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2012年7月

2012年7月31日 (火)

映画160・・明日に向かって撃て

明日に向かって撃て(1969・アメリカ)

20120702220718478監督・ジョージ・ロイ・ヒル、出演・ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロス・・

実在した2人組の強盗ブッチ・キャシディ(ニューマン)とサンダンス・キッド(レッドフォード)を描く。アメリカン・ニューシネマの代表作。主題歌「雨に濡れても」にのって、ブッチとエッタ(ロス)が自転車乗りに興ずるシーンなど、ウェスタンには稀な詩情。

1890年代、西部。家畜泥棒と銀行強盗稼業の2人組ガンマン、ブッチとサンダンスは、盗人仲間の誘いで列車強盗をし大金をせしめ、始めは何とか逃げ切ることに成功するが、鉄道会社の追跡隊は彼等を猛追。2人は巨大な滝まで追い詰められ逃げ場を失う。ブッチは一か八かで滝壷に飛び込もうとサンダンスに提案するが、サンダンスは頑なに拒否。サンダンスは泳げなかったのだ。大笑いする2人だが、遂に意を決して飛び込む。

命からがら逃げ延びた後、ブッチは鉱山資源の豊富なボリビアへ行き荒稼ぎしようとサンダンスを誘う。スペイン語の出来るサンダンスのガール・フレンド、女教師のエッタも交え彼等はボリビアへ。だが、ボリビアはブッチの想像とは異なり大変な貧乏国で、2人はたちまち銀行強盗に逆戻り。2人はヤンキー泥棒として有名になり警察も彼等に手心を加えるが、2人はこれが不満で、とうとう彼らは足を洗い錫山のガードマンに。エッタは2人がカタギになったことを喜ぶが、所詮、泥棒稼業が身に付いた2人、正業を長続きさせることは出来ないだろうと考えていた。不安は的中、数年後、彼等は鉱山の給料を奪い再び警官に追われる身に。捜索にはボリビア軍隊まで動員、包囲された2人は「今度はオーストラリアに行こうぜ」と肩を叩きながら、何百という銃口の前に飛び出して行く・・このラストのストップモーションは映画史に残る屈指の名シーンとして有名。

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2012年7月27日 (金)

映画159・・太陽がいっぱい

太陽がいっぱい(1960・仏、伊)

676779_2原作・パトリシア・ハイスミス、監督・ルネ・クレマン、出演・アラン・ドロン、マリー・ラフォレ、モーリス・ロネ・・

悪友フィリップ(ロネ)を、彼の父親の頼みで5千ドルの約束で連れ戻しに来た貧乏な若者トム(ドロン)。だが放蕩息子のフィリップは父の元へ戻る気は無く、親の金で遊び回る。トムはフィリップの金目当てに彼と行動を共にするが、トムやフィリップの恋人マルジュ(ラフォレ)に対してフィリップが時折見せる傍若無人な態度や、トムに対する蔑み、父親への約束の手紙を出さないことに怒り、殺意を抱く。策略を使い、フィリップとマルジュを喧嘩させ彼女が下船すると、フィリップを刺し殺しロープで縛り海に投げ込む。上陸した後、トムはフィリップに成り済まし彼の財産を手に入れようと画策。ホテルに泊り、身分証明書を偽造しサインや声まで真似る。金も衣類も使い、ヨットを売り払う交渉も親元からの送金を引き出す事も上手く行く。マルジュ宛てのフィリップの手紙をタイプし送る。彼女はフィリップを忘れられずにいた。ホテルにフィリップの叔母が現れるが、姿を晦まし別の下宿に移る。 フィリップを訪ねて来て疑惑を持った友人を殺害し、死体を捨てるが発見され刑事が調べに来る。死体確認に集った時、トムはマルジェにフィリップはモンシベロに戻ったと告げるが、それを刑事が盗み聞く。その夜トムはモンジベロの家に行き、遺書を書き、送金を全部引き出しマルジェに残し自殺を偽装。警官とマルジュが駈け付けるが彼は逃げおおす。彼は元のトムに戻り、傷心のマルジェを労わり愛を告げる。彼女も遂に彼を受け入れ結婚を承諾。遺産も手に入るだろうと、彼が海水浴をし極上の酒に酔い、太陽の日差しをいっぱいに受けていた頃、フィリップのヨットが売却のため陸に引き上げられ、スクリューに絡まったロープの先からフィリップの死体が・・

