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2013年10月24日 (木)

本253・・イエスの生涯

イエスの生涯・・遠藤周作著

411h7jx8bcl__sx230_「彼の容貌を私達は見たこともない。彼の声を私達は聞いたこともない」で始まる・・当時の社会情勢、預言者(洗礼者)ヨハネの出現、イエスもヨハネから受洗。ヨハネは、ヘロデ王の再婚(姪であり兄弟の妻との)に反対し捕われ、その妻の計略等で斬首される。

イエスは愛を説き弱者の同伴者として生きるが、ローマに立ち向かう先導もせず奇跡も起こさない「無力の人」だったため民衆から去られ、最後には獄中の先導者と引き換えに磔刑を望まれる。凡庸な弟子達もイエスの心中を理解出来ず、我等が身の可愛さに土壇場でイエスを売る。反論もせず死刑を受け入れ、鞭打たれ侮蔑され惨めに死んだイエス。

そのイエスが何故神格化されたのか。イエスへの裏切りで、その死後の弟子達の屈辱と慙愧、自己嫌悪と弁解。如何なる英雄も裏切り者は許さない、イエスも自分達を憎み恨むだろう・・

「主よ、彼等を許したまえ。彼等はそのなせることを知らざればなり」、「主よ、何ぞ我を見棄てたまうや」、「主よ、全てを御手に委ねたてまつる」・・十字架上の最後の言葉。民衆の生贄として死んだイエスを、弟子達はようやく理解し始める。痩せて小さく無力なイエスの悲惨な死に際の愛の叫びは、弟子達に根本的な価値転換を促した。

その復活に関しても証拠立てるものは何も無く、マルコ福音書に墓から死体が消えた事実のみ記された。著者は、事実と聖書の魂を区別する。

イエスの生涯・・悩める民衆にひたすら寄り添った「悲しみの人」であり、見棄て裏切った者達にもその救いだけを祈った、とする。

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