思索に耽りつつ平和な死を望む・・

懐疑があり、迷いがあり、抑圧された悲しみがあるが、それらを貫いて流れているもの。人間の愛情に飢え雑踏の中を放浪し、しかもなおその雑踏を敵視し孤立する。現実のなまの生活から自分を断ち切れず、しかも古典へ沈潜しないではいられない。無常観を克服しようとするストイックな精神が内部に存在し、内的相克と苦しみを赤裸々に露呈してみせる。貧乏に苦しみ、様々な挫折に苦しんできた自分の姿を・・牧歌的な情緒が、ライクロフトが体験した醜悪な都会を背景に理解され、反社会性も、矛盾し対立し、アンビヴァレンスを体験した人格が最後に自分に忠実になろうとして叫んでいる告白。

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2012年5月 1日 (火)

映画150・・羊たちの沈黙

羊たちの沈黙(1991・アメリカ)

Lambs_2原作・トマス・ハリス、監督・ジョナサン・デミ、出演・アンソニー・ホプキンス、ジョディ・フォスター・・

若い女性が殺され、生皮を剥がれるという連続猟奇殺人の「バッファロー・ビル事件」。FBI訓練生のクラリス(フォスター)、クロフォード主任捜査官からの任務。元天才的な精神科医で、自分の患者を食し州立精神病院に措置入院するレクター博士(ホプキンス)を訪ね、バッファロー・ビルの精神状態の解明に。

レクターは、最初の面会で彼女を気が強く野心家と分析し両親や生い立ちについて挑発。

クラリスは10歳で警察署長だった父を強盗に撃殺される。親戚の家、納屋で屠殺を待ち悲鳴を上げる小羊の一匹を抱いて逃げるが、保安官に捕まり施設へ。夢に現れるこの記憶は、クラリスを根本から揺さぶる暗部。無力だったクラリスは、立ち竦み沈黙する小羊。

分析を依頼されたレクターは、彼女の過去を語らせるのと引き換えに情報を・・曰く、犯人は自分が以前手掛けた患者を想わせる、犯人は2階建ての家を持つ、最初に殺害された女の身辺に手掛かりがと。

上院議員の娘が誘拐される。病院長のチルトン博士が、出世欲でレクターを牢内から出し、彼の陣頭指揮の下に捜査することに協力。レクターは最後の手掛かりを語り、隙を見て病院職員を襲い脱獄し姿を晦ます。

クラリスは、最初の被害者の関係を洗ううち犯人を特定。犯人の所在を確認したとのクロフォードの連絡で自分も現場に急行するが、不気味な一軒家にFBIの姿は無い。犯人の家に単独で入り奥へ進むと、地下室の古井戸の底に閉じ込められた娘を発見、すぐ救出すると約束し犯人を追う。暗闇の中、犯人は赤外線眼鏡を装着し自分を捜す彼女を監視。犯人が銃を装填する音をさせた瞬間、クラリスは犯人の位置を確認し射殺。

訓練生の卒業式。事件解決の栄誉の中にいるクラリス・・行方不明のレクターから「小羊の悲鳴は止んだかな」と問う電話。「これから古い友人と食事でね」との犯行予言(チルトンの運命は)と共に。

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