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2012年7月20日 (金)

映画158・・ジョニーは戦場へ行った

ジョニーは戦場へ行った(1971・アメリカ)

20111016_630428原作、監督・ダルトン・トランボ、出演・ティモシー・ボトムズ、キャシー・フィールズ、ダイアン・ヴァーシ・・

第1次大戦後、15年近く生き続けたイギリス将校の実話を基に描く。

第1次大戦にアメリカが参戦、コロラド州の青年ジョー・ボナム(ボトムズ)は、ヨーロッパ戦線へ出征。落下した砲弾が炸裂し大地が割れる・・ジョーは今「姓名不詳重傷兵第407号」として前線の手術室に。延髄と性器のみ救かり心臓は動く。軍医長テイラリーは「もう死者と同じで何も感じず意識も無い男を生かしておくのは、彼から我々が学ぶためだ」と。ジョーは陸軍病院へ。ジョーの意識は出征前夜を駆け巡る・・カリーン(フィールズ)は可愛らしい娘。彼女の父親の許しで、二人は残り少ない時を一緒に過ごす。出征の朝。駅は愛国歌が流れごった返していた。泣くカリーンを抱きしめ、ジョーは軍用列車に・・軍医長の命令で「407号」は人目に付かない倉庫へ。腕の付け根辺りが痒い。だが何も無い。両手も、両足も。切らないでくれと頼んだのに。こんな姿で生かしておく医者など人間じゃない・・ジョーは少年時代を思い出す。父は貧しかったが釣竿を作るのが好きだった。そんな平和な家庭に不幸な出来事が。ジョーが働き出して間も無く父が死んだのだ。母は気丈に耐えていたが、幼い妹達は床に蹲り・・顔を被うマスクを換える時、神経を総動員して探ってみる。舌が無い。顎が無い。眼も、口も、鼻も。額の下まで抉られて。ある日、ジョーは何かが額に触るのを感じた。そうだ、これは太陽だ。あの懐かしい暖かさ、その匂い。ジョーは、野原で真っ裸で陽の光を浴びた日を思い出す・・悪夢のような戦場での体験が蘇る。その夜、塹壕で悪臭を放つドイツ兵の死体を埋めていた最中、あの長い砲弾の唸りが圧し掛かり、強烈な白熱が眼前に飛び散り、暗黒の世界に沈み込み・・「407号」は新しいベッドに移され、看護婦(ヴァーシ)も替わった。看護婦はジョーのために涙を流し、小瓶に赤いバラを1輪活けてくれた。やがて雪が降り、看護婦は「407号」の胸に指で文字を書く。M・E・R・Y。メリー・・そうか、今日はクリスマスなのか・・僕も言うよ看護婦さん。メリー・クリスマス!・・クリスマスの夜ジョーの勤め先のパン工場は熱気に溢れ皆でダンスを。父はジョーに言った。何も言えないなら電報を打て、モースルだ・・その日、「407号」が頭を枕に叩き付けるのを見た看護婦は軍医を呼ぶ。数日後、テイラリーと神父が倉庫に。頭を枕に打ち付ける「407号」を見た将校は「SOSのモールス信号だ」と。将校は「407号」の額にモールスで「君は何を望むのか?」。「外に出たい。人々に僕を見せてくれ、出来ないなら殺してくれ」。上官は愕然とし一切の他言を禁じたが、神父が詰る「こんな蛮行を信仰で庇えない。諸君の職業が彼を生んだのだ!」。一同が去り、1人残った看護婦は、殺してくれと訴え続ける「407号」の肺に空気を送り込む管を閉じた。しかし、戻って来た上官がこれを止め、看護婦を追い出す。倉庫の窓は閉ざされ、黒いカーテンが全てを隠す。暗闇にジョーだけが残された・・僕はこれ以上このままでいたくない。SOS、助けてくれ、SOS・・その声無き叫びはいつまでも響く・・

