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2014年5月15日 (木)

本277・・FINE DAYS

FINE DAYS・・本多孝好著

20110202_1669841∇「イエスタデイズ」・・自分だけ異分子の様に感じ、1年前、些細な争いで家を飛び出した僕。死の床にある父からの電報で呼び出され、35年前に別れた元恋人探しを頼まれる。手掛かりは、彼女が描かれたスケッチブックと、澪という名前。そして彼女は妊娠していたかもと。当時彼女の暮らしていた部屋を訪ねると、そこに居たのは、幸せそうな絵の中の女性と若き父・・画家になる積りが、借金を残して死んだ父親の後を継ぎ、澪と別れた父。別れる時に描かれた絵。父との想い出を胸に、結婚もせず娘を育てた澪。現在の父と澪の笑顔にだけ当時の面影が。自分と父は拘り方が似ている。
∇「眠りのための暖かな場所」・・大学院に進んだ私は、教授の依頼で孤立するツトムと関わり出す。ツトムに好意を寄せる明美が事故に遭い、幼馴染みが現れツトムが予知する少年だったと語る。幼い時、車の転落事故で妹を押し退ける様にして自分が救助された後ろめたさを抱えて来た私。昔から穏やかな笑顔で誰かを恨み殺すのは姉・陽子で、その秘密を知るツトムは逃げる訳にいかない。体が芯まで冷たくなって活動停止になる様な眠りしか持てない2人。絶望したツトムは自殺を図る。病院に見舞った私は、人を温める事への臆病を断ち切るため、姉の前で重体のツトムにキスをし恋人だと宣言する。
∇「シェード」・・年上の彼女のマンション近くのアンティークショップ。クリスマスの日、彼女に贈ろうと思っていたランプシェードは前日売れていた。蝋燭の灯りの下に砂時計を置き紅茶を淹れた店主の老婆が、そのシェードに纏わる不思議な話を始める・・夫を亡くした女を愛したガラス職人がいて、師匠から命を吹き込んではいけないと言われていたが、死の闇に連れ去られそうな女を灯りで守るため想いを込めたシェードを贈るが、前夫への嫉妬から蝋燭を取り替えるのが遅れ女は死ぬ・・境遇の似た話に胸が潰れそうな自分に、老婆がシックで素敵な蝋燭を差し出す。彼女の部屋に駆けつけると、そこに暖かい料理とあのシェードがあった。

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