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2015年5月17日 (日)

本291・・帰郷

帰郷・・堂場瞬一著

41k6nljtbul_sy344_bo1204203200_刑事「鳴沢了」シリーズ第5弾。
鬼の捜一と呼ばれた父が胃癌で死去し、了が故郷・新潟に戻った1週間を描く。
15年前の未解決殺人事件(前日の、父の葬儀日に時効成立)被害者の息子(鷹取正明)が、犯人の名(父親の友人・羽鳥)を挙げて事件の洗い直しを了に依頼。解決率99%と云われた父の唯一未解決事件。了は、父の無念を晴らすためかその鼻を明かしたいためかと葛藤しながらも事件を追う・・父親から虐待されていた12歳の正明が父親をめった刺しで殺していた。羽鳥が正明を施設に匿い援助し続けてきた事で、正明は自らの罪にも向き合えずその後の15年も荒れた日々を送らざるを得なくなったとして羽鳥を恨んだ・・父は事件の真相に迫るもまさかの疑念が拭えず、移動も重なり未解決に。
・・前作「孤狼」では、警察内部に巣くう「十日会」の闇を追う特命捜査で、確執の続く父から、元同僚を介し「どんな手を使ってもいいから徹底的にやれ」との伝言。事件解決の時、父の感想を訊きたいと思った。
・・古い事件を辿る内に、暗い記憶(祖父の罪と、その死を見逃した)を抱え、意固地に父との関わりを避けてきた了が、その仕事に取り組んだ姿勢や自分への想い、自身の中にあった父への愛情に気付く。父亡き後、身辺整理の行き届いた家に残された日誌と了名義の車・・
・・祖父の罪を公にしなかった父は、それが明るみに出ないよう、了が刑事になるのを反対した。敬愛する祖父の罪を知った了が壊れてしまうのではないかと危惧して。息子に詰られる事は与えられた罰として、全てを抱え込み誰にも弱みを見せず孤高に生きた父。もっと父と話し、手本とすべき経験を吸収していればと悔む。

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