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2012年7月17日 (火)

映画157・・ライフ・イズ・ビューティフル

ライフ・イズ・ビューティフル(1998・イタリア)

Life_is_beautiful監督・ロベルト・ベニーニ、出演・ロベルト・ベニーニ、ジョルジオ・カンタリーニ、ニコレッタ・ブラスキ・・

1937年、イタリア・トスカーナ地方の小さな町アレッツォ。本屋を開く志でやって来たユダヤ系イタリア人のグイド(ベニーニ)は美しい小学校教師ドーラ(ブラスキ)と出会う。当座の生活のため叔父ジオの紹介でホテルのボーイになり、なぞなぞに取り憑かれたドイツ人医師レッシング等と交流し、ドーラの前に何度も思い掛けないやり方で登場。ドーラは町の役人と婚約していたが、抜群の機転と可笑しさ一杯のグイドに心を奪われる。ホテルの婚約パーティで、グイドはドーラを連れ去り二人は結ばれる。息子ジョズエ(カンタリーニ)に恵まれ幸せな日々だが、時はムッソリーニのファシズム政権下。ユダヤ人迫害の嵐はこの町にも吹き荒れ、ある日、ドーラが母親を食事に呼ぶため外出した隙に、グイドとジョズエは叔父ジオと強制収容所に。ドーラも迷わず後を追い、収容所行きの列車に乗り込む。絶望と死の恐怖立ち込める収容所で、グイドは幼いジョズエを怯えさせまいと必死の嘘を。収容所生活はジョズエがお気に入りの戦車を得るためのゲームだと。生き抜いて「得点」を稼げば、戦車が貰えると吹き込み続ける。強制労働の合間を縫い、女性収容所のドーラを励まそうと、放送室に忍び込み妻に呼び掛けたりと、グイドの涙ぐましい努力は続く。戦況は進み、収容所は撤退準備。この機を逃さじとグイドはジョズエを密かに隠し、ドーラを捜すうちに兵士に捕まる。グイドはジョズエの隠れ場所を通る時、お道化て行進ポーズ。それが彼の最後の姿・・ドイツ兵が去った後、外へ出たジョズエは進駐して来たアメリカ軍の戦車を見て歓声を上げる。戦車に乗せられたジョズエはドーラを見付け、母子は抱き合う・・幼い息子を生き永らえさせようとの父親の命懸けの嘘が齎した奇跡。

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2012年7月14日 (土)

本234・・うずしお

うずしお・・テオドール・シュトルム著

5187grulral__sl500_aa300__2別名「後見人カルステン」

小商人カルステンは知恵者で面倒見のよい清廉の士とされ、介添えが必要な人々の後見人として、妹ブリギッテと小さな港町に暮らす。ある時、後見したユリアーネと結婚するが、若く美しい妻は考えの浅い浮ついた女で、息子ハインリッヒを産み死亡。20年が経ち、ハインリッヒは美しく気性も母親そっくりで、仕事は続かず賭け事や下手な儲け話に手を出し失敗するなど、父や叔母の悩みの種で尻拭い続き。後見するアンナーは、ハインリッヒより1歳下の心優しいしっかり者の少女。周りの苦労も気に掛けず、ハインリッヒは相変わらず借金を拵える風来坊。老父カルステンの信用や財産も乏しくなり、それを知ったアンナーは協力を申し出るがカルステンに断られ、ハインリッヒからの求婚を受け窮状を救おうとする。始めこそ殊勝にしていたハインリッヒだが、やがて元の木阿弥となりアンナーの財産も食い尽くす。冬の嵐の日、港は大荒れで水門が破壊し氾濫、その夜「うずしお」に呑まれたのはハインリッヒだったのか。ブリギッテも死に、全ての財産を失い、嵐の夜の卒中で不自由になったカルステン。しかし、アンナーの精神も手も疲れ知らずで、幼い孫を守りするカルステンの救いとも希望ともなる・・幾代と続く、子供の手で安らかに暮らせる人は幸いである。全てを失くしても、優しい手で、寄る辺無い身の臨終の褥を敷いて貰える人も、やはり幸いである。

