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2013年11月

2013年11月28日 (木)

絵画270・・カール・ブリューロフ

カール・ブリューロフ(1799~1852)

フランス系ロシア画家。09年から帝国アカデミー、その後ローマで学び「ポンペイ最後の日」など歴史的題材を描く。36年から母校で教鞭。聖イサアク大聖堂の天井画など。

Confession Diana_and_endymionSt_john_the_divine  The_last_day_of_pompeii The_death_of_ines_de_castro Genseric_sacking_rome

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2013年11月24日 (日)

本257・・葬送

葬送・・平野啓一郎著

41fkufcdcll__sx230_19世紀パリの社交界を舞台に、ショパン、ドラクロワ、ジョルジュ・サンド等、時代の転換点に生きる芸術家の創造の歓喜、苦悩と矜持を描く。

舞台は、ブルジョア中心の七月王政が1848年の二月革命により倒れ、第二共和制に移行する激動の時代。サンドと不和となり、パリに戻って来た天才ピアニスト・ショパンが、結核に因り繊細な39歳の生涯を閉じるまでを、画家ドラクロワとの友情を縦糸に、あらゆる価値観が変質した近代の意味を芸術家の精神の内に探る。

ピアノを生かすための演奏法として、敢えて小規模のサロンで演奏したショパン。20才でポーランドを去り、その後故郷がロシアに占領されたため、政治的意図は無かったにも関わらず再び彼の地を踏めなかった。

死を悟り、母は無理でもせめて姉に看取って欲しいとの願いが叶ったショパンは、発作の中彼を敬慕する人々それぞれに感謝と想いを告げる。それまでと違い死期の迫るショパンの病床を訪れず、死後にしてその悲しみに触れるドラクロワ。娘が実父のように慕っていたショパンを、別離以来見舞うことのなかったサンド。

ショパンの、母への、望郷の想い・・ショパンの葬儀の場面で始まり、終わる。

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2013年11月21日 (木)

絵画269・・アウグストゥス・マルレディ

アウグストゥス・マルレディ(1844~1904)

イギリス画家。61年からサウスケンジントンスクール、同年ジョン・ホースリー推薦でRアカデミーで学び63年から展示。ロンドンのストリートシーンを描く。

A_share_of_a_crust Uncared_for The_doll_shop_2 A_recess_on_a_london_bridge Joys_that_have_passed_away Wandering_minstrels

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2013年11月17日 (日)

本256・・赤い指

赤い指・・東野圭吾著

20091008221018165_2癌を患い余命幾ばくも無い伯父隆正を見舞う松宮。隆正は母の兄で、父亡き後母子を後援してくれた恩人。隆正の妻は既に亡く、姿を見せない息子恭一郎に納得出来ない。伯父は看護婦と気長な将棋。

会社にいた前原昭夫に、妻の八重子から一刻も早く帰るようにとの電話。前原にとって家庭は安らぎを与えてくれる場所ではない。同居の義母の事で夫を詰り続ける八重子。親和性に欠ける一人息子、直巳。帰宅すると、自宅の庭に投げ出された黒いビニール袋からは、白い靴下を履いた小さな足・・

少女の遺体が公園のトイレで発見。捜査上に浮かぶ平凡な家族。どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身によって明かされなければならない」。加賀刑事の言葉の意味は・・

顔を合わそうとすらしない息子。その息子を甘やかし続け、夫より常に息子を優先させる妻。そして年老い、呆け始めている母。幼女を悪戯目的で殺したのは、14歳の中学生である直己だった。昭夫は警察に届けようとするも、直巳のために止めるよう懇願する妻に負け、息子の犯罪を隠蔽するために策を張り巡らすが、決して人としてやってはいけない領域まで踏み込んでしまう。

合同捜査で加賀刑事(伯父の息子恭一郎)とコンビを組み今回の事件に取り組む事になった松宮は、まだ新米感が抜けない。彼は当初、加賀の捜査方針に疑問を抱き反発もするが、上司の言葉や、捜査が進むにつれ加賀の思慮の深さや暖かさに触れていく。

