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2013年6月 3日 (月)

本250・・雨・赤毛

雨・赤毛・・サマセット・モーム著

41pfpz62l__sl500_aa300_∇「雨」・・伝染病により、中継地の島に足止めされた医師夫妻と厳格な宣教師夫妻。彼等の宿の下階に、毎晩蓄音機で派手な音楽を流す商売女と思われる女性ミス・トムスンが同宿。狂信的な宣教師は毎晩彼女を訪れ、堕落した生活を悔い改めるよう指導し追い詰める。ミス・トムスンは態度を一変し悔悛した様子で縋り付くが、宣教師は監獄送りを承知で当局に訴え、サンフランシスコへの強制送還を手筈する。容赦無く降り続く雨は宿屋に押し込められた人々の心を段々と蝕んでいく。いよいよ明朝送還される前夜、宣教師は深夜遅くまで彼女の部屋で過ごした後、突然、浜辺で自ら剃刀で首を掻き切って自害。憔悴した宣教師夫人と医師夫妻が宿に戻ると、下階から再び喧しい音楽が。

∇「赤毛」・・前夜サンゴ礁に阻まれ接岸出来ずにいた船が港に入り、船長はこの南国に暮らす男ニールソンを訪ねる。多くの本に囲まれ、ピアノや楽譜等も。船長はこの老人からある話を聞かされる。30年程前、この島に外国から軍を脱走した赤毛の美青年が現れ、現地の美少女と恋に落ち相思相愛に。愛は永遠に続くかと思われたある日、青年は故郷の煙草が欲しくなり通り掛った船へ果物と交換に出掛けるが、彼はそれきり帰って来なかった。その後、青年を待ち続ける少女と結婚したニールソンだが、いつまで経っても青年を忘れない彼女に次第に嫌気が差し、ピアノと本に明け暮れる日々。 今は歳降り白髪で肌黒くがっしりした女と、薄毛の醜く酒膨れした胸毛の赤い船長は、互いに気付かず。恋物語への幻滅と、一顧すらも与えなかった女に侮蔑を感じ、人生の浪費に気付いたニールソンは、国に帰る用が出来たと彼女に告げる。


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