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2012年7月11日 (水)

映画156・・ギルバート・グレイプ

ギルバート・グレイプ(1993・アメリカ)

Gilbertgrape原作・ピーター・ヘッジス、監督・ラッセ・ハルストレム、出演・ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオ、ジュリエット・ルイス・・

肉体的、精神的に傷つき易い家族を守って生きる青年の姿を通して、家族の絆、兄弟の愛憎、青春の痛み、そして未来への希望を描く。

小さな田舎町、アイオワ州エンドーラ。24歳のギルバート・グレイプ(デップ)は、大型スーパーの進出で流行らない食料品店に勤める。日々の生活は退屈だが、彼には町を離れられない理由が。知的障害を持つ弟アーニー(ディカプリオ)は彼が身の回りの世話を焼き、監視していないとすぐに大騒ぎを起こす。母のボニーは夫が17年前に自殺を遂げて以来、外出もせず一日中食べ続け鯨のように太った。ギルバートは彼等の面倒を、姉のエイミーや妹のエレンと見なければならない。彼は店の客の、中年の夫人ベティと不倫を重ねるが、夫は気付いている。ある日、沿道でキャンプを張る少女ベッキー(ルイス)と知り合い、2人の仲は急速に深まるが、家族を捨てて彼女と町を出て行けない。そんな時、ベティの夫が死に、彼女は子供達と町を出た。一方、アーニーの18歳の誕生パーティの前日、ギルバートは弟を風呂へ入れさせようとし、苛立ちが爆発し暴力を振るってしまう。居た堪れず家を飛び出した彼の足は、ベッキーの元へ。その夜、彼は美しい水辺でベッキーに優しく抱かれ眠る。翌日、車の故障が直ったベッキーは出発。華やかなパーティも終わり、愛するアーニーが18歳を迎えた安堵からか、ボニーはベッドで眠るように息を引き取る。母の巨体と葬儀の事を考えたギルバートは、笑い物にさせまいと家に火を放つ。一年後、ギルバートはアーニーと、町を訪れたベッキーのトレーラーに乗り込む。姉や妹も自分の人生を歩き出す。アーニーが「僕らは何処へ?」と尋ねると、彼は「何処へでも」と。

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2012年7月 8日 (日)

本233・・悲しみよこんにちは

悲しみよこんにちは・・フランソワーズ・サガン著

W4セシルは17歳。仕事が出来、恋多き独り身の父親がいる。二人はとても仲良しで、パリで陽気な生活を送る。ある夏、彼等は南仏の海辺に、真っ白な素晴らしい別荘を借り、父の若い愛人エルザと一緒に、平和な夏休みを過ごす。そこへ、亡き母の友達の、理知的で美しいアンヌが遊びに来る。今まで、少し頭の軽い若い娘と遊んでいた父は、洗練されたアンヌに惹かれ、ある晩、カンヌで二人は一夜で結婚を決める。

セシルは未来の母親に複雑な感情を抱くようになる。父の愛情を独占したい気持ちや、勉強の強制や恋人シリルとの事に口出すアンヌに対する反感から、セシルは策略を用い、シリルやエルザを使い父の結婚を妨害し始める。シリルとエルザが交際していると見せ掛け、父にエルザを振り向かせ、アンヌとの中を割こうと。エルザとの場面を見たアンヌは、ショックで車で暴走し死に至る・・