捜査の手が迫り無傷では逃れられないと見た昭夫は、加賀達に死体遺棄を告白し、呆けた母親が殺したと告げる。加賀は松宮に直巳の事情聴取を任せ、母の世話を主にしていた昭夫の妹晴美を連れて来る。母親に手錠を掛けると言われ、母の古いアルバムや子供の頃プレゼントした杖の鈴に付いた名札を見せられ、昭夫は崩れる・・母親は呆けてなどいなかった。息子を思い留まらせるため、事件前に指を口紅で赤く染め、その口紅を晴美に預け、昭夫が死体遺棄に使った手袋をしていたのだ。

事件解決を待っていたように伯父が死亡。松宮が窓の外を見やると、病院の門の影に恭一郎の姿。父親の死の知らせに病室へ入った恭一郎は、幼い頃の彼とその両親の写真を松宮に見せ、死ぬまで姿を見せるなと言われていたと告げる。父親が家を省みなかったため家出した母が遠い地で一人死んだ時、息子一人に迎えに行かせ、自らも独りで死に望むと決めたのだと。

父親は桂馬を握っていた。「見事に詰みだ。親父の勝ちだよ。良かったな」。将棋の相手は、看護婦に託した恭一郎であった。

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2013年11月14日 (木)

絵画268・・ウラジミール・マコフスキー

ウラジミール・マコフスキー(1846~1920)

ロシア画家。モスクワアートスクールに学ぶ(父エゴールは同スクールの創設メンバー)。兄コンスタンチンと共に、移動派の創立メンバー。78年母校のメンバーとなり、ワシリー・ペーロフ亡き後、教鞭を執り育成に努める。1917年の革命後、社会主義リアリズムの虐げられた人々の側に立つ。

In_search_of_medicine Two_sisters The_doss_house Native_mother_and_stepmother Not_guilty Bank_crash Do_not_go The_prisoner

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2013年11月10日 (日)

本255・・Nのために

Nのために・・湊かなえ著

61wajeoplal_4大学1年の秋、台風の床上浸水で、杉下は同じアパートの安藤西崎と親しくなる。それぞれに屈折とトラウマ、3人はやがてある計画に手を染めた。全ては「N」のために・・イニシャルNの7人。

★杉下希美(22歳、K大4年。清掃会社でアルバイト。愛媛県の小さな島出身。スキューバダイビングのツアーで野口夫妻と親しくなる。趣味は将棋で、安藤とはよく対局。誰かのための苦労は厭わない優しさを持つ反面、冷静に人を分析。故郷で成瀬と再会し思いついた計画が・・)

★成瀬慎司(22歳、T大学4年。有名フレンチ「シャルティエ広田」でアルバイト。杉下とは高校の同級生。実家は伝統ある料亭だったが、高3の時に倒産。杉下にディナーの出張サービスを教えたことから事件が動き出す・・)

★安藤望(23歳、大手商社の営業。上司野口貴弘を尊敬するも逆の思いも。学生時代「野バラ荘」に住み、杉下・西崎とは当時からの付き合い。向上心が強く、目標に向かって最短距離を探る。ある行動が事態を大きく狂わし・・)

★西崎真人(24歳、大学4年留年中。自称作家。文学賞に応募するも落選続き。自作を理解出来るかで人を判断。俳優の様な美しい顔を持つが、その言動の裏にどの様な思いが・・)

★野原(80歳、築70年の「野バラ荘」大家。住人の杉下・西崎を見る目は暖かい)

★野口貴弘(42歳、大手商社の営業課長。安藤の直属上司。実家は資産家で、妻の奈央子と優雅に暮らす。杉下・安藤を食事に招き親しく付き合う。優秀で人望も厚いと云われるが、部下の功労を・・)

★野口奈央子(29歳、貴弘の妻。夫が勤める商社の重役の娘で、受付係をしていた頃に知り合う。お嬢様育ちだが尽くす面も。杉下を一方的に可愛がる。その華やかな生活に浮気の噂が・・)

