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2018年4月

2018年4月 4日 (水)

本322・・ダナエ

ダナエ・・藤原伊織著

51tfk7q4scl_sx344_bo1204203200_ダナエ・・ギリシャ神話に縁る。アクリシオス王の娘。メデューサを退治したペルセウスの母親。アクリシオスは神託でダナエの息子が彼を殺すと出、娘を幽閉するが、大神ゼウスが見染めペルセウス誕生。結果、スポーツ競技でペルセウスの投げた円盤が観客席のアクリシオスに当たり死亡。
世界的評価を受けるようになった画家・宇佐美の個展で、財界の大物・古川(義父)の肖像画が、硫酸を掛けられ切り裂かれた(レンブラントの『ダナエと』同じ)。画廊への電話で犯人の少女は「これは予行演習だ」と。宇佐美はこれを警察沙汰にしない。宇佐美の妻(宇佐美は既に別れる積り)は娘を残し離婚していたが・・
宇佐美も再婚で、別れた妻・早苗は彼が売れるまで身を落としてまで彼を支え続け、自ら身を引いた。
早苗は当時、薬に手を出しその後体を壊した。宇佐美に告げずに生んだ娘・神奈。その後死亡。母と宇佐美の中を裂いた古川、母を捨てた宇佐美、と思い込み、従姉に手伝ってもらっての神奈の復讐だった。
神奈からアトリエに火を放つと告げられた宇佐美は、アコーディオンとランプの静物画だけ避けてくれと頼む。それは、彼と早苗との想い出の縁(よすが)を描いたものだった・・
・・わが思惟するものは何ぞや すでに人生の虚妄に疲れて 今も尚家畜の如くに飢ゑたるかな。我れは何物をも喪失せず また一切を失い尽くせり(萩原朔太郎)

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