セシルはシニックで、青春特有の一種の残酷さを持ち、鋭い観察眼で大人達を眺めている。世界は未知な事で一杯で新鮮だが、完成されたもの(アンヌ)に対する憎悪や反発感を抱く事に罪悪感は無かった。

アンヌの死後、途端にシリルやエルザに興味を失い、再び怠惰な生活へ戻る親子。罰の無い罪人なのかとの自分への問い。聡明で中庸に優れ魅力的だったアンヌの思い出から逃れられず、その憂鬱や恥辱そして喪失感・・悲しみよ、こんにちは。

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2012年7月 5日 (木)

映画155・・かくも長き不在

かくも長き不在(1960・フランス)

2012_01_04_2脚本・マルグリット・デュラス、監督・ アンリ・コルピ、出演・アリダ・ヴァリ、ジュルジュ・ウィルソン・・

テレーズ(ヴァリ)は、セーヌ河岸近くでカフェを営む。貧しい人々の憩の場。しっかり者と評判だが、女盛りを独り身で過し、運転手ピエールの親切にほだされるのも無理からぬこと。ある日、朝と夕方に店の前を通る浮浪者(ウィルソン)の姿に目を留める。16年前、ゲシュタポに捕えられ消息を絶った夫アルベールに似ていた。不安と期待でその男の通るのを待つように。ある暮れ方、手伝いの娘に男を導き入れさせ、物陰で男の言葉に耳を傾けた。男は記憶を喪失したのだと。彼女は男の後を尾けて行く。セーヌ河岸のささやかな小屋。その夜は立ち去れず、翌朝、男と初めて言葉を交し、もしやという気持が確信に変っていく。数日後、アルベールの叔母と甥を故郷から呼び、記憶を呼び戻す環境を作るが、彼の表情に変化はない。ある夜、男を招いて二人だけの晩餐にダンスを。それは幸福な記憶に誘い、彼女の眼には涙が。夫の記憶を取り戻す術はないのか。背を向けて立ち去ろうとする男の後頭部に、生々しい脳手術のメスの痕。彼女は、思わず「アルベール!」と叫ぶ。聞えぬ気に歩み去る男に、一部始終を伺っていた近所の人達も口々に呼び掛ける。瞬間、男は立ち止る。男の意識は戦時の世界にタイムスリップし、ゆっくりとホールドアップする。街角に流れる重い沈黙。一瞬後、彼は雨の中を逃げ出し、行く手にトラックのヘッドライト・・男は町を出てしまった。ピエールの慰めの言葉に、テレーズは呟く。「寒くなったら戻って来るかも知れない。冬を待つわ」。

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2012年7月 1日 (日)

本232・・異邦人

異邦人・・アルベール・カミュ著

810399503きょう、ママンが死んだ・・で始まり、人間社会に存在する不条理を描く。

アルジェに暮らす事務員ムルソーのもとに、養老院から母の死を知らせる電報が届く。葬式のため養老院を訪れたムルソーは、涙を流すどころか特に感情を示さず、母の顔さえ確認しない。葬式の翌日、偶然出会った旧知の女性と情事を持つなど普段と変わらない生活を送るが、ある日、知り合いのレエモンのトラブルに巻き込まれアラブ人(レエモンの女の兄)を射殺してしまう。ムルソーは逮捕され、裁判に掛けられる。裁判では母親の死以後の普段と変わらない行動を問題視され、人間味の欠片もない冷酷な人間であると糾弾される。裁判の最後では殺人の動機を「太陽が眩しかったから」と・・運命は受け入れるが、たとえ不利になっても自分に嘘を付かないムルソーを、悔恨よりも倦怠が包む。死刑を宣告されたムルソーは、懺悔を促す司祭を監獄から追い出し、死刑の際に人々から罵声を浴びせられることを人生最後の希望にする。

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