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2012年6月

2012年6月28日 (木)

映画154・・鉄道員

鉄道員(1958・イタリア)

Img_497596_10649643_1_2監督・ピエトロ・ジェルミ、出演・ピエトロ・ジェルミ、エドアルド・ネヴォラ、シルヴァ・コシナ・・ 

監督自ら主人公として出演した、労働者の一家庭を描くネオ・リアリズム作品。

50歳の鉄道機関士アンドレア・マルコッチ(ジェルミ)は、末っ子サンドロ(ネヴォラ)の誇り。最新式の電気機関車を動かし、酒場で誰よりも巧みにギターを弾く。だが長男で失業中のマルチェロや、食料品店員レナートと結婚した長女ジュリア(コシナ)にとっては、厳格で一徹な父は少々やり切れない存在。母サーラの忍従と慈愛、そしてサンドロの純真さが一家の空気を支える。ある日、父親の運転する列車に若者が投身。ショックから赤信号を見過ごし列車の正面衝突事故を起こし掛け、同乗の親友リヴェラーニと共に旧式機関車の機関士に格下げされ月給も下る。労働組合はストライキ計画中だったが、彼の不満を取り上げてはくれず、酒量は上り心は荒む。流産し夫との生活に耐え切れなくなっていたジュリアは、自活するため洗濯女工となり、そのことで父と口論したマルチェロは家出。鉄道ではゼネストが決行。父親は久し振りに電気機関車を運転するが、スト破りとして友人達からも孤立し、遂には酒を求めて家にも帰らぬ日々。サンドロは場末の酒場を巡り父を探し、彼が友人達とギターを弾いて歌った酒場に連れ出す。旧友連は快く父親を迎える。久し振りにギターが鳴り歌が流れるが、弱った彼は床に倒れる。三ヶ月後、小康を得た父親とその家庭に再びクリスマスが。訪れたリヴェラーニは長男や多くの隣人達を連れて来、クリスマス・パーティが開かれる。長女ジュリアからも、レナートと生活をやり直すという電話。宴の果てた夜、ベッドでギターを弾きながら父が死ぬ・・広くなった気のする家から、勤めに出る長男とサンドロが、今日も母親に見送られアパートの階段を下りて行く。

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2012年6月22日 (金)

映画153・・ボーイズ・ライフ

ボーイズ・ライフ(1993・アメリカ)

51f1msq0l5l__sl500_aa300_原作・トバイアス・ウルフ、監督・マイケル・ケイトン・ジョーンズ、出演・レオナルド・ディカプリオ、エレン・バーキン、ロバート・デ・ニーロ・・

原作者の自伝的小説を基に、楽天的な母親と暴力的な継父の下で思春期を過ごした少年の葛藤と成長をノスタルジック描く。

1957年、アメリカ。母親のキャロライン(バーキン)と息子のトビー(ディカプリオ)は、キャロラインの暴力的なボーイフレンドのロイから逃れ、一攫千金を夢見てユタ州ソルトレイクシティへ。新しい土地で再出発するが、父と母の3人で暮らす理想の家庭環境が心を圧迫するのか、トビーは学校で度々問題を起こす。ある日ロイが再び姿を現し、母子はシアトル行きのバスに飛び乗り、移り住んで半年、成長期のトビーは精神的に不安定になり、町の不良グループと行動。キャロラインは、明るくユーモアがあるドワイト(デ・ニーロ)と出会い惹かれる。トビーの生活態度を改めるためドワイトに預けられたが、温厚そうに見えた彼は「お前を鍛え直す」と脅し厳しく当たり、しつけというより暴力的な威圧。キャロラインはドワイトと再婚し、彼の家での新しい生活が始まる。ドワイトは父親の権威を押し付け暴君のように振る舞うが、静かな暮らしを望む母親は反抗するトビーをなだめ従順に従う。保守的でつまらない町で2年間を過ごしたトビーは,町を出ることを決意し大学の奨学生試験を受ける。合格した彼にドワイトは悪態をつき、我慢の限界に達したトビーは、遂に父を殴り倒し母と家を飛び出す。それは、自分の将来の夢と可能性を信じた決断だった。

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2012年6月16日 (土)

映画152・・ベニスに死す

ベニスに死す(1971・伊、仏)

Img_1609648_54380201_0_2原作・トーマス・マン、監督・ルキノ・ヴィスコンティ、出演・ダーク・ボガード、ビョルン・アンドレセン、シルヴァーナ・マンガーノ・・

作曲家マーラーをモデルに、その音楽(交響曲第5番 第4楽章アダージェットが、本作公開で大ブレイク)と共に芸術的で退廃的な世界観を描く。

1911年、静養でヴェネツィア(ベニス)を訪れた老作曲家(原作では作家)のアシェンバッハ(ボガード)。宿泊先のホテル。夕食を待つサロンで、美しい少年を目にし心を奪われる。優雅な母親(マンガーノ)と姉妹達、家庭教師と宿泊する14歳のポーランド人少年タジオ(アンドレセン)だった。透き通るような美貌と、なよやかな肢体、ギリシャの彫像を思わせるタジオ。以来、浜に続く回廊を彼を求めて彷徨うようになったある日、タジオに見詰め返されて思わず動揺、アシェンバッハは、この地の熱帯性の季節風が辛いことを理由に、急拠ベニスを発つ決意をするが・・

荷物の手違いで出発出来ず、喜びと共にホテルに戻ったアシェンバッハ。そんな中、ベニスの街中で消毒が始まる。尋ねると疫病(コレラ)が流行しているという。やがて自らも感染した彼はまるで死に化粧のように白粉と口紅、白髪染めを施し、タジオの姿を求めてベニスの町を徘徊。

