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2014年5月

2014年5月29日 (木)

絵画301・・グイド・カニャッチ

グイド・カニャッチ(1601~1663)

イタリア画家。16年からボロネーゼスクールでG・レーニ等に学ぶ。50年ヴェネツィアでアートスクール設立。58年ウィーンのレオポルドⅠ世の宮廷画家。
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2014年5月25日 (日)

絵画300・・F=グザヴィエ・ファーブル

F=グザヴィエ・ファーブル(1766~1837)

フランス画家。モンペリエアカデミー後、ダヴィッドのアトリエで学び、87年ローマ賞。93年からフィレンツェに移り、フィレンツェアカデミーメンバー。フランスに戻り、アートスクール設立。
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2014年5月22日 (木)

本278・・梶井基次郎

梶井基次郎・・梶井基次郎著

51agljxgsl_sx230_∇「檸檬」・・得体の知れぬ不吉な塊が心を圧し、居堪らず街を放浪する。見すぼらしく美しいものに惹き付けられ、京都から逃げ出し誰一人知らない市へ行きたい。錯覚と壊れ掛った街との二重写しの中に、現実の自分を見失うのを楽しむ。ある朝、街から街へ彷徨い、二条の寺町を下がり果物屋で足を留める。飾り窓の光が夥しく街路へ流れるが、その店頭の周囲だけが妙に暗い。元々檸檬の色や錘形の恰好が好きで、一つ買う。心の不吉な塊が檸檬を握った瞬間から幾分緩み、幸福でその冷たさも快い。どう歩いたのか、丸善の前に立ち、画本の棚へ。何冊も引き出し積み上げるが、疲労感と耐え難い憂鬱で一杯になる。袂の檸檬を憶い出し、本の城壁の頂きに据え付け、何食わぬ顔で外へ。あの黄金色に輝く爆弾を仕掛けた奇怪な悪漢が自分で、丸善の美術の棚を中心に大爆発したら面白いだろう・・その想像を追求しながら京極を下る。
∇「桜の樹の下には」・・桜の樹の下には屍体が埋まっている。信じ難いのは、あんなにも見事に美しく咲く事。どんな樹の花でも、真っ盛りには神秘な雰囲気を撒き散らす。人の心を撲たずにはおかぬ美しさで、逆に不安で憂鬱に空虚になる。咲き乱れる桜の樹の下に、一つ一つ屍体が埋まっているとしたら。屍体は腐乱して蛆が湧き堪らなく臭いが、水晶の様な液を垂らす。桜の根はその液体を吸い、それが維管束を夢の様に上がっていく・・渓の水が乾いた磧の水溜りに、光彩が一面に浮くのを見る。産卵を終わった数知れない薄羽かげろうの屍体の翅からの虹。墓場を発いた様な残忍な喜びに胸を突かれる。ただの渓間の景色は朦朧としてい、惨劇が必要で、その平衡で心象が明確になる。悪鬼の様に憂鬱に乾く心は、憂鬱の完成で和む・・何処からとも判らぬ空想の屍体が、桜の樹と一つになり頭を離れない。今こそ、桜の樹の下で酒宴を開く村人達と同じ権利で、花見の酒が呑めそうだ。

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2014年5月15日 (木)

本277・・FINE DAYS

FINE DAYS・・本多孝好著

20110202_1669841∇「イエスタデイズ」・・自分だけ異分子の様に感じ、1年前、些細な争いで家を飛び出した僕。死の床にある父からの電報で呼び出され、35年前に別れた元恋人探しを頼まれる。手掛かりは、彼女が描かれたスケッチブックと、澪という名前。そして彼女は妊娠していたかもと。当時彼女の暮らしていた部屋を訪ねると、そこに居たのは、幸せそうな絵の中の女性と若き父・・画家になる積りが、借金を残して死んだ父親の後を継ぎ、澪と別れた父。別れる時に描かれた絵。父との想い出を胸に、結婚もせず娘を育てた澪。現在の父と澪の笑顔にだけ当時の面影が。自分と父は拘り方が似ている。
∇「眠りのための暖かな場所」・・大学院に進んだ私は、教授の依頼で孤立するツトムと関わり出す。ツトムに好意を寄せる明美が事故に遭い、幼馴染みが現れツトムが予知する少年だったと語る。幼い時、車の転落事故で妹を押し退ける様にして自分が救助された後ろめたさを抱えて来た私。昔から穏やかな笑顔で誰かを恨み殺すのは姉・陽子で、その秘密を知るツトムは逃げる訳にいかない。体が芯まで冷たくなって活動停止になる様な眠りしか持てない2人。絶望したツトムは自殺を図る。病院に見舞った私は、人を温める事への臆病を断ち切るため、姉の前で重体のツトムにキスをし恋人だと宣言する。
∇「シェード」・・年上の彼女のマンション近くのアンティークショップ。クリスマスの日、彼女に贈ろうと思っていたランプシェードは前日売れていた。蝋燭の灯りの下に砂時計を置き紅茶を淹れた店主の老婆が、そのシェードに纏わる不思議な話を始める・・夫を亡くした女を愛したガラス職人がいて、師匠から命を吹き込んではいけないと言われていたが、死の闇に連れ去られそうな女を灯りで守るため想いを込めたシェードを贈るが、前夫への嫉妬から蝋燭を取り替えるのが遅れ女は死ぬ・・境遇の似た話に胸が潰れそうな自分に、老婆がシックで素敵な蝋燭を差し出す。彼女の部屋に駆けつけると、そこに暖かい料理とあのシェードがあった。

