« 映画160・・明日に向かって撃て | トップページ | 映画161・・ジェイコブズ・ラダー »

2012年8月 6日 (月)

本235・・11の物語

11の物語・・パトリシア・ハイスミス著

61gtm8rhx5l★「恋盗人」・・ある男が相手の心を読み違え、一方的に結婚を申し込む手紙を送る。届かぬ返事を待つ内、ふと隣の郵便受けから手紙(隣の男を恋する娘の)を盗み読んでしまう。その手紙に返事を書き、娘と会う約束をする。待ち合わせ場所に出向き、不安を胸に不審がる娘に、一言謝りながらも笑い掛ける・・その積もりは無いと返事をしてきた相手に、なおも、やり直すべく次の手紙の文案を練る男。

★「すっぽん」・・子供の言葉を何一つまともに受け取らず、一方的に自分の考え(11歳のヴィクターに小さな半ズボンや靴を履かせ、頭ごなしに幼児扱い)を押し付ける母親。その都度、ヴィクターはソファに顔を埋め声を殺して嗚咽する。母親が料理用に買ってきたすっぽんを、可哀想に思い殺さぬよう嘆願するが、母親は表情一つ変えず湯の中に放り込む。そして、ヴィクターの心が壊れていく・・その夜、包丁を手に寝ている母親を何度も刺して殺す。

★「ヒロイン」・・雇い主に気に入ってもらいたいと願うあまり、どんどん行動がエスカレートしていく若い保母。給金の札を焼き、災難から子供たちを救うためにと雇主家に火を放つ。自分にとっての理想形をを夢想する感情が、内に内にと籠って、やがてある瞬間に「ずるり」と外へ飛び出す様を描く。

|

« 映画160・・明日に向かって撃て | トップページ | 映画161・・ジェイコブズ・ラダー »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 映画160・・明日に向かって撃て | トップページ | 映画161・・ジェイコブズ・ラダー »