« 絵画271・・エドワード・M・ウォード | トップページ | 絵画272・・ギュスターヴ・ドレ »

2013年12月 8日 (日)

本259・・容疑者Xの献身

容疑者Xの献身・・東野圭吾著

20080815233816_2靖子は娘・美里とアパートで二人暮らし。ある日、靖子の元夫・富樫が疫病神のように現れる。暴力を振るい金を無心する富樫を、靖子と美里は喧嘩の末に殺してしまう。今後を思い呆然とする母娘に救いの手を差し伸べたのは、隣人の天才数学者・石神。彼は自らの論理的思考に拠り二人に指示を出す。

3月11日、旧江戸川で死体が発見される。警察は遺体を富樫と断定、花岡母娘に目を付けるが、捜査が進むにつれ、あと1歩で悉くズレが生ずる。困り果てた草薙刑事は、友人の天才物理学者・湯川に相談。石神と湯川は大学時代の友人で、互いに才能を認め合っていたが、20年が経つ。現在、湯川は大学の研究室に、石神は家庭の事情で高校の数学教師。湯川は当初この事件を傍観するが、やがて石神が絡んでいることを知り、独自に解明に乗り出す。

「人に解けない問題を作るのと、その問題を解くのでは、どちらが難しいか」、「思い込みに因る盲点を突く、とは」、「自分で考えて答えを出すのと、他人から聞いた答えが正しいかどうか確かめるのとでは、どちらが簡単か」、「無駄な歯車など無い、その使い道は歯車自身が決めること」・・

草薙との友情をフイにしてでも、彼のプライド(人間の価値を内面や頭脳に置き、傍目など気にしなかった男が、自分は彼女に相応しい見栄えではないとする純情)に関わるとして、石神を疑い出した切っ掛けを話そうとしない湯川。

湯川が全てを見抜いたと気付く石神。富樫の死体の始末だけでなく、9日の犯罪を隠すため、10日に新たな殺人を犯してまで自らの退路を断った。靖子に真相を知らせないまま、ストーカーの汚名まで着て彼女の幸せを祈った・・

石神自首を聞いた湯川は、その心情を理解しながらも靖子に真実を告げる。激しく動揺する靖子の下に、美里の自殺未遂の知らせ。

早い起訴を望む石神を、湯川が訪れる。「その頭脳をそんなことに使わねばならなかった事が悲しい、二人といない好敵手を永遠に失った事も」と。靖子が現れ、ひれ伏し詫びる。慟哭する石神・・

過日、生きている意味を見失い自殺を図る寸前に、石神は、引越し挨拶で訪れた靖子母娘の綺麗な目に、数式の説かれる美しさと同じものを見たのだった。

|

« 絵画271・・エドワード・M・ウォード | トップページ | 絵画272・・ギュスターヴ・ドレ »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 絵画271・・エドワード・M・ウォード | トップページ | 絵画272・・ギュスターヴ・ドレ »