事件・・杉下・安藤が出張ディナーに招待された野口宅。燭台で殴り殺された貴弘、腹に包丁が刺さったまま死んだ奈央子。傍には、杉下と西崎。ドア外チェーンが掛けられ誰も出られず。西崎は、貴弘が奈央子を刺し自分が貴弘を殴り殺したと自首(自身のトラウマとも決別するため)・・事実は、奈央子が貴弘を殴り殺し包丁で自殺。

杉下・・父に捨てられた母と弟との3人で暮らしたがトラウマで大量の食事作り。料亭火災消失で成瀬の放火と信じ込む。西崎・・幼少時母親からの虐待でトラウマを持ち、貴弘にDVされる奈央子に一方的にシンパシー。安藤・・自分だけ阻害された感情で野口家のドア外に施錠(貴弘が奈央子監禁目的で外にドアチェーン)。

それぞれの10年後・・みんな一番大切な人のことを考え、その人が一番傷つかない方法を考え偽証した筈が、そこには思い込みと誤解があり、誰も真実を詮索せず・・

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2013年11月 7日 (木)

絵画267・・レッサー・ユリィ

レッサー・ユリィ(1861~1931)

ユダヤ系ドイツ画家。デュッセルドルフアカデミーで、その後パリでルフェーブル等と学ぶ。89年初展覧会、アドルフ・メンツェルの支持を受ける。93年ミュンヘン分離派展に出品。

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2013年11月 3日 (日)

本254・・決壊

決壊・・平野啓一郎著

1106036243出来の良いエリート公務員の沢野崇。弟で平凡なサラリーマン良介とその妻佳枝。欝で寝込む父治夫。文句の付けようの無い崇だが今一つ心が読めないとし、凡庸な良介を溺愛する母和子。

法事で息子達が帰省。自らも死に迷いのある崇は、父の欝を見抜き病院に掛かるよう家族を説く。兄を尊敬するがコンプレックスを持つ良介は、家族を愛するも等分に愛されていないのではとブログで真情を吐露。そのブログを見た佳枝は仮名でコメントし始め、その後崇に相談するが、良介は兄と妻の関係を疑い出す。

良介がバラバラ殺人の被害者に。良介のブログの別のコメント者を崇と思い込む佳枝は、最後に会った筈と警察に進言したため崇は逮捕される。父は徒に病に逃げ、良介可愛さに崇を疑い避ける母。四面楚歌で過酷な尋問に耐える一月半。父の自殺で崩れそうになるが、14歳の少年が別の殺人事件(同級生安由美をめった刺し)で逮捕され、良介事件への関与が判明し、崇は釈放される。

学校でキレ易く不気味と言われ、安由美に鬱屈した想いを寄せる北崎友哉。同じクラスの純也と彼女との卑猥な画像の存在を聞いた友哉は、その画像を密かに入手しネットに曝した上、匿名で安由美にメール。彼女は不登校になり、それを知った純也は友哉に暴行、友哉も不登校に。家庭に不干渉な父と、友哉を偏愛する母志保子。「孤独な殺人者の夢想」というブログを書く友哉。

良介と友哉、両者のブログに関わる「悪魔」と称する篠原勇治(母の私生児で、義父の薬物乱用と暴力の中、中学後家出)。法から遊離した「離脱者」を募る勇治は、同日に両者と落ち合い、良介を監禁し、友哉に殺害を手伝わせる。

良介の殺害場面のビデオを警察から見せられた崇は、自身の内面が崩れていくのを感じる。

爆破テロを起こし死んだ勇治。面会した両親に「死ね」と告げる友哉。未だ良介の遺骨壷を抱いたままの和子。

自身の幻覚症状に気付いた崇は、ある日、電車に飛び込む。

ダムや堤防のように、ギリギリまで頑張っている者が、とうとう限界を超えて一気に壊れてしまう現象・・決壊。

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