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2012年7月 8日 (日)

本233・・悲しみよこんにちは

悲しみよこんにちは・・フランソワーズ・サガン著

W4セシルは17歳。仕事が出来、恋多き独り身の父親がいる。二人はとても仲良しで、パリで陽気な生活を送る。ある夏、彼等は南仏の海辺に、真っ白な素晴らしい別荘を借り、父の若い愛人エルザと一緒に、平和な夏休みを過ごす。そこへ、亡き母の友達の、理知的で美しいアンヌが遊びに来る。今まで、少し頭の軽い若い娘と遊んでいた父は、洗練されたアンヌに惹かれ、ある晩、カンヌで二人は一夜で結婚を決める。

セシルは未来の母親に複雑な感情を抱くようになる。父の愛情を独占したい気持ちや、勉強の強制や恋人シリルとの事に口出すアンヌに対する反感から、セシルは策略を用い、シリルやエルザを使い父の結婚を妨害し始める。シリルとエルザが交際していると見せ掛け、父にエルザを振り向かせ、アンヌとの中を割こうと。エルザとの場面を見たアンヌは、ショックで車で暴走し死に至る・・

セシルはシニックで、青春特有の一種の残酷さを持ち、鋭い観察眼で大人達を眺めている。世界は未知な事で一杯で新鮮だが、完成されたもの(アンヌ)に対する憎悪や反発感を抱く事に罪悪感は無かった。

アンヌの死後、途端にシリルやエルザに興味を失い、再び怠惰な生活へ戻る親子。罰の無い罪人なのかとの自分への問い。聡明で中庸に優れ魅力的だったアンヌの思い出から逃れられず、その憂鬱や恥辱そして喪失感・・悲しみよ、こんにちは。

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