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2016年4月26日 (火)

本303・・我らが共通の友

我らが共通の友・・C・ディケンズ著

Ourmutualfriend_2産業革命の成功に因る物質的繁栄に対比する、歪みや底辺社会の貧窮等の都市的社会問題の深刻化する19世紀ロンドン。
中産階級の拝金主義と真の愛情関係に焦点を当て描かれる。「塵芥(ごみ)の山」としてのテムズ川が、「死」・「浄化」・「再生」というモチーフの暗示として、交差し錯綜する挿話と人間関係を結ぶ。
・・「塵芥の山」で財を成した父親の気まぐれな遺言で、未知の女性との結婚を定められたジョン・ハーマンとその相手ベラの話。テムズ川辺人足の娘リジーと上流青年弁護士ユージンの話。この二つの物語が並行・交差して綴られる。
彼等を取り巻く成金ブルジョワの醜悪さ、ユダヤ人への偏見、人間の卑劣さや嫉妬・憎悪等が社会的実体として迫るものの、マイナーな庶民の生彩溢れるユニークな描写が、ペーソスに彩られた最下層にあってもその健気さや純情はそれぞれの個性を発揮しながら等しく生きる権利を主張している。

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