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2014年5月11日 (日)

絵画298・・ルイ・ラグルネ

ルイ・ラグルネ(1724~1805)

フランス画家。44年からローマ王立学校でカール・ファン・ローに学ぶ。55年、Rアカデミーメンバー。62年からボザール教授。81年からローマのフランスアカデミーディレクター。
Pygmalion_and_galatea_2 St_germain_and_st_genevive_2 Tancred_and_clorinda_2The_abduction_of_deianeira_3 Midday_2
 

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2014年5月 8日 (木)

本276・・春のオルガン

春のオルガン・・湯本香樹実著

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春。小学校を卒業したばかりのトモミ。祖母が死んでから、馬鹿にされ恐れられ叫ぶ怪獣になった夢を見る。
納戸の整理をし続ける祖父。余り家に帰らない父と、外で働く母。本好きの弟・テツ。捨て猫に餌をやるおばさん。頑なな隣人のトラブル爺さん。ある夕、トモミはテツとの帰り道に変質者に胸を掴まれる。
原因不明の頭痛、際限の無い眠りと奇妙な夢。大人への脱皮の痛みへの戸惑い、さり気無い日常に紛れた一つの人生の危機・・身の置き場の無い不安への荒療治として、トモミはテツと捨て猫のいる廃バスに家出する。
その夜現れた祖父に、祖母の死への罪悪感(機械に繋がれているより、もう死んだ方がいいと思った)を打ち明け、語らう。言えずにいた苦しみが頭痛の原因で、受け入れるしかない「死」からの後悔の痛みに耐え、他と共有出来ない苦しみに混乱する中で、自身を引き受け、折り合いをつけて行く事が他者と関わる事、生きる事と知る。
人間関係はバラバラで処し方が判らないが、人は勝手な事ばかりをしている訳でもなく、そうせざるを得ない事もある。善からの気持が同じ様に作用する訳でもなく、理解出来ない悪意も存在する。大人になるという事は、それ等と共存していく事なのだと。
病気で死んでいく猫達を必死で治してやろうとし、猫おばさんや姉を守るため強くなろうとするテツ。どうしようもない事も多いが、それと戦おうとするのが勇気だと、猫おばさん。
・・トモミは中学に進み、古い家は改築される事に。昔、母が弾いた壊れたオルガンを、祖父が懲りずに修理中。

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2014年5月 1日 (木)

本275・・ポプラの秋

ポプラの秋・・湯本香樹実著

0002602夫を喪ったばかりで虚ろな母と、もうすぐ7歳の千秋。2人は夏の昼下がり、ポプラの木に引き寄せられる様に、そのアパートに移り住んだ。静かに佇む庭のポプラを、部屋の窓から眺め暮らす千秋。年降り近付き難い大家のお婆さんは、転校先で馴染めなく体調を崩した千秋に、ある日、奇妙な話を持ち掛ける・・
アパートの2階は3軒。独身を通した化粧気の無い佐々木さん。離婚したタクシー運転手の西岡さん。冬休みに遊びに来ていた西岡さんの息子オサム君。
死んだ誰かへの手紙を預かり、あの世で渡す約束をするお婆さん。千秋は、無口で孤独を好んだ父への手紙を書き始める。
10歳までのポプラ荘での日々。18年後の秋、お婆さんの葬式に向かう千秋。約束を守ってくれたお婆さんと、その縁のある人々。
再婚した母と、反抗期でもあった10代。通夜で、お婆さんに預けた父宛ての母の手紙を読む千秋。父親は2人を残して自殺していた。感受性豊かで傷付き易かった父に似る千秋を案じ、その事実を隠してきた母。現在が必ずしも思い通りでない千秋は、母の想いに感謝する。野辺送りの日、飛行機雲の空に何処からともなく聞こえるお婆さんの声・・

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