疲れ切ったアシェンバッハは体を海辺のデッキチェアに横たえ、煌く陽光を背景に友人とはしゃぐタジオの姿を見詰め、流れ落ちる汗と涙で化粧は醜く落ち、それでも笑みを浮かべ死んでゆく。

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2012年6月12日 (火)

本231・・きみがぼくを見つけた日

きみがぼくを見つけた日・・オードリー・ニッフェネガー著

Timetravelerwjpb1_3幼い日、愛する母の運転する車で事故に遭う寸前、ヘンリーは突然時空の彼方へ姿を消す。以来、過去と未来を瞬時に行き交うタイムトラベラーとなるが、その行き先は彼自身にも判らない。父は、母の事故死以来心を閉ざし、アルコール依存で演奏の仕事も失くす。誰にも信じてもらえない秘密を抱え孤独な旅を続けるヘンリーだが、過去に降り立ったある日、6歳の少女クレアと出会う。未来からやって来たというヘンリーの言葉を信じる彼女こそ、いつか巡り逢う運命の恋人。

ストレスが引き金となり、タイムとラベルしてしまう一種の病気を持つヘンリー。過去や未来に移動した時は、全裸で何も所持出来ないため、まずすべきことは服を調達し、生き延びるために最小限必要な食べ物や寝場所を確保すること。時間の経過も予測が付けられず、その間クレアは不安に苛まれ、ヘンリーの身を案じながら彼の帰りを待ち続ける。

遂に現在の時の中で出会った二人は、ヘンリー28歳、クレア20才。障害のなか愛を育み結婚するが、ヘンリーの遺伝子異常で何度も流産するクレア。10年後、やっと娘アルバを得るが、アルバもタイムトラベラー。ヘンリー43歳、タイムトラベルした先が真冬の雪の原で、その時の凍傷で両足首から下を切断し車椅子生活に。大晦日、皆を呼んでパーティー。それぞれに別れの挨拶をし、外のテラスでクレアに抱かれながら死んで行くヘンリー。

残されたヘンリーの手紙・・ずっと将来、クレアが老女になった頃に再会出来る、と。

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2012年6月11日 (月)

映画151・・セブン

セブン(1995・アメリカ)

51sab2u7xfl_3監督・デヴィッド・フィンチャー、出演・ブラッド・ピット、モーガン・フリーマン、ケヴィン・スペイシー・・

降りしきる雨の大都会。殺人事件が発生し、退職まであと1週間のサマセット(フリーマン)と血気盛んな新人ミルズ(ピット)が現場に。被害者は肥満した大男で、汚物に塗れ食物に顔を埋めて死亡。死因は食物の大量摂取による内蔵破裂。後頭部の銃口の痕から、死ぬまで食べ続けるよう強制されたと判明。犯人が残した「GLUTTONY=大食」と書かれた文字。次の死体は、高級オフィスビルの一室に血塗れで発見された弁護士グールド。血で書かれた「GREED=強欲」の文字。サマセットは、犯人がキリスト教の「七つの大罪=憤怒・嫉妬・高慢・肉欲・怠惰・強欲・大食」に基づき殺人を続けているとし、ミルズに後5人殺されるだろうと。「強欲」殺人の現場を再検証し、壁の絵画の裏に前科者の通称ヴィクターの指紋で書かれた「HELP ME」の文字を発見。ヴィクターの部屋に急行し、舌と右腕を切られベッドに縛りつけられ廃人同様の彼が。その衰弱していく様を撮影した写真と「SLOTH=怠惰」と書かれた紙。グールドの部屋の指紋は、ヴィクターの右腕で付けられたもの。サマセットは、犯罪者に利用される恐れのある要注意図書リストの「七つの大罪」に関する貸出記録から容疑者を割り出そうとし、「ジョン・ドゥ」という男が浮かぶ。2人は男のアパートを訪ね、帰ってきた男が発砲し逃走。どしゃ降りの中、男はミルズを待ち受け頭に銃口を突きつけるが止めは刺さず去る。ジョン・ドゥの部屋からは被害者を撮影した無数の写真。男は報道カメラマンに扮しヴィクターの殺害現場に。第4の殺人「LUST=肉欲」として娼婦が殺され、第5の殺人「PRIDE=高慢」として顔を切り裂かれた美人モデルが自殺。残る2件を残し、ジョン・ドゥと名乗る男(スペイシー)が出頭。拘置された男の過去や身元は不明で、自分は選ばれた人間で誰も成し遂げなかった偉大なことをしたと。ドゥは、ミルズとサマセットを伴いある場所に。とある荒野で止まった一行の前に、宅配便の車が現れ小さな箱を置いて去る。ドゥはその箱の中に、ミルズの新婚の妻の生首があると言い、彼を羨んで彼女を殺した「ENVY=嫉妬」の罪だと。逆上したミルズはドゥに銃口を向け、サマセットは必死で止めるが、ミルズは相手の挑発に乗りドゥを射殺。男の目論見通り「WRATH=憤怒」の殺人を以て7つの殺人は完結。ドゥと名乗る男の正体も動機も闇の中。サマセットは絶望と共に、再び雨降りしきる町に戻る。

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2012年6月 1日 (金)

絵画206・・シャルル・A・メンギン

シャルル・A・メンギン(1853~1933)

フランス画家。アカデミックアート。Geckerとカバネルに学び、1876年パリサロン初展示。

Sappho

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