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2013年11月 3日 (日)

本254・・決壊

決壊・・平野啓一郎著

1106036243出来の良いエリート公務員の沢野崇。弟で平凡なサラリーマン良介とその妻佳枝。欝で寝込む父治夫。文句の付けようの無い崇だが今一つ心が読めないとし、凡庸な良介を溺愛する母和子。

法事で息子達が帰省。自らも死に迷いのある崇は、父の欝を見抜き病院に掛かるよう家族を説く。兄を尊敬するがコンプレックスを持つ良介は、家族を愛するも等分に愛されていないのではとブログで真情を吐露。そのブログを見た佳枝は仮名でコメントし始め、その後崇に相談するが、良介は兄と妻の関係を疑い出す。

良介がバラバラ殺人の被害者に。良介のブログの別のコメント者を崇と思い込む佳枝は、最後に会った筈と警察に進言したため崇は逮捕される。父は徒に病に逃げ、良介可愛さに崇を疑い避ける母。四面楚歌で過酷な尋問に耐える一月半。父の自殺で崩れそうになるが、14歳の少年が別の殺人事件(同級生安由美をめった刺し)で逮捕され、良介事件への関与が判明し、崇は釈放される。

学校でキレ易く不気味と言われ、安由美に鬱屈した想いを寄せる北崎友哉。同じクラスの純也と彼女との卑猥な画像の存在を聞いた友哉は、その画像を密かに入手しネットに曝した上、匿名で安由美にメール。彼女は不登校になり、それを知った純也は友哉に暴行、友哉も不登校に。家庭に不干渉な父と、友哉を偏愛する母志保子。「孤独な殺人者の夢想」というブログを書く友哉。

良介と友哉、両者のブログに関わる「悪魔」と称する篠原勇治(母の私生児で、義父の薬物乱用と暴力の中、中学後家出)。法から遊離した「離脱者」を募る勇治は、同日に両者と落ち合い、良介を監禁し、友哉に殺害を手伝わせる。

良介の殺害場面のビデオを警察から見せられた崇は、自身の内面が崩れていくのを感じる。

爆破テロを起こし死んだ勇治。面会した両親に「死ね」と告げる友哉。未だ良介の遺骨壷を抱いたままの和子。

自身の幻覚症状に気付いた崇は、ある日、電車に飛び込む。

ダムや堤防のように、ギリギリまで頑張っている者が、とうとう限界を超えて一気に壊れてしまう現象・・決壊。

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