« 絵画237・・ニコラ・レニエ | トップページ | 絵画238・・フェリーチェ・フィケレッリ »

2013年6月10日 (月)

本251・・どん底の人びと

どん底の人びと・・ジャック・ロンドン著

51u2ldvk1zl__sl500_1902年夏、エドワード七世の戴冠式で賑わうロンドンのイースト・エンドの貧民街に潜入したアメリカ人作家のルポルタージュ。

古着屋で浮浪者風の服を調え、いざという場合に逃げ込める下宿も確保し、ロンドンの東、テムズ川の北の地域に入り込む。持ち前の人懐こさでイースト・エンドの住人達と接触するが、一文無しのアメリカ水夫という触れ込みで仲間に。泊る所が無く警官に追い払われながら夜通し歩き、浮浪者収容所を体験し、救世軍の給食所で僅かで非衛生な食事をし、ホップ摘みの日雇人夫として働き、痩せ衰えた子供達と遊び、小さな靴工場の悲惨な労働環境を目撃し、エドワード七世のパレードを、何日も食わず、屋外で寝ていた男と見物・・

文明が生産力を莫大に上げたにも関わらず、その「文明人」は希望も持てず短命で、過酷な飢餓で犬以下の生活をしている。一万年前の石器時代と変わらぬ生活をするイヌイット族は、贅沢は知らぬが衣食住に困窮していない。もし富の配分が公平に行われていれば「人間への冒涜」とも云えるこの様に悲惨な状況は回避出来る筈。イギリスとアメリカは国としての豊かさはほぼ同じなのに、最下層の人の生活がこれほど違うのは、イギリスの政治、国家の組織、管理運営に重大な欠陥が有るからだ、と。

|

« 絵画237・・ニコラ・レニエ | トップページ | 絵画238・・フェリーチェ・フィケレッリ »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 絵画237・・ニコラ・レニエ | トップページ | 絵画238・・フェリーチェ・フィケレッリ »