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2014年4月 3日 (木)

本271・・しゃぼん玉

しゃぼん玉・・乃南アサ著

51rz5dkb9kl__sx230_・・自分は生涯しゃぼん玉の様にただ漂って生き、いつか何処かで弾けて消える。それだけの存在。
女性や老人を狙い通り魔や強盗傷害を繰り返し、自棄な逃避行を続けていた翔人は、宮崎の山深い村で老婆と出会う。翔人を彼女の孫と勘違いした村人達は、あれこれと世話を焼き、山仕事や祭りの準備にも駆り出す。
夜明前、脅迫しトラックから放り出された翔人の前に、バイク転倒で怪我をした老婆(スマ婆)が現れ、これ幸いとバイクを盗む積りが、スマ婆を連れ帰り病院まで付き添う羽目に・・ひったくりで脅すだけのナイフが女に刺さり、始まった逃避行・・何も訊かず「ぼう、ぼう」と呼び、食事をさせ泊らせるスマ婆との生活が、意外な方向にズレて行き、スマ婆が修理に出した軽トラが戻ったら、金目の物が見つかったら逃げ出そうとするが・・小遣い欲しさでシゲ爺と山仕事(努力が苦手で、泣き言を言いながらも)に出、祭りの準備で美和(通り魔に襲われ傷心を抱える)と出会い、スマ婆の不肖の息子(翔人の父親と同じ様な)に無我夢中で反抗する。自分が痛い事は人だって痛い、生きる上での逃げ癖を止めねば、相応の落とし前を付けねばやり直せぬ、とシゲ爺。自分が、どれ程の痛みを見も知らぬ他人に与えて来たのか・・スマ婆に全て(父親の暴力と母親からの疎外、流される様にその場凌ぎの犯罪を繰り返して来た)を打ち明けた翔人は、祭の早朝、シゲ爺に町の交番前まで送ってもらい自首。
三年後・・あの山深い、スマ婆の待つ村へ向かう翔人。その日はあの祭り日だった。

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