本323・・八甲田山死の彷徨
八甲田山死の彷徨・・新田次郎著

同じ師団でも極寒に慣れ、雪中行軍の演習経験も有った31連隊。指揮官の徳島大尉は小隊精鋭で臨んだ。ノンキャリア組の5連隊指揮官・神田大尉は、お目付役の山田少佐の意向で慌ただしく中隊を組まざるを得なく、地元の案内人も付けられず、行軍初日から少佐に指揮され結果抗えず・・
前後も見えない暴風雪の山中を彷徨する内、磁石も狂い次々と部下を喪い帰営已むなく、その途次、自身もこれまでと神田大尉は舌を噛み果てる。神田大尉の安否を尋ねた徳島大尉に、気負い過ぎた行軍計画だったと責任を負わせる5連隊上官。山田少佐は後に病院で拳銃自殺。
最近のコメント