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2016年11月25日 (金)

本314・・女の学校・ロベール

女の学校・ロベール・・アンドレ・ジイド著

Img_1「女の学校」・・人間の「誠実さ」を追求している。外観的には極めて中庸を得た好紳士である夫ロベールの中にある虚栄心と偽善を、時代に即してではあるが些かの仮借も無く抉り出して批判するエヴリーヌ。少女の様なままロベールの物腰の柔らかさや宗教に因った知性に憧れ結婚するも、時を待たずロベールの上辺だけの言葉や態度に気付き幻滅していく。夫の戦争時の立ち回り方(参戦からひたすら逃げ、なお叙勲)が決定的となり、自らは戦地に程近い病院の看護へと旅立ちそこで死亡。娘に日記を残して。彼女は「誠実さ」が具象化された純粋型である。
「ロベール」・・「女の学校」の続編となる。エヴリーヌの夫ロベールの、彼女の死後発表された日記(自分の許可無しに出版された)に対する、徒に長い弁明乃至は抗議である。利己心のみのロベールは彼女の心模様の変化を認めようとせず、宗教や因襲から来る夫への従属を求め続ける。一見納得のいくような彼の言葉も、結局エヴリーヌの非難を裏書きする様な結果になっている。
・・二人の間に出来た娘(ジュヌヴィエーヴ)が、両親の関係を批判したり、新しい恋愛観や結婚観を提出したりしているが、この作品(「ジュヌヴィエーヴ」という未完の告白)もまた、虚偽なもの、圧政的なもの、因襲的なものに対する反抗の書である。母は自由を願う事に留まり、娘はそれを奪い取ろうとしてる。

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